日吉大社の狛犬

20170330

所在地:滋賀県大津市坂本5−1−1
撮影日:2017年3月22日

青春18キップで旅をした際に撮影した、日吉大社の狛犬です。
本殿の回廊に置かれた狛犬は、他にも上賀茂神社、下鴨神社、春日大社などありますが、ほとんど見ることが出来ない状況です。
そのなかで、ここ日吉大社は本殿の回廊に近づけるため、間近に見ることができる貴重な場所となっています。

日吉大社については、既に記事にしています。

その記事を見る


日吉大社には、東本宮、西本宮、樹下宮、宇佐宮、白山宮と5つのお宮があり、それぞれの本殿の回廊に狛犬が居ます。
この記事で、一挙に5組の狛犬を紹介します。

【西本宮】
年代:天正14年(1586)
材質:木製
型式:神殿型

本殿
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本殿の回廊に置かれている。
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右の阿形獅子
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左の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であるので獅子。
・左側が吽形、たてがみが流れているので狛犬。頭に角を備える。
・眼は玉眼、顔はいかめしいが親しみやすい表情をしている。
・前足はたくましく、翼のような毛を持つ。
・後足は蹲踞。
・尾は、阿形獅子のは先端が巻き毛の太い毛が扇状に広がっていて、吽形狛犬のは真っ直ぐの太い毛が扇状に広がっている。


【東本宮】
年代:文禄4年(1595)
材質:木製
型式:神殿型

本殿
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本殿の回廊に置かれている。
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右の阿形獅子
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左の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であるので獅子。
・左側が吽形、たてがみが流れているので狛犬。頭に角を備える。
・眼は玉眼、顔は丸くて、眼が中央に寄り目で、人なつこい表情をしている。
・前足はたくましく、翼のような毛を持つ。
・後足は蹲踞。
・尾は、先が丸く太い棒状の毛が扇状に広がっている。


【樹下宮】
年代:文禄4年(1595)
材質:木製
型式:神殿型

本殿
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本殿の回廊に置かれている。
灯篭が下がっていて、灯篭が邪魔して正面からの狛犬を撮れない。辛うじて顔を撮れただけ。

右の阿形獅子
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左の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であるので獅子。
・左側が吽形、たてがみが流れているので狛犬。頭に角を備える。
・眼は玉眼、顔は四角くて、いかめしい。獅子舞の獅子にこの顔が多い。
・前足はたくましく、延びている毛の先端が巻き毛。
・後足は蹲踞。
・尾は、中央に剣状に毛がスックと立ち、そこから他の毛が枝分かれして植物状に広がっている。


【宇佐宮】
年代:慶長3年(1598)
材質:木製
型式:神殿型

本殿の回廊に置かれている。
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右の阿形獅子
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左の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であるので獅子。
・左側が吽形、たてがみが流れているので狛犬。頭に角を備える。
・眼は玉眼、顔は比較的獰猛な顔。
・前足はたくましく、延びている毛は剣のように鋭い。
・後足は蹲踞。
・尾は、扇状に広がって、背中に付いている。


【白山宮】
年代:慶長3年(1598)
材質:木製
型式:神殿型

本殿
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本殿の回廊に置かれている。
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右の阿形獅子
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左の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であるので獅子。
・左側が吽形、たてがみが流れているので狛犬。頭に角を備える。
・眼は玉眼、顔は四角くて、いかめしい。
・前足はたくましい。
・後足は蹲踞。
・尾は、阿形獅子は扇状に広がって立ち、吽形狛犬は扇状に広がって背中に付いている。


彩色がほとんど剥げているのは残念だが、このように本殿の回廊に置かれた状態で、間近に見ることが出来るのはとても貴重なこと。
間近に見える位置に置かれているせいか、いずれも人なつこい姿である。
風雨にさらされているので、大変だが、いつまでも元気で居てほしい。

(了)

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気比神宮境内社・兒宮の狛犬

20170311

所在地:福井県敦賀市 越前國一之宮・気比神宮の境内社・兒宮
撮影日:2016年8月2日

年代:享保11年(1726)
材質:石造
型式:越前禿(えちぜん かむろ)型

昨年の8月に青春18キップで敦賀の越前一之宮・気比神宮に参拝したが、境内には江戸時代の狛犬が三組あり、その全てが越前禿(えちぜん かむろ)型だった。
その中で、一番古いのが今回のもの。

気比神宮については、記事があります。

その記事を見る


兒宮
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この狛犬は、左右の大きさがかなり異なり、「母子狛犬」と呼ばれている。
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右側の阿形
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享保11年と、足に刻まれている。
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左側の吽形
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特徴:
・右側が阿形、左側が吽形で、左右の大きさがかなり違う。
・両方ともたてがみは、おかっぱ頭になっている。
・阿形のたて髪は、顔の横部分で前側にカールさせていて、吽形のたて髪は、縄状に編んである。
・吽形には角がある。
・顔は、眉や牙が明確に刻まれているが、阿形と吽形では造作がかなり異なる。
・ユーモラスな顔で、表情は親しみやすい笑顔である。
・前足は、前足は短く直立している。
・後足は蹲踞。
・尾は、阿形が一本の尾の付き尾。吽形は3条にわけながら縄状に背にそって立ちあがっている。

左右とも台座は一体で厚さも揃っている。
問題は吽形のみ基壇に載っていて、その基壇には、嘉永2年(1849)の銘がある。
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この基壇が吽形狛犬のものであれば、対の狛犬ではなく別物と考えることになる。
しかし、この基壇は「奉」の字のみであり、この基壇にこだわるともう一つの狛犬が存在することにつながってしまう。

吽形狛犬があまりに小さいので、高さを近づけるためにどこかから余っていた基壇を持ってきたと考えたほうが良いのではないか。
阿形と吽形の顔の造作がかなり違い、尾の形も違うので、対として造られたと思うには無理がある。

吽形の方が新しいものと見える。
「母子」とはよく言ったもので、子であるから後から生まれたのが当然である。
阿形狛犬の身体に年号が彫られていて、これは間違いないので、阿形狛犬の年号によることにした。


「越前禿(えちぜん かむろ)型」というのは、狛犬研究家の鐸木能光氏が提唱している名で、他に「三国湊狛犬」とか「白山狛犬」とも呼ばれる。
越前(現在の福井県)には、笏谷石という細工しやすい柔らかい石を産出する場所があった。色は青白く、古くは
古墳時代の石棺などにも使われているそうである。
その笏谷石加工品のひとつとして、従来は木造が中心だった神殿狛犬が、石でも造られるようになった。
笏谷石を使った小型の石造狛犬の特徴は、おかっぱ(禿)頭である。他に、両肩に小さな翼が彫られ、お下げ髪風のたてがみの先が内巻きにカールしていること、牙や眉を明確に刻み込んでいることなども共通している。
海路を使って、日本海沿岸に分布しているのは、容易に想像できるが、青森県弘前市、京都府、愛知県岡崎市、岐阜県安八郡でも確認されているそうだから面白い。
越前禿型狛犬は、もともとは参道に置かれていたのではなく、木彫狛犬の代わりとして社殿内に置かれていたもののようだ。その意味では、神殿狛犬と参道狛犬を結ぶ貴重なリンクの役割を果たしたのかもしれない。


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鎧神社境内・天神社の狛犬

20170305

所在地:東京都新宿区北新宿「鎧神社」の境内・天神社
撮影日:2016年2月6日

年代:享保6年(1721)
材質:石造
型式:はじめ型

庚申塔の調査をしていたときに、「狛犬型庚申塔」ということで、見に行きました。
狛犬を利用した庚申塔は、珍しく貴重なものなので、新宿区の文化財となっている。
それから雌雄を現している点でも、大変珍しい。

「鎧神社」については、既に記事にしています。

その記事を見る


天神社
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社殿の直前に置かれている。
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説明
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右側の阿形狛犬
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左側の吽形狛犬
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特徴:
・右側が阿形、左側が吽形で、両狛犬型である。
・両方ともたてがみがながれているので狛犬。
・阿形の頭は埋められているが窪みがあったと認められる。吽形の頭には角があり。
・顔は、実にブサイクでユーモラス。表情は親しみやすい笑顔である。
・前足は、前足は短く直立している。
・後足は蹲踞。
・尾は、扇状に開いている「付き尾」である。
・雌雄の別を現している。


台座に「庚申供養」と刻まれている。
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阿形の頭は埋められているが、窪んでいたことは確かである。
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吽形のほうは、角がはっきりとわかる。
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尾は、扇状に開いている「付き尾」である。
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雌雄の別が現わされている。
阿形
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吽形
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大変なブサイクで、ユーモラスな笑顔をしているので実に親しみやすい狛犬なのだが、「狛犬型庚申塔」であり、雌雄の別ありで、大変貴重なものであることを知る人は少ないと思う。
大事に守っていきたいと思う。



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橘樹(たちばな)神社の狛犬

20170221

所在地:千葉県茂原市本納 橘樹神社参道
撮影日:2015年9月15日

年代:享保5年(1720)
材質:石造
型式:江戸狛犬(付き尾)

歴史クラブ行事「関八州式内社めぐり」で、旧上総国式内社を訪ねた際に橘樹(たちばな)神社に参拝しました。

その記事を見る


ここには、三組の狛犬が居ました。

もう二組ですが、拝殿直前にあるのが一番古いものでしたが、造立年代が不明で片方の狛犬の首が欠落していたのでこれは省きました。
もう一組の、文久3年(1863)奉納の狛犬は、後でアップします。

拝殿前に台座上に安置されている。
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右側に阿形獅子
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子獅子を連れている。
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左側に吽形獅子
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玉を持つ
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特徴:
・右側が阿形、左側が吽形で、両方ともたてがみが巻き毛なので獅子。
・顔は、前髪&眉がカールして中央分け、顎髭も豊かで前髪と同様にカールしている、唐獅子のスタイル。
・表情は親しみやすい笑顔。
・前足は、子獅子を連れているか、玉を持っている。
・後足は蹲踞。足の付け根に巻き毛あり。
・尾は、背中に沿って豊かに流れている。


「江戸狛犬」は、「関東型」とも云われ、左右とも唐獅子となり、子連れ、玉持ちが多い。
尾が、初期は「立ち尾」、後期が「流れ尾」と云われている。
今回のは、顔は唐獅子のものであり、子獅子を連れ、玉を持っているので、「江戸狛犬」として間違いない。
しかし、尾が背中に付いて流れており、唐獅子特有の巻き毛もそんなに協調されていないのは、まだ「はじめ型」の影響が残っているのではないかと思われる。



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浅草神社の夫婦狛犬

20170216

所在地:東京都台東区浅草 浅草神社境内
参拝日:2015年3月17日

年代:江戸時代(1600年代後半~1700年代前半)
材質:石造
型式:はじめ型

浅草神社については、既に記事にしています。

その記事を読む



浅草神社の参道には、天保7年(1839)奉納のものと、昭和36年奉納のブロンズの狛犬がありますが、境内の一角に、引退してのんびりと過ごしている「夫婦狛犬」が居ます。

しかも相合傘で(笑)
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神社の説明
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阿形、吽形がくっついて並んでいる。
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阿形
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吽形
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斜め後ろから
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特徴:
・右側が吽形、左側が阿形で、両方ともたてがみが巻き毛なので獅子。
・阿吽ともに頭に窪みがあるが、はめ込み式の角があったと説明あり。
・両方とも角だったのか、片方が宝珠で片方が角だったのか、興味をひくところである。
・顔は、実に親しみやすい笑顔。
・前足は太くたくましく、短い。
・後足は蹲踞。足の付け根の巻き毛から三本長く延びているのが特徴。
・尾は手のひらのように伸びた付き尾。根元のほうにわりと多い巻き毛あり。

頭の窪み
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足の付け根の巻き毛と、付き尾。
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神社の「夫婦狛犬」という演出と相まって、「はじめ型」の特徴である、小型で四つん這い、ユニークな笑い顔の親しみやすい顔によって、実に親しみやすい狛犬である。
彫りがシンプルなのも、親しみやすい印象を与えている。



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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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