十二社熊野神社境内社・大鳥神社の狛犬

20170619

所在地:東京都新宿区西新宿 十二社熊野神社境内社・大鳥神社前
撮影日:2017年6月18日

新宿十二社(じゅうにそう)熊野神社は、JR新宿駅から都庁に向かって歩き、都庁のすぐ先にある新宿中央公園に隣接してある。
新宿駅から歩き始めた時にボツボツと雨が降り出したが、小雨にもいかない感じなのでそのまま歩いていった。
熊野神社に着いて撮影を始めたら、いきなり土砂降りとなり雨宿り。
雨が小雨になったので、撮影を再開した。
樹が多いので狛犬はほとんど濡れていないが、場所によってまだらに濡れた写真となってしまった。

年代:享保12年(1727)
材質:石造
型式:はじめ型

はじめ型で、四肢の間をまったく彫っていない箱状の狛犬を、写真では見ていたが実物に初めて対面した。
感激である。

境内社大鳥神社と狛犬
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右側の阿形獅子。
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笑い顔なのだが、口と歯がすごいので、ちょっとギョツとする。
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上から見ると可愛い。
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左側の吽形獅子。
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歯が乱杭状で迫力ある。
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はじめ型に珍しく、牙がある。
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特徴:
・右は阿形、たてがみが巻き毛で獅子。
・左は吽形、こちらもたてがみが巻き毛で獅子。角あり。
・顔は、ユーモラスな笑い顔だが、口が極端に大きいので迫力がある。
・耳は伏せ、鼻はつぶれて横にひろがり、口は大きい。歯並びが乱杭状で牙もある。
・表情は笑い顔だが、ちょっとグロテスク。
・前足は、直立。後足は蹲踞。
・脚の間がまったく彫りこまれておらず、箱状になっている。
・尾は、植物上の巻き毛で、背中に付いている。


四肢の間がまったく彫りこまれておらず、箱状になっている。
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年号は前足の間に彫りこまれている。
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吽形の角は、もともと二本あったようだが、傷んでいるようだ。
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尾は、植物状の巻き毛で、背中に付いている。
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はじめ型では脚の間を彫りこんでいないものが見られ、後足の間を彫っていないのはよく見られるが、四肢の間がまったく彫られていないのは珍しい。
その貴重な例である。



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東大寺南大門の狛犬

20170610

所在地:奈良県奈良市雑司町 東大寺南大門内側
撮影日:2017年3月24日

年代:建久七年(1196)
材質:石造
型式:中国獅子型(東大寺南大門型)
国指定重要文化財

この狛犬は、製作年代がはっきりしているので、「日本最古の石造狛犬」と位置付けられている。

東大寺・南大門の狛犬は、鎌倉時代の東大寺復興期に作られました。
東大寺再建の陣頭に立ったのが、中国・南宋へ3度も渡ったと伝わる「俊乗坊重源」です。
奈良の大仏の鋳造と、大仏殿の再建のために、宋の技術者「陳和卿(ちんなけい)」などを呼び寄せ、再建を進めました。
この狛犬を作ったのは、宋人石工「伊行末(いのゆきすえ)」。
南宋時代に現在の中国浙江省寧波付近で生まれ、同じ時期に宋から日本へ招かれ、南都焼討後の東大寺復興にあたりました。

東大寺には何度も訪ねているというのに、この狛犬の写真をきちんと撮っていなかったため、青春18キップの旅の三日目、朝食前にホテルを6時半くらいに抜け出し撮影してきました。

朝早いので、観光客でにぎわう東大寺も静かでした。

南大門
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向かって左側(本殿から見て左)、吽形の仁王像の裏にあたる。
東大寺南大門の仁王の阿吽は、通常と反対の位置となっている。
雌雄があり、こちらが雄となっている。
基壇もふくめた高さは321.5cm。
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全体が傾いている。
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狛犬だけの横と正面。
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正面からの顔。
顔面が破損してしまっているため、表情はよく分からない。
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横顔、たてがみが見事。
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雄なので、男性のシンボルも表現されている。
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台座の鮮やかな文様に注目。
正面は花のレリーフ。
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横には獅子のレリーフ。
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向かって右側(阿形仁王像の裏側)にある「西方像」
基壇もふくめた高さは305.5cm。
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正面から。
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狛犬だけの横からと正面。
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四角張った口、大きく広がった鼻の穴。
敵を威嚇する表情のようだが、ユーモラスでいいですね。
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雌ながら立派なたてがみを持つ。
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正面からの身体
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胸の周りのベルト(綬帯)や房飾り(瓔子)もはっきりと見えて、美しい。
前足の脇にも巻き毛の表現がある。
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尻尾は、独特な造形。
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台座正面の花のレリーフ。
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台座横の、鹿と飛天のレリーフ。
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最下部の基壇部分にはびっしりと雲の文様「祥雲文」が刻まれている。
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特徴:
・左右とも口を開き阿形、両方ともたてがみが巻き毛で獅子。
・顔は、左は破損していてよくわからないが、右は四角張った口、大きく広がった鼻の穴で、敵を威嚇する表情のようだが、ユーモラス。
・耳は立ち、鼻は大きく、口も四角張って大きい。歯並びが綺麗で牙は見当たらない。
・表情は親しみやすくユーモラス。
・前足は、前方に出して真っ直ぐ。脇に巻き毛の表現
・後足は蹲踞。
・尾は、扇形の独特な形。背中に付いている。

他にも、中国獅子のかたちで造立されたもので、いいものがあるので、私はそれらも含めてくくって「中国獅子型」とした。
日本最古の石造狛犬であり、独特のフォルムから「東大寺南大門型」としている人が多い。


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三囲(みめぐり)神社の狛犬

20170605

所在地:東京都墨田区向島2丁目 三囲神社参道
参拝日:2016年11月3日

年代:延享2年(1745)
材質:石造
型式:江戸尾立ち型

三囲神社については、既に記事にしています。

その記事を読む


三囲神社の参道に置かれている。
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右側の阿形獅子
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左側の吽形獅子
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であり獅子。
・左側は吽形、たてがみが同様に巻き毛であり獅子。
・耳は開き気味で、後ろに流れている。
・顔はいかつい顔が笑っている。牙が長く、威嚇的な印象があるが笑っていてユニークな印象となっている。
・胸が張り、たくましく勢いがある。
・前足は、太く真っ直ぐで、少し前に出し気味。肘の翼が火焔状で勢いあり。
・後足は蹲踞。筋肉なのか、綿毛の表現か、凹凸をつけている。
・尾は、輪郭がたけのこ型で、勢いのある炎型。根元の巻き毛も炎状である。


前足の肘の翼が火焔状で勢いあり。
後足は蹲踞。筋肉なのか、綿毛の表現か、凹凸をつけている。
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尾は、輪郭がたけのこ型で、勢いのある炎型。根元の巻き毛も炎状である。
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江戸狛犬の特徴を、比較的シンプルに、それでいて彫りが深いので、印象的に良く出している。



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気比神宮末社・猿田彦神社の狛犬

20170526

所在地:福井県敦賀市曙町 気比神宮境内猿田彦神社の参道
参拝日:2016.8.2

年代:寛保3年(1743)
材質:石造
型式:越前禿型

2016年に青春18キップの旅で、敦賀市の越前国一之宮・気比神宮に参拝したときに、末社猿田彦神社に居た狛犬である。

越前国一之宮・気比神宮の記事を読む


気比神宮境内には、江戸時代の越前禿型の狛犬が三組あり、既にアップしている末社・兒宮に続き、二番目に古いもの。

末社猿田彦神社の入り口、鳥居をくぐってすぐのところに居る。
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右側の阿形獅子
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左側の吽形獅子
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特徴:
・右側が阿形、たてがみの先端が内側にカールしているので獅子。
・左側は吽形、たてがみの先端が内側にカールしているので獅子。
・おかっぱは、控えめ。
・耳は垂れている。
・顔はユニーク。鼻と口が大きくて、眼は引っ込んでしまっていて、愛嬌がある。
・眉や牙が明確に刻まれている。
・台座が低くて、首を上にあげ、見上げる姿勢になっていて、親しみがある。
・前足は、真っ直ぐ。
・後足は蹲踞。
・尾は、確認していない。付き尾であることは間違いない。

年号の彫刻
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おかっぱ(禿)頭と、背中にぺったり張り付いた尾、たてがみの先が内巻きにカールしている点、牙や眉を明解に刻み込んでいることが「越前禿型」の特徴。
低い位置に座り、見上げる体勢なので、親しみやすい印象となっている。



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大國魂神社境内・東照宮の狛犬

20170518

所在地:東京都府中市宮町 大國魂神社境内・東照宮前
参拝日:2014年6月17日

年代:寛保2年(1742)
材質:石造
型式:江戸尾立ち型

大國魂神社については、既に記事にしています。

その記事を読む


大國魂神社には6組の狛犬が居るが、その中で年号がはっきりしているのが三組あり、一番古いのがこの狛犬である。

大國魂神社境内の東照宮門前に置かれている。
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右側の阿形獅子
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左側の吽形獅子
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特徴:
・右側が阿形、たてがみが巻き毛であり獅子。
・左側は吽形、たてがみが同様に巻き毛であり獅子。
・耳は横に開き、聞き耳を立てている。
・顔はユニーク。目は鋭く、口は口元が耳まで裂けてバカでかく、威嚇的。
・首が長いので、体型的にユニークな造形になっている。
・胸が張り、たくましく勢いがある。
・前足は、真っ直ぐで、少し前に出し気味。
・後足は蹲踞だが開き気味で勢いが感じられる。
・尾は、天狗の羽団扇型でまっすぐ立ち、根元に巻き毛がある。

江戸狛犬は、当初「はじめ型」で比較的和犬に近く、地面近くに置かれた。尾は身体に付いていた。
それが高い台座の上に置かれ、尾はまだはじめ型のように身体に付いているのが「江戸付き尾型」。
そして、尾が立ち威勢が良くなり「江戸尾立ち型」、次いで尾が流麗に流れるようになり「江戸流れ尾型」と続く。

ただし、この狛犬は悩んだ末、一応「江戸尾立ち型」に入れるが、首が長くて身体をそらした、ユニークな体型で、江戸狛犬らしくはない。

年号は寛保2年(1742)。
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尾は、天狗の羽団扇型でまっすぐ立ち、根元に巻き毛がある。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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