FC2ブログ

青面金剛立像②(新旧2基)/武蔵野市

20200703

所在地:東京都武蔵野市八幡町1-1-2 延命寺境内
撮影日:2018年1月5日

歴史クラブで毎年正月に開催している「七福神めぐり」で、「武蔵野吉祥七福神めぐり」をしたときに、毘沙門天の延命寺の境内にあったものです。

ズラッと石仏が並んでいるうち、庚申塔は4基ありました。
200703enmei01.jpg


で、よく見ると江戸時代のものを昭和55年に再建しており、新旧二基のセット2組であることがわかりました。
というのは、どう見ても新しいのに江戸時代の年号が刻まれていたので、エッと思い調べたらそういうことが判明したというわけです。

前回、塔身が舟形のもの新旧二基を紹介しました。
今回は、塔身が唐破風笠付角柱型の新旧二基を紹介します。
並んで居る4基のうち、一番右が江戸時代のもので、右から三番目が昭和に再建されたもの。
200703enmei02.jpg


【江戸時代に建立されたもの】

塔身は唐破風笠付角柱。
200703enmei03.jpg


銘文:
右側面に 「奉供養庚申待爲講中二世安樂也」/「武刕多摩郡関前村」
左側面に 「 元文四己未十一月十七日」と彫られている。
200703enmei04.jpg


200703enmei05.jpg


塔身:唐破風笠付角柱
主尊:一面六臂青面金剛立像
日月:浮き彫り瑞雲付き
主尊の特徴:髪、顔ほとんど不明。邪鬼を踏んで立つ。
本手:合掌
他の手:法輪。弓、矢、鉾。
脇侍:邪鬼、三猿
造立年代:元文四年(1739)

日月は浮き彫り瑞雲付き。辛うじてわかる。
青面金剛は一面六臂、邪鬼を踏んで立つ。
髪、顔は磨滅していてわからない。
本手は合掌。
他の手は法輪、弓、矢、鉾。欠落、磨滅しているが、辛うじてわかる。
200703enmei06.jpg


踏まれている邪鬼と、その下の岩に刻まれた三猿は磨滅しているが、かろうじて形はわかる。
右から「見ざる、聞かざる、言わざる」である。
両側の猿が中央の猿に対して背中を向けているのが珍しい。
200703enmei07.jpg


【昭和に再建されたもの】

塔身は唐破風笠付角柱。
200703enmei08.jpg


銘文は江戸時代のものと同様に、
右側面に 「奉供養庚申待爲講中二世安樂也」/「武刕多摩郡関前村」
左側面に 「 元文四己未十一月十七日」と彫られている。
200703enmei09.jpg


200703enmei10.jpg


塔身:唐破風笠付角柱
主尊:一面六臂青面金剛立像
日月:なし
主尊の特徴:螺髪、顔は仏のような柔和な表情。邪鬼を踏んで立つ。
本手:合掌
他の手:法輪。弓、矢、鉾。
脇侍:邪鬼、三猿
造立年代:再建塔(造立昭和55年)

日月は無し。
青面金剛は、邪鬼を踏んで立つ。
本手は合掌。
他の手は、法輪、弓、矢、鉾を持つ。
200703enmei11.jpg


200703enmei12.jpg


髪は螺髪、耳は大きい。
顔は仏のように柔和な表情。
200703enmei13.jpg


青面金剛に踏まれている邪鬼は、不貞腐れた表情。
その下の岩に刻まれた三猿は、
右から、「見ざる、聞かざる、言わざる」。
両側の猿が中央の猿に対して背中を向けているのが珍しい。
200703enmei14.jpg


この庚申塔の特徴は、
なんといっても、江戸時代の青面金剛が磨滅欠損してしまい、ほとんど像容がわからなくなってしまったのを惜しみ、昭和55年に再建されていること。
ということは、今ではたぶん庚申講の活動は無いにしても、その地域の人たちの連携がしっかりしていて、先祖たちの活動の証拠を大事にしているのではないかと思われる。
三猿のかたちが、両側の猿が中央の猿に背中を向けているのが珍しい。
両側の猿が横向きなのは割と多いが、ほとんどは中央の猿の方を向いている。


「庚申塔の探訪記事一覧」に飛ぶ



スポンサーサイト



青面金剛立像①(新旧2基)/武蔵野市

20200619

所在地:東京都武蔵野市八幡町1-1-2 延命寺
撮影日:2018年1月5日

歴史クラブで毎年正月に開催している「七福神めぐり」で、「武蔵野吉祥七福神めぐり」をしたときに、毘沙門天の延命寺の境内にあったものです。

ズラッと石仏が並んでいるうち、庚申塔は4基ありました。
200619enmyou01.jpg


で、よく見ると江戸時代のものを昭和55年に再建しており、新旧二基のセット2組であることがわかりました。
というのは、どう見ても新しいのに江戸時代の年号が刻まれていたので、エッと思い調べたらそういうことが判明したというわけです。

今回は、そのうち塔身が舟形のもの新旧二基を紹介します。
並んで居る4基のうち、右から2番目が江戸時代のもので、一番左が昭和に再建されたもの。
200619enmyou02.jpg


【江戸時代に建立されたもの】

塔身は舟形光背。
200619enmyou03.jpg


銘文:
右側に「奉奇進申庚供養」、左側に「元禄九子年十一月廾七日」と刻まれている。
200619enmyou04.jpg


塔身:舟形光背
主尊:一面六臂青面金剛立像
日月:筋彫り
主尊の特徴:髪、顔ほとんど不明。岩の上に立つ。
本手:合掌
他の手:欠落してわからず。
脇侍:三猿
造立年代:元禄九年(1696)

日月は筋彫り、辛うじてわかる。

青面金剛は一面六臂、岩の上に立つ。
髪、顔は磨滅していてわからない。
本手は合掌。
他の手は磨滅、欠落してわからない。
200619enmyou05.jpg


200619enmyou06.jpg


その下の岩に刻まれた三猿は磨滅欠落していて、
どれが「見ざる、聞かざる、言わざる」なのか判別が難しい。
200619enmyou07.jpg


【昭和に再建されたもの】

塔身は舟形光背。
200619enmyou08.jpg


200619enmyou09.jpg


銘文は、江戸時代のものと同様に、
右側に「奉奇進申庚供養」、左側に「元禄九子年十一月廾七日」と刻まれている。
200619enmyou10.jpg


塔身:舟形光背
主尊:一面六臂青面金剛立像
日月:浮き彫り瑞雲付き
主尊の特徴:螺髪、顔は仏のような柔和な表情。邪鬼を踏んで立つ。
本手:合掌
他の手:法輪、弓、矢、鉾を持つ。
脇侍:邪鬼、三猿
造立年代:昭和55年(1980)再建

日月は浮き彫り瑞雲付き。
青面金剛は、邪鬼を踏んで立つ。
本手は合掌。
他の手は、法輪、弓、矢、鉾を持つ。
200619enmyou11.jpg


200619enmyou12.jpg


髪は螺髪、耳は大きい。
顔は仏のように柔和な表情。
200619enmyou13.jpg


200619enmyou14.jpg


青面金剛に踏まれている邪鬼は、あきらめた表情。
200619enmyou15.jpg


その下の岩に刻まれた三猿は、
右から、「言わざる、聞かざる、見ざる」。
200619enmyou16.jpg


この庚申塔の特徴は、
なんといっても、江戸時代の青面金剛が磨滅欠損してしまい、ほとんど像容がわからなくなってしまったのを惜しみ、昭和55年に再建されていること。
ということは、今ではたぶん庚申講の活動は無いにしても、その地域の人たちの連携がしっかりしていて、先祖たちの活動の証拠を大事にしているのではないかと思われる。
そして、ただ元の姿とまったく同様に作るのではなくて、日月の姿や邪鬼を追加したりして、発展形にしているのが面白い。



「庚申塔の探訪記事一覧」に飛ぶ


青面金剛立像(「せざる」猿付き)/八王子市

20200608

所在地:東京都八王子市下恩方町下恩方町松嶽稲荷入り口
撮影日:2016年2月13日

この庚申塔は、陣馬街道から松竹橋を渡りしばらく進むと右側に松嶽稲荷があり、その鳥居のところに置かれている。
200608shizaru01.jpg


200608shizaru02.jpg


主尊は青面金剛立像である。
200608shizaru03.jpg


銘文は:
右側面に「明和九辰七月吉祥日」と刻まれ、
200608shizaru04.jpg


左側面に「講中 九人」と彫られている。
200608shizaru05.jpg


塔身:唐破風笠付き角柱
主尊:一面六臂青面金剛像
日月:なし
主尊の特徴:一面六臂、岩の上に立つ。
本手:合掌
他の手が持つ法具:法輪、弓、矢、三叉矛
脇侍:二猿(本来四猿だった)、二鶏
造立年代:明和九年(1772)

唐破風笠は、宝珠も立派で、唐破風の下の半菊の彫刻もはっきり残り、立派だ。
200608shizaru06.jpg


青面金剛は一面六臂、岩の上に立つ。
200608shizaru07.jpg


200608shizaru08.jpg


青面金剛の顔は、火炎髪で、耳が大きい。
表情は目が吊り上がり、忿怒形。
200608shizaru09.jpg


本手は合掌、他の手は法輪、弓、矢、三叉矛と推定した。
200608shizaru10.jpg


台座の猿であるが、左半分が欠損していて、二猿のみが残っている。
200608shizaru11.jpg


右側の猿は「いわざる」であるが、
右から二匹目の猿は股間を前と後ろから押さえている、極めて珍しい猿。
川柳に、「庚申は せざるをいれて 四猿なり」というのがあり、「せざる」なのである。
欠落した左半分には、「いわざる」に対応して「見ざる、聞かざる」があったはずで、本来は四猿が彫られていたことになる。
200608shizaru12.jpg


この台石の左右にはそれぞれ鶏が彫られている。
200608shizaru13.jpg


200608shizaru14.jpg


この庚申塔の特徴は、なんといってもエロチックで、極めて珍しい四猿が彫られていること。
二猿が欠落してしまっているのは、とても残念だ。

庚申信仰の特色の一つは禁忌(タブー)が多いことで、
その中でも特に厳しいのは庚申の日の男女同衾である。

江戸時代の川柳に下記のものがあり、それがわかる。
  ・寝て用が ないで庚申 夜をふかし
  ・庚申を うるさくおもう 新世帯
  ・御帰国の 日も折り悪し かのえ申

最後のは、参勤交代で一年ぶりに帰ってきたのに、その晩が庚申の夜なので・・・・・
という、なんとも可哀そうな話です(笑)

今回の庚申塔の猿にぴったりなのも、調べたらありました。
江戸時代の柄井川柳の句に、「庚申は せざるをいれて 四猿なり」というのがありました。
「せざる」を追加して四猿にしているという、完全な形で残っていたら、庚申塔の世界では国宝級のものに間違いありません。
すこぶる残念で、なりません。



「庚申塔の探訪記事一覧」に飛ぶ



青面金剛立像/八王子市

20200306

所在地:東京都八王子市下恩方町川原宿路傍
撮影日:2016年2月13日

この庚申塔は、陣馬街道沿い川原宿の路傍、三叉路に位置している。

陣馬街道から見た図
200306kawara01.jpg


ここには二基の庚申塔があり、右側が青面金剛立像のもの、左側は「庚申供養」と刻む文字塔である。
200306kawara02.jpg


今回は青面金剛立像のものを紹介する。
200306kawara03.jpg


銘文は:
右側面に「寛政二年」
200306kawara04.jpg


左側面に「(庚)戌十一月吉日」
と彫られている。
200306kawara05.jpg


塔身:唐破風笠付き角柱
主尊:一面六臂青面金剛像
日月:なし
主尊の特徴:一面六臂、邪鬼を踏んで立つ。
本手:合掌
他の手が持つ法具:法輪、弓、矢、鉾
脇侍:邪鬼、三猿(三番叟)
造立年代:寛政2年(1790)


立派な唐破風笠が載っている。
200306kawara06.jpg


青面金剛は一面六臂、邪鬼を踏んで立つ。
200306kawara07.jpg


青面金剛の顔は、風化が進んでまったくわからない。
200306kawara08.jpg


本手は合掌、他の手は法輪、弓、矢、鉾と推定した。
200306kawara09.jpg


踏まれている邪鬼も、風化が進んで、顔など細部がわからない。
200306kawara10.jpg


台座の三猿は、風化が進んでよくわからないが、輪郭から三猿がそれぞれ御幣、神楽鈴、扇を持って三番叟を踊っていると判断できる。
200306kawara11.jpg


この庚申塔は、風化が進んでしまい、よく姿がわからない。
台座の三猿がそれぞれ御幣、神楽鈴、扇を持って三番叟を踊っているのが珍しい。


「庚申塔の探訪記事一覧」に飛ぶ



阿弥陀合掌庚申塔/八王子市

20200219

所在地:東京都八王子市長房町中郷路傍
撮影日:2016年2月13日

この庚申塔がある場所は、大正天皇陵・貞明皇后陵・昭和天皇陵・香淳皇后陵の4陵が造営されている「武蔵野御陵」のすぐ近くである。

前回記事で紹介した庚申塔が含まれる三基の石仏が安置されている小屋の傍に立つ大木の下に、今回の庚申塔はある。
200219naka01.jpg


塔身:唐破風笠付き角柱
主尊:阿弥陀合掌像
日月:なし
脇侍:三猿(三面)
造立年代:寶永二年(1705)

塔身は唐破風笠付角柱型。
200219naka02.jpg


正面は、阿弥陀合掌像と猿。
200219naka03.jpg


阿弥陀合掌像
200219naka04.jpg


正面の猿
200219naka05.jpg


向かって右側面
「庚申誦供養」と刻まれ、下に猿。
200219naka06.jpg


向かって左側面
「寶永二年乙酉吉日」と刻まれ、下に猿
200219naka07.jpg


風化が進んでおり、主尊も辛うじて合掌しているのが判る程度。三面に分けて彫られている三猿も「見ざる、聞かざる、言わざる」の区別は難しい。
銘文も判読は難しく、資料を探して転載した。


「庚申塔の探訪記事一覧」に飛ぶ



プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

Pagetop