『居眠り磐音 江戸双紙』第23巻「万両ノ雪」&第24巻「朧夜ノ桜」/佐伯泰英

20120920

第23巻「万両ノ雪」
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この巻での大きな出来事は、明和八年(1771)に伊勢への「おかげ参り」は二百万人を超えたというが、内藤新宿の追分、子安稲荷近くの麹屋におかげ参りの白装束姿の一味が押し入り、金蔵を破って千両箱を奪って消えた。それを当時与力の笹塚孫一が担当した。若い食売(めしもり)女・お香を若い男が二十五両で見受けした話を聞きつける。お香はだんご屋を開業する。お香の店を根気よく見張ったあげく、一味の頭を捕える。
お香のだんご屋の店先に、その頭にもらったという万両が植えられていたが、これがこの巻のタイトルとなっている。
しかし、この頭と目される男・大次郎は口を割らず、結局お香への殺人未遂ということで三宅島への遠島となった。それが6年前の話である。
その大次郎が島抜けをした。
大次郎は、島に入って半年で島を支配してしまい、妻と妾二人を持つという「やり手」な人間。
お香は、甘味屋の職人と一緒になり、「甘味処まんりょう」という店は江戸で評判の店になっている。
再び、笹塚孫一はお香の店を見張ることになる。
ということで、この巻の前半ずっと大次郎、お香、笹塚孫一の話が続いていく。
坂崎磐音は、どこに消えてしまったのか?

前巻で、品川柳次郎は父親と長男の放蕩で品川家断絶もやむなきところ、佐々木玲園と速水左近の運動で、晴れて品川家の跡目を継ぐことになったが、一方で幼馴染の椎葉お有と再会し、椎葉家にも相手に相応しい男と認められていた。
椎葉家を訪れた帰りに、柳次郎は笹塚孫一を襲う男を倒し、笹塚孫一の命を救う働きをする。

磐音とおこんは大芝居仕立てで江戸に戻ってくるが、磐音は、金兵衛長屋を出て佐々木道場に移る。
そして正月七日の具足開きの朝、正式に佐々木家に養子縁組の儀式が執り行われ、佐々木磐音となった。

久しぶりの佐々木道場で、磐音は道場破りと相対するが、佐々木道場の扁額所望と引き換えに道場破りは茶碗を賭けるが、磐音に敗れて置いていく。
この茶碗が、大聖寺藩の家宝「一国茶碗散り櫻」とわかる。
大聖寺藩は関ヶ原以前山口正弘の領地だったが、西軍に応じて大聖寺城に籠城した山口家を攻め滅ぼしたのが、金沢二代藩主前田利長。山口正弘は見事に自刃したが、遣いに太閤秀吉ゆかりの赤織部を託して、前田利長に家族と家臣の助命を乞うた。
という謂れの茶碗だった。

そして、おこんが気をもんでいた、今津屋の内儀お佐紀がついにめでたく男子を出産した。

この巻で、磐音が相対したのは、天然神道流、深甚流、他は特に流派の説明なし。


第24巻「朧夜ノ桜」
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この巻での大きな出来事は、麻布広尾村の屋敷で、磐音の友人の桂川国端が稲葉鳥取藩の重臣の娘、織田桜子と祝言をあげる。

おこんが速水左近の家に養女に入る日、今津屋では送り出す船を仕立てた。磐音もよく利用する船宿川清の屋根船は、舳先には高張提灯が掲げられ、紅白の布で飾られていた。
深川六軒掘長屋の皆に送られ猿子橋でおこんが乗り込むと、宮戸川の皆さん、品川柳次郎親子などが見送り、柳橋では今津屋の奉公人や出入りの客皆が紙吹雪で見送った。
磐音は、母に言付かったと懐剣をおこんに渡す。磐音の母が坂崎家に嫁入りのとき携えてきたもので、おこんが江戸で武家披露のときに身に着けて欲しいと磐音に預けたものだった。

磐音は、江戸でも三味線造りの名人と言われた三味芳四代目の次男鶴吉と再会する。磐音が奈緒を追って旅をしていた時、北陸の金沢で知り合った男である。
そして、江戸に戻った鶴吉は父の仇を討つが、それは第七巻の話である。
この時に手柄として、南町奉行所年番与力方笹塚孫一は磐音に二百両を渡したが、磐音は鶴吉の三味線造りの店再興にと、思っていたのである。
吉原会所の四郎兵衛の協力もあって、聖天町にあった、鶴吉の父の先代の店を磐音が用意する。

その鶴吉から、旅の途中立ち寄った遠州相良で見聞し、探ったことを磐音に話し、このところ立て続けに起きている佐々木道場の道場破りは、遠州相良藩の主、田沼意次配下の仕業であることがわかった。
鶴吉が探ってきた刺客五名の名前を見て、佐々木玲園はため息をつく。古い剣客なら必ず一度は名前を聞いたことがある剣客ばかりだという。

桜の季節、磐音とおこんの祝言は、佐々木道場で行われた。祝言は身内の限られた人数で行い、多数詰め掛けた祝いの客には、道場の広間で車座になって、菰樽の酒と、浮世小路の卓袱料理「百川」のお弁当でもてなした。弁当の数が五百。ついている鯛は若狭屋、赤穂屋が磐根、今小町のおこんのためにと揃えてくれた。
それと宮戸川の親方が焼いた鰻のかば焼きが、また味を添えた。
おこんがお色直しに着たのは、磐音の母が博多の呉服屋に注文して仕立てた加賀友禅。紫縮緬地に孔雀が大きく羽を広げ、海棠と菊があでやかに絡んだ衣装は、華やいだ中にも落ち着きが見えた。
おこんが姿を現すと、道場の招き客は、おおっとどよめいた。

この巻で、磐音が相対したのは、陣中無念流、タイ捨流薙刀、二天一流、平内流、琉球古武術、タイ捨流、他は特に流派の説明なし。

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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

第23巻では、今津屋の妻が子供を産んで、それを知った今津屋が八艘跳びで奥に行く場面がユーモアがあってニコニコしてしまいました。

第24巻では、結婚式の料理を今津屋の老分に相談して、魚河岸等に行く場面がいいですね。ともかく、小気味良い位、トントントンと物事が決まってしまって。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私より後から読み始めて、どんどん追い越していって
しまいましたよね。
そのエネルギー、すごいです。
なんといても、24巻で磐音とおこんが結婚するくだりは、
よかったですよね。

これから先は、もうおマケみたいなものですから、
どうなりますやら(笑)
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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