花のあと

20130125

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この映画も映画館に行けなかったので、テレビで放送されるのを心待ちにしていた。
というのは、何かの番組でこの映画に出演する北川景子が居合を習うのを放送していたので、その剣士ぶりが楽しみだったからだ。

映画を見たら、櫻で始まって櫻で終わる。
櫻行脚をしている私には、たまらないシチュエーションだった。これだけでも永久保存版となった(笑)
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藤沢周平の海坂藩を舞台としたいわゆる「海坂もの」のひとつである。

あらすじ
満開の桜の下で以登に声をかけたのは、羽賀道場の高弟・江口孫四郎であった。父・寺井甚左衛門に剣の手ほどきを受けた以登は、道場の二番手、三番手を破るほどの剣豪であったが、孫四郎とは未だ剣を交えたことはなかった。わずかでも孫四郎の人柄に触れた以登は、父に孫四郎との手合わせを懇願する。以登は孫四郎に竹刀を打ち込む中で胸を焦がしている自分がいることに気がつく。ただ一度の手合わせで以登が感じたものは、紛れもなく初めての恋心であったが、家が定めた許婚がいる以登は孫四郎への想いを断ち切る。その数ヵ月後、孫四郎が藩の重役・藤井勘解由の卑劣な罠にかかって自ら命を絶った。江戸から帰国した許婚・片桐才助の手を借りて事件の真相を知った以登は、孫四郎の無念を晴らすために、そして自らの淡い想い出のために剣を取るのだった…。


この映画では、失われた感が強い日本人の良さなるものが思いきり美化されて描かれ、そのまっすぐな登場人物たちの心、行動がたまらなくいい。

以登の女剣士ぶりは、期待した以上だった。稽古着姿といい、真剣での立ち回りといい、よく出来ていたと思う。それにしても撮り方がうまい。
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そして、襖を開けたり、前に進み出る時の所作を丁寧に描いていて、こうしたしきたり、作法が厳然と守られている時代のなかで、かなわぬ思いを内に秘めて日々生きて行かざるを得ない、武家社会の中の女性の悲しみがよく伝わってくる。
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すごいのは、以登の許婚である才助(甲本雅裕)である。大飯は食うわ不作法だわ、以登の尻にタッチするわの傍若無人ぶりだが、一たび以登に孫四郎の死の原因の探索を頼まれるや、人脈を使ってたちまち真相を探り当てる。
見た目は風采が上がらず、役に立たないように思われながら、実は心の内は誰よりも誠実で、以登の孫四郎への思いも薄々感じながらも、以登を優しく見守り、以登の為に献身的な助力をする。
なにしろ、私も見ていて以登が負けそうになったとき、きっと才助がなんとかしてくれるだろうと、早とちりして思ったくらいだ(笑)
この男、後に家老にまで上り詰め、昼行燈と呼ばれながら長く筆頭家老を勤めたとナレーションで語られる。
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そして、「武士の一分」に続き、またもや敵役の市川亀治郎である。
おいおい、と言いたくなった(笑)
普段テレビで接している市川亀治郎が好きだけにね。
しかし、実に見事なハマリ役ではある。頭が切れて、そつのない良い男の悪役ぶりを、憎ったらしくも演じてくれる。
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中西健二監督の、映像はとにかく綺麗。
庄内地方の、四季の美しい風景を丹念に描いており、その映像だけでも満足でした。
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キャスト
以登:北川景子
片桐才助:甲本雅裕
江口孫四郎:宮尾俊太郎
藤井勘解由:市川亀治郎
語り:藤村志保
監督:中西健二


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

私は、藤沢周平の小説は読んだことはありませんし、その原作を映画化したものも観たことはありませんが、時々、映画化されたものが、何作か話題になっていたことは記憶にあります。

北川景子って女優さんの名前も初めて聞きましたが、3枚目の写真、気に入りましたので、早速、もっと大きな画像をインターネット上で探して、今、使っているパソコンの壁紙にしました(笑)

No title

こんにちは
藤沢周平を好きな人はとっても多いですね。
私もそのひとりで、図書館と本屋さんに並んだ文庫本を片っ端から読みました。
そして (ほかの本もそうなのですが)片っ端から忘れてしまい、同じ本をまた買ってしまったり・・・
藤沢周平の簡潔で気品に満ちた文章がすばらしいのです。

町人ものや歴史ものなどいろいろなシリーズのある藤沢周平ですが、この海坂藩の貧しくても凛とした下級武士やしんの強い女性を描いたシリーズはとりわけ好きです。

この映画も観ましたがとてもよかったです。日本人に生まれてよかった!!と思わせてくれますよね。

コメントありがとうございました

matsumoさん
ものすごい読書家なので、当然と思っていたら、
意外や意外、藤沢ものはお読みになりませんか。
私は好きです。
この映画いいですよ。
ぜひぜひご覧ください。
あの写真が気に入ったなら、見なくちゃ損しますよ。

Jさん
いいですよね。
以前は、司馬遼太郎が好きでしたが、英雄はもういいや、
という感じです。
もっと人間臭いものが好きになりました。
山本周五郎、藤沢周平とか。
やはり日本人の感性は素晴らしいです。

「花のあと」

いい映画でしたね。「最後の恋、最初の愛」というコピーが、そのものズバリでした。孫四郎への追慕のようでありながら、原作の本質は亡くなった夫・才助への「おのろけ」ですからね(^o^)/
「この婆に、あろうことか七人の子を産ませ」のあたりの飄々としたユーモアは、藤沢周平一流のものでした。鶴岡の荘内神社の周辺と思われる桜並木の映像の美しさも、記憶に残っています。

narkejpさん

コメントありがとうございます。
よかったです。
藤沢周平は、ほんとにいいですね。
東北の山々は、関東や信州と違いますよね。
ちょっとうまく言えませんが、線が柔らかいです。
藤沢ものとかの映画の舞台は、いいですよね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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