ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68

20130213

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指揮:サイモン・ラトル
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2008年11月 ベルリン、フィルハーモニー

「ブラームスはお好き?」と問われれば、「もちろん!」と答える私だ。
去年だったか、映画「クララ・シューマン愛の協奏曲」を見たが、あのなかのブラームスはあきれるほど行動的で、クララをもベッドに引きずりこんでいたが、あんなはずはないのだ。
作品から受けるイメージとか、いろんな記事を読む限りでは、ブラームスは実に紳士的で奥ゆかしすぎるほどの好人物。
クララとの仲を考えると、じれったくてたまらない感じなのだ。私なら、何度でもクララに迫っていたに違いない。

問題は、この曲である。
口の悪い人は、「ベートーベン交響曲第10番」と言うが、私には「ああやっぱりブラームスだなあ」と聴こえる。

ブラームスは、ベートーヴェンの9つの交響曲を意識するあまり、管弦楽曲、特に交響曲の発表に関して非常に慎重であったことで知られている。最初の交響曲は特に厳しく推敲が重ねられ、着想から完成までに21年という歳月を要した労作である。
ハンス・フォン・ビューローに「ベートーヴェンの交響曲第10番」と呼ばれ高く評価された。「暗から明へ」という聴衆に分かりやすい構成ゆえに、第2番以降の内省的な作品よりも演奏される機会は多く、最もよく演奏されるブラームスの交響曲だ。

第二楽章は美しくて好きな楽章。次第にロマンティックでうっとりした気分に入っていき、ヴァイオリン、ファゴット、オーボエ、によって非常に美しいメロディが出てくる。そして弦楽合奏による陶然とするような美しい部分が続く。

そして、なんといっても第四楽章がいい。
序奏部は威厳あふれる堂々とした気分で始まる。
木管楽器などを中心とした高揚感のある部分の後,ティンパニの連打になり、それが弱くなった後,有名なホルンのソロの部分。このメロディは,ブラームスがクララ・シューマンに贈った歌曲の断片のメロディ。
ちなみにこの歌曲の歌詞は「山の上高く,谷深く,私は1000回もあなたにお祝いのご挨拶をします」というもので,ブラームスのクララに対する情熱が溢れたもの。
そういうつもりで聞くと非常に情熱的にも感じられる。
このメロディがフルートに清々しく引き継がれていく。


で、サイモン・ラトルですが、ブラームスの交響曲4曲についてこんなふうに語っています。
「交響曲の形式をロマン派時代に持ち込むこんだ新古典主義者だ。 ワーグナーのトリスタントとイゾルテはブラーム・交響曲第1番の10年前に作曲されていて、ワグナーのオペラより古典的な印象を受ける。 ドイツ的精神に満ちていて、遠くから聞こえるホルンの音などでね、音で森を表現しようとした。欠けているものはドイツ的なパトス(熱情)だ。そして、感情を派手に表現するのが嫌いだった。」

ラトルは、全体としてはむしろやや遅めのテンポで響きも華麗になりすぎないよう抑え気味にしつつ、強奏では大迫力をきかせています。
ベルリン・フィルの見事な技量とパワーを基に、ブラームスの音楽の精妙な美の表現と深い響きの雄大な演奏を実現していると思います。

音が実にきれいな録音なのも、何よりです。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

ブラ1ですか。一昨日のコンサートで聴きましたが、非常に柔らかな感じで、緊張感がある演奏よりこちらの方が私の趣味でした。ただし、その前に演奏されたのが、マーラー:交響詩「葬礼」だったので、やはり、この曲は第10交響曲だなあと思いました。

ラトルはポーツマス交響楽団を指揮していた頃はファンでした。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私もブラームスは、ゆったりとした演奏のほうが
はるかに好きです。

サイモン・ラトル、何かと話題になり、当代の指揮者として、
一人者なので、私としては、ラトルのは聴かなくちゃ、
という感じです。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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