アントン・ブルックナー/交響曲第1番ハ短調(リンツ稿)

20130313

130313blu.jpg

指揮:オイゲン・ヨッフム
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1965年10月 ベルリン、イエス・キリスト教会

もう、だいぶ前になるがブルックナーの1番が欲しくて、新宿のタワーレコードに行ったときのこと。
ブルックナーの交響曲がずらっとならんでいる中で、やはり1番は少なくてたった3枚しか無かった。
だが・・・・・
その中の一枚を見て驚いた、ヨッフム/ベルリンフィルのものである。
宇野氏が「ヨッフム/ベルリンフィルのものがピカイチだ。しかしこれは全集しか出ていないので・・・・・・」と書いてあったのだが・・・・??
買いに来るにあたって、いろいろ調べたので、これは頭に入っていた。
見ると、ジャケットの見出しに「全集からの分売」とあるではないか。
即、購入してきたものが、このCD。


ブルックナーは、1845年から10年間聖フロリアン教会オルガニストとして務めたのち、1856年リンツ大聖堂の奏者に任ぜられます。
ブルックナーが、本格的に作曲活動を開始したのは、この時期であり、1865年、「トリスタン」の初演に立会い、大いなる感銘を受け、ビューローとの接点もでき、翌66年に、この第1交響曲を完成させました。実に41歳の時です。

そして1番には「リンツ稿」と、最初の作曲から24年を経過した後に手直しされた「ウィーン稿」がある。
「ウィーン稿」は、作曲者が1年もの長きを費やして改訂したものではあるが、研究者からは「リンツ稿の持つ若々しさが失われた」と評されることが多い。「ウィーン稿」は都会風に洗練された官能的な音楽になっているとの意見もある。
つまり1番にはふたつの曲があるわけだ。
こういうところが、いかにもブルックナーらしい。交響曲を世に問うたのも遅ければ、それをまた24年後に未練たらしく作り変える(笑)
いかにも人間臭い、俗っぽいブルックナーの世の処し方よ。

それに引き換え、産み出された曲の、なんと情緒に満ちていることか。
旋律の運びも自信に満ちている。田園情緒もまた、深く美しい。
緩徐楽章の一幅の絵のような儚い美しさは、後年の大交響曲にはないものである。

弦の刻みで軽やかに始まる1楽章は、心地よいテンポによる推進力あふれる楽章だが、初めのヴァイオリンが勢いよく出る時点で、ああこの曲は、いいなあ と思ってしまう。
その第2主題はゆったりとテンポを落として、こちらも田園情緒を味あわせてくれる。
そして、第2楽章は、低弦音から始まる主要主題は叙情性に富む穏やかなもの。調和のとれた平和なムードが横溢し弦の柔和な旋律やファゴットの旋律がなかなかいい。3本のフルートで作られる和音がちりばめられて、至福の世界を醸し出してゆく。
独特のブルックナー・リズムあふれる3楽章は、粗野で原始的なスケルツォ。
「火のように」と付された終楽章、実に強烈に締めくくられる。


60代前半だったオイゲン・ヨッフムがベルリン・フィルを指揮した録音。ヨッフムが気力の充実した演奏を展開。ベルリン・フィルの威力も凄い。
ベルリンフィルがフルトヴェングラー時代のドイツ的な音色をかろうじて残している時期の録音なのだそうです。
ヨッフムは、ブルックナー全集をふたつ出していて、一つはこのベルリンフィルのもので、もう一つはドレスデン国立菅とのもの。
評価としては、後期の交響曲はヨッフムが円熟した時期のドレスデン国立菅とのものが良くて、初期の交響曲はヨッフム若き時期のベルリンフィルのものが良いということらしい。
ということでヨッフムに関しては、二つの全集を揃えたいと思っているが、まだはたしていない(汗)


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

ブルックナーの交響曲全集は、ヨッフム(ドレスデン)とティントナーのものを持っていますが、いずれにしろ、第1番は入手時に聴いただけだと思います。

ヨッフムと言えば、昔、よく、FM放送で氏が指揮した「ブルックナー:交響曲第7番」が流されていたのを思い出しましたが、当時はブルックナーの曲で好きだったのは第4番と第7番のアダージョだけでした。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私のブルックナーは、まず朝比奈隆大先生のことを
いろいろな情報、本から好きになって、朝比奈さん指揮
ということで、ブルックナーをずいぶん聴いて、
どんどんブルックナーが好きになりました。
ブルックナーおじさんの事も本を読んで大好きになったので、
彼のその時々の音楽ということで、全部好きですね。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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