楽園のカンヴァス/原田マハ

20130410

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内容を紹介すると、ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MOMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作「夢を見た」が目の前にあるのです。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間で、その古書を毎日一章ずつ読み、ヒントを得る。ピカソも登場し、二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされようとしている。

好敵手(ライバル)は日本人研究者、早川織絵です。
話の冒頭では、なぜか大原美術館の監視人のアルバイトをしています。かってはその世界で注目の的だった新進気鋭の研究者だったのに、なぜか?
どうして監視人をしているのか?

そして、「カンヴァスに塗り籠められた真実」という疑念がティム・ブラウンに突き付けられます。
この絵(アンリ・ルソーの「夢を見た」)の下には、ピカソの「青の時代」の作品がある、つまり、ピカソの作品に上書きした絵ではないか?という推理です。
アンリ・ルソーの絵を守るのか、ピカソの「青の時代」の作品を発掘するのか?

息もつかせぬ展開が、ジェットコースターのように読んでいる者を揺さぶってくれるんですね、この小説は。

新聞の書評で面白そうだと思い図書館に予約したら、予約順番が35番でズッこけました。それでようよう順番が来て読み始めたら、止まりません。カミさんとも取り合いになって、カミさんが持っていたいというのでアマゾンで購入しました。

原田マハさんという方の作品は初めてでした。読み終わって彼女の経歴をみたら、ある意味納得。
1962年、東京都小平市生まれ。中学、高校時代を岡山市で過ごす。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室にそれぞれ勤める。森ビル在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後フリーのキュレーター、カルチャーライターに。
MOMAに勤務したこともあり、キュレーターの経験もある。
この小説が真に迫っているのは納得でした。
他にも、ずいぶん面白そうな題の小説を書いています。ちょっと追いかけてみたい作者ですね。

この本は、山本周五郎賞をはじめとして、色々な賞を取っています。
ちょうど今朝の新聞で、「本屋大賞」の発表がありました。
この本もノミネートされていましたが、大賞は石田尚樹氏の「海賊とよばれた男」でした。


全集のなかの一冊でアンリ・ルソーの画集を持っています。
大學を卒業して2年目、結婚したばかりのころに、美術好きのカミさんが欲しいといって、隔月配本の全集を買いました。給料が5万くらいのときに、この全集は一冊4000円でした。
大版の本で、ずっしりと重くて手に持ってみることができないほどです。
当時は高い買い物だと思いましたが、今ではこんな大きな本は出版されていないと思います。気に入っています。
アンリ・ルソーの作品の中から、私の好きなものを二つ紹介しておきます。
スキャナーがA4サイズなので、全部入らないのでゴメン。

「謝肉祭の夕べ」の部分
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ジャングルものの中では、私も「夢」が一番好きですが、もう一つあげるとすれば、これ。
「陽気なおどけものたち」の部分
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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

著者の名前、「裸体のマハ」からとられたのでしょうか。中々、面白そうな本ですね。

貧乏な画家の場合、失敗作の絵を塗りつぶして、また、新たな絵を描くことがあるそうですね。また、フジタ氏は有名な陶器のような白を出すために、まずは、それをキャンバス上に作って、その後に絵を描いたそうですし。また、修復と言うことで、先日観た「大公の聖母子」は背景を真っ黒に塗り潰してしまったそうですし。後は、ミケランジェロの天上画のように、後の画家が腰巻きを描いたそうですし。

画集と本物との大きな違いは大きさですね。あの大きさ、大抵の画集では無理ですね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
この本は、お奨めです。
この本のなかでも、ルソーとピカソの暮らしぶりが
出てきますが、売れないので大変だったようですね。

無名の作家の描いたカンヴァスが、新品のカンヴァスより
安く売られていて、それを買ってきて描いたとか。

おおむね芸術家は、生きている時には恵まれてないですよね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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