舟を編む

20130521

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18日(土)に、カミさんが介護から解放されて、大学のときの友人が名古屋から来て銀座で会うというので、途中まで一緒に行き、芝大神宮にお参りして、その後品川プリンスシネマで「舟を編む」を見ました。

出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描き、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化したものです。
この小説については、記事にしてます。こっちをサラッと読んでもらってからのほうがいいですね。
http://tamtom.blog44.fc2.com/blog-entry-1130.html


玄武書房という出版社の営業部に勤める馬締光也(松田龍平)は、真面目すぎて職場で少々浮いている。しかし言葉に対する卓越したセンスを持ち合わせていることが評価され、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂を進める辞書編集部に異動となる。今を生きる辞書を目指している『大渡海(だいとかい)』は見出し語が24万語という大規模なもの。曲者ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は作業にのめり込む。ある日、ひょんなことから知り合った女性香具矢(宮崎あおい)に一目で恋に落ちた馬締。なんとかして自分の思いを彼女に伝えたいが、なかなかふさわしい言葉が出てこず苦悩する。そんな中、会社の方針が変わり、『大渡海』の完成に暗雲がたちこめる……。


「なぜ、新しい辞書の名を『大渡海』にしようとしているか、わかるか」
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」
「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
この大業が馬蹄に託される。

本を読んでから、映画を見たわけだが、やはり映像の力は強い。もちろん本を読んだ時に自分がハマッたエビソードが削られていたりして寂しい部分もあったが、それでも本を読んだときのあのワクワクした空間が映像で示されると、何ともいえない幸せな気持ちであった。

棚をiびっしり埋め尽くす用例カード
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下宿は馬蹄一人の本で埋め尽くされる。
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普通、知り合ったとしてもとうてい結ばれそうもない二人が結ばれる。
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馬蹄は、毛筆で達筆すぎる字で書いた恋文を香具矢に渡す。
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小説では、あまりに達筆すぎて香具矢は読めず、ラブレターだとわからなくて放っておかれ、ために馬蹄は地獄の苦しみに陥るのだが・・・・・・
映画では、香具矢が馬蹄に詰め寄る。
「ふつう、手紙というのはきちんと相手に伝わるために書くんじゃないの(怒)」
香具矢は読めないものだから、勤める料理屋の大将に読んでもらったのだ。
「どれだけ恥ずかしかったか・・・・・・・・(怒)」

香具矢の答えは「YES」であった。

辞書編集部を監修する、国語学の大家、松本先生。
病んでもなお新聞から用例カードを作り続ける。
傍らで、「そんなバカなこと、もう止めなさいよ」と云おうともせず暖かく手伝う妻。
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本を読んでいて、私が最も感情移入したのは西岡という社員である。
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「器用貧乏」という言葉があるが、西岡がそういうタイプ。辞書編集部に配属され仕事だと割り切って頑張ってきたが、一つのものにのめりこむ執着心が薄いので、馬蹄が辞書編集部に異動してきたとき、こいつにはかなわないと観念した。
そして、不採算部門として、「大渡海」の事業が潰されそうになったとき、悪知恵を出して業界にニュースを流して既定事実を作ってしまい、会社に止められない状況を作り出す。
しかし経費削減のため、西岡は営業部に回されてしまう。
西岡は辞書編纂の仕事と、馬蹄以下それに携わる人たちが大好きになっていた。
そして、去る前にいつ来るとも知れぬ後継者のために「引き継ぎ資料」を作るのである。
この「引き継ぎ資料」は、残念ながら映画には登場しなかった。

西岡は、「大渡海」に血潮を通わせるために必要不可欠の存在だったんです。
それで、馬蹄は執筆者のところに西岡の名前も掲載するんです。
ちょっとウルウルな話です。
映画では、これも出てきませんでした。


それから、映画を見に行ったときに、必ず買わずにいられないプログラム。
それが今回は、ものすごく秀逸だったのだ。
プログラムを拾い読みしているだけでも、実に幸せ(笑)

それから、紙質の話が本に載っていて・・・・・。
印刷や紙も重要事項なんですね。
本を読みながら、いろんな辞書を取り出してきて、めくってみたものです。
やっぱり辞書によって違いますね。

そしてね、プログラムに4枚だけなんだけど「辞書って面白い」という章に「大渡海」の紙です、と使ってあるんですよ(嬉)
馬蹄が「ぬめり感」とこだわった紙質です、と。
そして、「恋」、「言葉」、「仕事」の語釈が辞書によってこれだけ違うと、色々な辞書から集めて見せてくれてます。

「恋」だけご紹介。
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すごいですよ。
このサービス精神に充ち溢れたプログラムは!!!

キャスト
馬締光也:松田龍平
林香具矢:宮﨑あおい
西岡正志:オダギリジョー
岸辺みどり:黒木華
タケ:渡辺美佐子
三好麗美:池脇千鶴
村越局長:鶴見辰吾
佐々木薫:伊佐山ひろ子
松本千恵:八千草薫
荒木公平:小林薫
松本朋佑:加藤剛

スタッフ [編集]
監督:石井裕也
脚本:渡辺謙作

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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

辞書って、新しいもの、出ているのですかねえ。多分、改訂版は出ているのだと思いますが。今は本の形より、電子辞書の方が流行ですし。これだと、多数の辞書が入っているので、辞書自体の儲けは少ないと思いますし。

一方、百科事典は採算が合わないのか、もう、WikiPeidiaの独壇場みたくなっていますね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私も、Wikipediaにはほんとにお世話になってます。

ですが、本となると電子図書なるものは
検討したこともありません。

紙の本でないと、イヤだという人間です。

辞書のズッシリとした重量感は、たまりません(笑)
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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