ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61

20130623

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ヴァイオリン:ヤッシャ・ハイフェッツ
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
管弦楽:NBC交響楽団
録音:1940年3月11日, Studio 8H
トスカニーニ・コンプリートRCAレコーディングズ大全集のCD No.41/85

ベートーヴェン中期を代表する傑作の1つ。彼はヴァイオリンと管弦楽のための作品を他に3曲書いている。2曲のロマンス(作品40および作品50)と第1楽章の途中で未完に終わった協奏曲(WoO 5)がそれにあたり、完成した「協奏曲」は本作品1作しかない。しかしその完成度はすばらしく、『ヴァイオリン協奏曲の王者』とも、あるいはメンデルスゾーンの作品64、ブラームスの作品77の作品とともに『三大ヴァイオリン協奏曲』とも称される。

この作品は同時期の交響曲第4番やピアノ協奏曲第4番にも通ずる叙情豊かな作品で伸びやかな表情が印象的であるが、これにはヨゼフィーネ・フォン・ダイム伯爵未亡人との恋愛が影響しているとも言われる。

この作品の構想されたのがいつ頃なのかを特定する証拠はないが、交響曲第5番第1楽章のスケッチにこの作品の主題を書き記したものが存在するという。いずれにしても、『傑作の森』と呼ばれる中期の最も充実した創作期の作品であることに違いはない。
(以上WIKIから)

いまは亡き吉田秀和さんが「私の好きな曲」という本の中で、タイトルはブラームスの協奏曲なのだが、このベートヴェンの協奏曲についても書いている。
「この曲は、数ある「ベートーヴェン的開始」のなかでも、また独特の位置を占めるものである。「ベートーヴェン的開始」と私が呼ぶのは、たとえば第五交響曲の有名な出だしとか、『第九』 のそれとかを思い出していただければよろしいのだが、ベートーヴェンがそれまで前例のなかった、そうしてすごく冴えた、印象的な「開始」 の仕方をいくつもやってみせた芸術家だったことは、ことわるまでもあるまいが、そのなかでも、このヴァイオリン協奏曲の開始は水際立ったものである。
 これほティンパニのソロのピアニッシモでのゆったりした連打ではじまる。このはじめ方は、はじめてきく人には、あるいはうっかりきく人には、いつはじまったかちょっとわからないような、まことにさりげない、さっばりした始まり方のようにみえるが、一度それに気がついたことのある人には、もう忘れることのできないもので、そういう人たちは、この曲の場合、曲がはじまる前からすでに予期して待ち受けないわけにいかなくなる。そこに、そっと、きこえるかきこえないかで、ボン、ボン、ボン、ボンと四つ鳴る。それだけで息づまるような緊張が生ずる。こんなに単純な一つの音のくり返しだけで、これだけ強烈な緊張のつくられたためしは、ほかのどこにあるのだろうか?」

吉田秀和さんの文章は、まだまだ続くのだが、これを読んでから当然ながら私も、曲がはじまる前からすでに構えて待ち受けるようになった(笑)
名曲を聴くときのわくわくした気分に、さらに緊張感が付け足されたのである。

快速で定評のあるトスカニーニであるからして、この出だし、もの凄い速さです、しかししかし、急いでいる感じはありません。
長大な前奏の後に、独奏が出てくる訳ですが、ハイフェッツの演奏は、素晴らしいとしか言いようがありません。
この曲独特の緊張感に、彼の緊張の糸の張り詰めたような強靭な歌いまわし、独特のクールな芸風は比類なき孤高の境地に達しています。

あまり音響の良くないスタジオでの録音で、音質はさほど良くはありませんが、ハイフェッツのスタイルで救われている感じ。
マエストロも、熱い、生き生きしている演奏です。
ベートーヴェンに対するマエストロの愛情を感じます。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

トスカニーニはハイフェッツを高く評価していたそうですが、同時に、ドイツのバイオリニスト「アドルフ・ブッシュ」も評価していたようです。この曲もブッシュの演奏で残したかったようですが、結局、残っていないようです。一方、アドルフ・ブッシュのこの曲の録音は「フリッツ・ブッシュ指揮ニューユークフィルハーモニック」とのものが正規録音で残っており、私はハイフェッツのものより、このブッシュのものの方が好きです。

ステレオ録音でしたら、「シュリング(vn)、イッセルシュテット指揮」と「シゲティ(vn)、ドラティ指揮」の録音が好きです。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
さすが、matsumoさん。
音源を豊富にお持ちですね。
挙げていただいたもの、私はどれも持っていません。
とりあえず、そのうちのどれかから入手しようかな、
と思います。

このようにして、世界が広がっていくのが
いいですね。
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四季歩

Author:四季歩
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写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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