『居眠り磐音 江戸双紙』第33巻「孤愁ノ春」&第34巻「尾張ノ夏」/佐伯泰英

20130724

第33巻「孤愁ノ春」
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この巻は、隅田川沿い三囲稲荷の近くにある今津屋の寮に磐音とおこんがひっそりと暮らし始めるところから始まる。磐音は亡き家基、佐々木玲圓夫妻、旧友三柱の六名の菩提を慰めるのが日課となっていた。
家基の死を告げられた家治は、なんと暗殺の黒幕と目される田沼意次に、「そなたに御用君御用掛を命ず」と養子を選ぶ大任を与えた。なんとい腑抜けの公方様か。

田沼からの刺客の襲撃があり、磐音とおこんは旅に出る。それまで佐々木道場を守っていた小田平助と季助が道場召し上げに応対した後、代わって今津屋の寮に住むことになった。

三味芳六代目の看板をあげた三味線造りの鶴吉が、ひょんなことで田沼の愛妾おすなに気に入られて、屋敷に出はいりするようになる。
田沼家の家系作りを頼まれた「」なる人物が、磐音を追跡する仕事を請け負う。
佐々木家の系図から、磐音の立ち寄り先を読んで見せるというわけだ。
鶴吉がその情報を流す。

おこんが、箱根の登坂で足首を痛め、箱根の関所を前に養生していた。磐音とおこんは、従来の手形で関所を越えれば、田沼に筒抜けになる。どうしたものかと思案に暮れていた。
小田原の小清水屋の主人(今津屋の内儀お佐紀の父)がひょんな事で、磐音の滞在を知り駆けつけてきて、その難題を解いてくれる。

霧子が島田宿で合流、色々な人への磐音の手紙を配っていた弥助も合流。4人での旅となり、行方を追ってきた雹田平一味との決戦となる。
田沼は、磐音追撃に上様直属のお小姓組を加えた。彼らは内心磐音に同情していたため、計略を図り脱落してしまう。

磐音とおこんは、刈谷にある佐々木家の菩提寺に佐々木玲圓とおえいの遺髪を納め、供養する。
その寺の住職の、「田沼が、佐々木の姓が欲しいというならくれてやりなされ」と名を捨て、今は生きることと諭され、坂崎磐音に戻ることを決める。

この巻で磐音が相対したのは、直信流、柳生新陰流、その他は特に流派の説明なし。


第34巻「尾張ノ夏」
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この巻では、磐音、おこん、弥助、霧子の4人が尾張徳川家のおひざ元名古屋で暮らし始める。

冒頭、名古屋築城の説明から物語がはじまったが、家康が名古屋城を築城したのは意外だった。あの金の大鯱などのイメージから秀吉に結び付けていたのだった。
それまで尾張の中心は清州だったが、名古屋に家康が移した理由は、
清州に頻発する水害を避けること、そして清州に縁が深い織田信長、豊臣秀吉色を払拭することにあった。
また大がかりな名古屋城を築城させることにより、諸大名の力を削ぐことも狙いだった。

磐音は、迷惑な客を手際よくあしらったことから尾州茶屋家と昵懇になる。呉服問屋尾州茶屋家は将軍、朝廷、幕閣、大名諸家と関わりあり、細作の御用も務める家であった。
その紹介で、藩道場にも通い始め、やがて磐音の本身も知られることになる。

尾張徳川家との後継争いに勝った、紀州徳川吉宗にしたがって江戸入りした田沼意次である。その後は田沼意次により紀伊の人脈のみが重用されている状況から、尾張徳川家には田沼憎しの気分がある。
磐音もそのため、おこんが子を産むまで名古屋に腰を落ち着けようという気になっている。
田沼の放った刺客雹田平の攻撃も続く。

尾張徳川家は62万石であったが、木曽の檜の美林を有しているため実質100万石と云われている。
それを横流しをしている悪者退治の助太刀を尾州茶屋家から頼まれ、同行する。
藩から内偵に入った二人が行方不明。まずはこの二人の救出が肝心である。

この巻で磐音が相対したのは、尾張柳生新陰流、東郷示現流、その他は特に流派の説明なし。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

私はこのシリーズ、第26巻~第33巻は読んでいませんので、ようやく、読んだ第34巻について、四季歩さんの解説・感想を読むことができました。

それにしても、読んで思ったことは、いくら尾張と言っても、藩道場に通うのはともかく、そこで強いことを見せて、尾張公の家来達に指南したら、目立ち過ぎですよね。また、尾州茶屋家との出会いは、ああ、いつも同じだなあと思いましたが、この茶屋家が細作と言うのは、チョットと言う感じがしました。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
家基亡きあと、佐々木道場も無くなり、
これからの展開がまったくわかりません。
まずは諸国漫遊みたいなものかなと思っていたら、
案の定、尾張も立ち退きとなりましたね。
どうなることやら。
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とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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