『居眠り磐音 江戸双紙』第35巻「姥捨ノ郷」&第36巻「紀伊ノ変」/佐伯泰英

20130819

第35巻「姥捨ノ郷」

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この巻では、将軍御側御用取次だった速水左近が蟄居謹慎の罪を解かれたが、甲府勤番となる。「山流し」と蔑まれる役目だが、訪ねた今津屋の由蔵は「生きながらえてこそ」と慰める。甲府に向かう速水を田沼意次の刺客が襲うが、それは小田平助が難なく追い払う。

磐音は清水平四郎として尾張に滞在し、藩道場で稽古などしていたが、田沼意次の刺客がついに現れ、磐音の身分が明らかとなった。おこん、弥助、霧子と住む長屋にも、雹田平が現れ、尾張から出ろと通告する。
田沼意次の用人が、尾張藩江戸家老を訪れ、佐々木磐音をかくまうのはいかに、と脅しをかけてきた。

磐音は尾張を出ることにするが、尾州茶屋家の船で芸州広島に向かう。
尾張を出る直前、城に呼ばれ磐音は若き尾張藩主宗睦と対面する。宗睦は己の気持ちの表しとして小さ刀を磐音に与える。磐音はお返しに家基より拝領した小さ刀を宗睦に献上する。
こうして尾張藩主と磐音は心で結ばれた。

芸州広島に向かう尾州茶屋家の船から磐音らの一行は途中見事に姿を消す。
尾州茶屋家の本家、京都の茶屋家か?
田沼意次の追っ手、雹田平からの磐音ら一行の逃避行がはじまる。

松平辰平が豊後関前に現れ、磐音の父母に磐音とおこんに子が生まれることなどの報せをもたらす。そして利次郎と合流するため高知に向かう。磐音一行と合流したいためである。

この巻で磐音が相対したのは、大和柳生新陰流、平賀無頼流、その他は特に流派の説明なし。

第36巻「紀伊ノ変」

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磐音ら一行が落ち着いた所は、霧子が幼少のころ暮らしたことがあるという雑賀衆の隠里だった。
そこで、無事おこんは男子を出産する。磐音は「空也」と名付ける。
空也の誕生を祝う仲間には、無事合流した松平辰平と利次郎の姿もあった。

磐音らが暮らしているのは、高野山の奥深く「内八葉外八葉」と呼ばれる峻烈により、世間と隔絶された地にある「姥捨の郷」であった。
四国の北部に連なる山並み、出石山、石鎚山、別子山を経て、吉野川沿いに紀伊水道を越えて紀伊半島へ至る「中央構造線」がある。この断層上は鉱物資源の宝庫だった。
若き日の空海の修業の地、石鎚山、吉野山、高野山はこの中央構造線上に位置している。
なぜ空海が高野山を根本道場として選んだか。丹(水銀)の産地であったこともその理由の一つと考えられた。
姥捨の郷の住人もまた、丹の採掘場を持っており、それを京で売りさばいて一族の存続を図ってきた。

田沼意次の支配する幕府では、財政難から「丹」に目をつけ、丹会所を設けて丹の採掘を幕府が差配すると通告してきた。「姥捨の郷」も高野山もその幕府の動きに対応せねばならなくなった。
高野山では、奥之院副教導の室町光然なる人物が代表となり、この難にあたることになった。
室町光然は紀伊藩を動かして、田沼に圧力を加えようと動く。

紀伊藩は、田沼意次に取り入り利を得ようとする田沼派と、紀伊藩から出ながら今の権勢ゆえに紀伊藩主をもないがしろにしている田沼に憤る反田沼派の二派に分かれて対立していた。
そして、紀伊系の家基が次期将軍となると思っていたが、それを己の野望のため暗殺してしまう田沼意次への反感が一気に強くなっていた。
また紀伊藩では、家治の養子に岩千代君を推挙することを画策していたが、磐音は紀伊藩の重臣に、岩千代君が家基と同じく明敏でおはすなら、家基と同じ運命となると忠告する。

ご家人品川柳次郎は椎葉お有との結婚の仲人を磐音に頼んでいたが、それが出来なくなった事を詫びる磐音の手紙が届いた。それで今津屋に相談すると、御殿医にして蘭医の桂川甫周国端が代わりを務めることになり、めでたく祝言をあげた。

幸吉は、宮戸川での修業も進み鰻割きの職人として認められるようになった。それをおそめに告げに行くと、おそめは幸吉の名を入れた縫い箔の襷を贈った。

この巻で磐音が相対したのは、疋田一勝流、武蔵円明流、その他は特に流派の説明なし。


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コメント

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四季歩さん、こんにちは

この2冊は読んでいます。結構、面白かったと思います。ところで、水銀って、当時、何に使ったのでしょうね。思い当たるのは、

仏像等に金メッキをするのに使った
墓に入れる際に、防腐剤として使った

位なのですが、実際のところ、どうなのでしょうか。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私もよくは知りませんが、防腐剤や顔料・火薬・鍍金などの
材料に用いられていたらしいですね。
「赤チン」もいつからあったのかわかりませんが、
ああいうふうに、医療にも用いられていたようですね。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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