古事記を知る(21)

20130902

4-4 八千矛神の妻問い物語
此八千矛神。將婚高志國之沼河比賣幸行之時。到其沼河比賣之家歌曰。

夜知富許能。迦微能美許登波。夜斯麻久爾。都麻麻岐迦泥弖。登富登富斯。故志能久爾爾。佐加志賣遠。阿理登岐加志弖。久波志賣遠。阿理登岐許志弖。佐用婆比爾。阿理多多斯。用婆比爾。阿理加用婆勢。多知賀遠母。伊麻陀登加受弖。淤須比遠母。伊麻陀登加泥婆。遠登賣能。那須夜伊多斗遠。淤曾夫良比。和何多多勢禮婆。比許豆良比。和何多多勢禮婆。阿遠夜麻爾。奴延波那伎。佐怒都登理。岐藝斯波登與牟。爾波都登理。迦祁波那久。宇禮多久母。那久那留登理加。許能登理母。宇知夜米許世泥。伊斯多布夜。阿麻波勢豆加比。許登能。加多理其登母。許遠婆。

爾其沼河比賣未開戸。自内歌曰。

夜知富許能。迦微能美許等。怒延久佐能。賣爾志阿禮婆。和何許許呂。宇良須能登理叙。伊麻許曾婆。知杼理爾阿良米。能知波。那杼理爾阿良牟遠。伊能知波。那志勢多麻比曾。伊志多布夜。阿麻波世豆迦比。許登能。加多理碁登母。許遠婆。
阿遠夜麻邇。比賀迦久良婆。奴婆多麻能。用波伊傳那牟。阿佐比能。恵美佐迦延岐弖。多久豆怒能。斯路岐多陀牟岐。阿和由岐能。和迦夜流牟泥遠。曾陀多岐。多多岐麻那賀理。麻多麻傳。多麻傳佐斯麻岐。毛毛那賀爾。伊波那佐牟遠。阿夜爾。那古斐岐許志。夜知富許能。迦微能美許登。許登能。迦多理碁登母。許遠婆。

故其夜者不合而。明日夜爲御合也。
又其神之嫡后須世理毘賣命。甚爲嫉妬。故其日子遅神和備弖。
三字以音自出雲將上坐倭國而。束装立時。片御手者繋御馬之鞍。片御足踏入其御鐙而。歌曰。

 奴婆多麻能。久路岐美祁斯遠。麻都夫佐爾。登理與曾比。淤岐都登理。牟那美流登岐。波多多藝母。許禮婆布佐波受。幣都那美。曾邇奴岐宇弖。蘇邇杼理能。阿遠岐美祁斯遠。麻都夫佐爾。登理與曾比。淤岐都登理。牟那美流登岐。波多多藝母。許母布佐波受。幣都那美。曾邇奴棄宇弖。夜麻賀多爾。麻岐斯。阿多泥都岐。曾米紀賀斯流邇。斯米許呂母遠。麻都夫佐爾。登理與曾比。淤岐都登理。牟那美流登岐。波多多藝母。許志與呂志。伊刀古夜能。伊毛能美許等。牟良登理能。和賀牟禮伊那婆。比気登理能。和賀比気伊那婆。那迦士登波。那波伊布登母。夜麻登能。比登母登須須岐。宇那加夫斯。那賀那加佐麻久。阿佐阿米能。佐疑理邇。多多牟叙。和加久佐能。都麻能美許登。加多理碁登母。許遠婆。

爾其后取大御酒坏。立依指擧而歌曰。

 夜知富許能。加微能美許登夜。阿賀淤富久邇。奴斯許曾波。遠邇伊麻世婆。宇知微流。斯麻能佐岐邪岐。加岐微流。伊蘇能佐岐淤知受。和加久佐能。都麻母多勢良米。阿波母與。賣邇斯阿禮婆。那遠岐弖。遠波那志。那遠岐弖。都麻波那斯。阿夜加岐能。布波夜賀斯多爾。牟斯夫須麻。爾古夜賀斯多爾。多久夫須麻。佐夜具賀斯多爾。阿和由岐能。和加夜流牟泥遠。多久豆怒能。斯路岐多陀牟岐。曾陀多岐。多多岐麻那賀理。麻多麻傳。多麻傳佐斯麻岐。毛毛那賀邇。伊遠斯那世。登與美岐。多弖麻都良世。

如此歌。即爲宇伎由比
四字以音而。宇那賀気理弖。六字以音至今鎮座也。此謂之神語也。

(読み)
コノヤチホコノカミ コシノクニノヌナカハヒメヲヨバヒニイデマシシトキ ソノヌナカハヒメノイヘニイタリテウタヒタマハク 

ヤチホコノ カミノミコトハ ヤシマクニ ツママギカネテ トホトホシ コシノクニニ サカシメヲ アリトキカシテ クハシメヲ アリトキコシテ サヨバヒニ アリタタシ ヨバヒニ アリカヨハセ タチガヲモ イマダトカズテ オスヒヲモ イマダトカネバ ヲトメノ ナスヤイタトヲ オソブラヒ ワガタタセレバ ヒコズラヒ ワガタタセレバ アヲヤマニ ヌエハナキ サヌツトリ キギシハトヨム ニハツトリ カケハナク ウレタクモ ナクナルトリカ コノトリモ ウチヤメコセネ イシタフヤ アマハセズカヒ コトノ カタリゴトモ コヲバ

ココニソノヌナカハヒメイマダトヲヒラカズテ ウチヨリウタヒタマハク 

ヤチホコノ カミノミコト ヌエクサノ メニシアレバ ワガココロ ウラスノトリゾ イマコソハ チドリニアラメ ノチハ チドリニアラムヲ イノチハ ナシセタマヒソ イシタフヤ アマハセヅカヒ コトノ カタリゴトモ コヲバ
アヲヤマニ ヒガカクラバ ヌバタマノ ヨハイデナム アサヒノ エミサカエキテ タクヅヌノ シロキタダムキ アワユキノ ワカヤルムネヲ ソダタキ タタキマナガリ マタマデ タマデサシマキ モモナガニ イハナサムヲ アヤニ ナコヒキコシ ヤチホコノ カミノミコト コトノ カタリゴトモ コヲバ

カレソノヨハアハサズテ クルヒノヨミアヒシタマヒキ
マタソノカミノオホギサキスセリビメノミコト イタクウハナリネタミシタマヒキ カレソノヒコヂノカミワビテ イズモヨリヤマトノクニニノボリマサムトシテ ヨソヒシタタストキニ カタミテハミマノクラニカケ カタミアシソノミアブミニフミイレテ ウタヒタマハク 

 ヌバタマノ クロキミケシヲ マツブサニ トリヨソヒ オキツトリ ムナミルトキ ハタタギモ コレハフサハズ ヘツナミ ソニヌギウテ ソニドリノ アヲキミケシヲ マツブサニ トリヨソヒ オキツトリ ムナミルトキ ハタタギモ コモフサハズ ヘツナミ ソニヌギウテ ヤマガタニ マギシ アタネツキ ソメキガシルニ シメコロモヲ マツブサニ トリヨソヒ オキツトリ ムナミルトキ ハタタギモ コシヨロシ イトコヤノ イモノミコト ムラトリノ ワガムレイナバ ヒケトリノ ワガヒケイナバ ナカジトハ ナハイフトモ ヤマトノ ヒトモトススキ ウナカブシ ナガナカサマク アサアメノ サギリニ タタムゾ ワカクサノ ツマノミコト カタリゴトモ コヲバ

ココニソノキサキオホミサカヅキヲトラシテ タチヨリササゲテウタヒタマハク

 ヤチホコノ カミノミコトヤ アガオホクニ ヌシコソハ ヲニイマセバ ウチミル シマノサキザキ カキミル イソノサキオチズ ワカクサノ ツマモタセラメ アハモヨ メニシアレバ ナヲキテ ヲハナシ ナヲキテ ツマハナシ アヤカキノ フハヤガシタニ ムシブスマ ニコヤガシタニ タクブスマ サヤグガシタニ アワユキノ ワカヤルムネヲ タクズヌノ シロキタダムキ ソダタキ タタキマナガリ マタマデ タマデサシマキ モモナガニ イヲシナセ トヨミキ タテマツラセ 

カクウタヒテ スナハチウキユヒシテ ウナガケリテ イマニイタルマデシズマリマス コレヲカミコトトイフ

(現代語訳)
 この八千矛神(大国主命)が、越国の沼河比売に求婚しようとして、お出かけになったとき、その沼河比売の家に着いて歌われた歌は、

八千矛の神の命は、日本国中で思わしい妻を娶ることができなくて、
遠い遠い越国に賢明な女性がいるとお聞きになって、美しい女性が
いるとお聞きになって、求婚にしきりにお出かけになり、求婚に通い
つづけられ、大刀の緒もまだ解かずに、襲(おすい)をもまだ脱がない
うちに、少女の寝ている家の板戸を、押しゆさぶって立っておられると、
しきりに引きゆさぶって立っておられると、青山ではもう鵠が鳴いた。
野の堆はけたたましく鳴いている。庭の鶏は鳴いて夜明けを告げている。
いまいましくも鳴く鳥どもだ。あの烏どもを打ちたたいて鳴くのをやめ
させてくれ、空を飛ぶ使いの鳥よ。――これを語り言としてお伝えします。

とお歌いになった。そのとき沼河比売は、まだ戸を開けないで、中から歌って、

八千矛の神の命よ、私はなよやかな女のことですから、わたしの心は、
浦洲にいる水鳥のように、いつも夫を慕い求めています。ただ今は自分の
意のままにふるまっていますが、やがてはあなたのお心のままになる
でしようから、鳥どもの命を殺さないで下さい、空を飛びかける使いの鳥よ。
――これを語り言としてお伝えします。

青山の向うに日が沈んだら、夜にはきっと出て、あなたをお迎えしましょう。
そのとき朝日が輝くように、明るい笑みを浮かべてあなたがおいでになり、
白い私の腕や、雪のように白くてやわらかな若々しい胸を、愛撫したり
からみ合ったりして、玉のように美しい私の手を手枕として、脚を長々と
伸ばしておやすみになることでしようから、あまりひどく恋いこがれなさい
ますな、八千矛の神の命よ。――これを語り言としてお伝えします。

と歌った。そしてその夜は会わないで、翌日の夜お会いになった。
 また八千矛神の正妻の須勢理毘売命は、たいそう嫉妬深い神であった。そのために夫の神は当惑して、出雲国から大和国にお上りになろうとして、旅支度をして出発されるときに、片方のお手をお馬の鞍にかけ、片方の足をその御鐙に踏み入れてお歌いになった歌は、

黒い衣裳をていねいに着こんで、沖の水鳥のように胸元を見ると、鳥が
羽ばたくように、袖を上げ下げして見ると、これは似合わない。岸に寄せる
波が引くように後ろに脱ぎ棄て、こんどはかわせみの羽のような青い
衣裳をていねいに着こんで、沖の水鳥のように胸元を見るとき、鳥が
羽ばたくように、袖を上げ下げして見ると、これも似合わない。
岸に寄せる波が引くように後ろに脱ぎ棄て、山畑に蒔いた蓼藍を臼で
舂き、その染め草   の汁で染めた藍色の衣をていねいに着こんで、
沖の水鳥のように胸元を見ると、鳥が羽ばたくように、袖を上げ下げして
見ると、これはよく似合う。いとしい妻の君よ、群鳥が飛び立つように、
私が大勢の供人をつれて行ったならば、引かれてゆく鳥のように、私が
大勢の供人に引かれて行ったならば、あなたは泣くまいと強がって言っても、
山の裾に立つ一本の薄のようにうなだれて、あなたは泣くことだろう、
そのあなたの嘆きは、朝の雨が霧となって立ちこめるように、嘆きの霧が
立ちこめるであろうよ。いとしい妻の君よ。――これを語り言としてお伝え
いたします。

とお歌いになった。そこでその后は大御杯を取って、夫の神のそばに立ち寄り、杯を捧げて歌われた歌は、

八千矛の神の命は、わが大国主神よ。あなたは男性でいらっしゃるから、
打ちめぐる島の崎々に、打ちめぐる磯の崎ごとに、どこにも妻をお持ちに
なっているでしょう。それにひきかえ、私は女性の身ですから、あなた
以外に男はありません、あなたのほかに夫はないのです。綾織の帳の
ふわふわと垂れている下で、苧(からむし)の夜具のやわらかな下で、
𣑥(たく)の夜具のざわざわと鳴る下で、沫雪ののように白い若やかな胸を、
𣑥の綱のように白い腕を、愛撫しからませ合って、わたしの美しい手を
手枕として、脚を長々と伸ばしておやすみなさいませ。さあ御酒を
召し上りませ。

とお歌いになった。こう歌ってただちに杯をかわして夫婦の契りを固め、互いに首に手をかけて、現在に至るまでむつまじく鎮座しておられる。以上の五首を神語という。

(注)
○八千矛神 八千矛神は大国主神の別名とされているが、元来は別神であった。この歌物語は、八千矛神を主人公とする物語が、大国王神に結合されたものである。
○高志国 越国すなわち北陸地方をさす。
○沼河比売 越後国頸城郡沼川郷の地名による女神。糸魚川市にこの女神を祭る奴奈川神社がある。この地方では、純文時代にヒスイの玉造りが行なわれた。
〇八島国 大和朝廷の支配権の及んでいた日本国内をさす。
○妻枕(ま)きかねて 「枕く」は共寝をする、娶るの意。
○さ婚(よば)ひに 「よばひ」は求婚すること。
○襲(おすひ)をも 「おすひ」は頭からかぶって衣服を覆った布。
○わが立たせれば この歌は第三人称で歌われているが、中途で第一人称に転じて「わが」が用いられている。○鵺は鳴きぬ 「ぬえ」はトラツグミの古名。夜半から早朝にかけて、哀調をおびた声で鳴く。
○庭つ鳥 庭で飼う鳥の意で、「鶏」の枕詞。
○うれたくも 「うれたし」はいまいましい、腹立たしいの意。
○打ちやめこせね 打ちこらして、鳴くのをやめさせてくれ、の意。
○いしたふや 「天馳使」の枕詞であろうが、語義は明らかでない。
○天馳使 空を飛びかける使いの意で鳥をさす。「いしたふや 天馳使」の二句は、前の「この鳥も 打ちやめこせね」に続く。
○事の語言もこをば これをば、物語の語り言としてお伝えします、の意。この三句は、神語歌と天語歌の終りに添えられた結びの詞である。
○ぬえ草の なよなよとした草のような、の意で「女」の枕詞。
○浦渚の鳥ぞ 浦の渚にいる鳥(千鳥・鶴など)のように、つねに夫を慕い求めている、の意であろう。
○我鳥 自分の意のままにふるまう鳥の意。次の「汝鳥」とともに、自己を鳥にたとえた語。
○な殺(し)せたまひそ どうか殺さないでください、の意。前の歌に歌われた鳥の命を殺さないでください、という意。
○ぬばたまの 「ぬばたま」は檜扇の実で、色が黒いので、この句は「黒」「夜」などの枕詞となった。
○夜は出でなむ (八千矛神に対して)夜になったら出ておいでなさい、の意とする説もあるが、夜にはきっと出て、あなたを家に迎え入れましょう、の意と解釈するのがよい。
○朝日の 朝日の明るいように、の意で「笑み栄え」の枕詞。
○𣑥綱(たくづの)の 楮の樹皮の繊維で作った白い綱のように、の意で「白き」の枕詞。
○沫雪の 沫雪のように白く柔らかな、の意で「若やる胸」の枕詞。
○そだたき そっと軽くたたいたり撫でたりして、愛撫することであろう。
○たたきまながり 「たたき」は「そだたき」と同じで愛撫すること。「まながり」は語義未詳。からみつく意であろうか。
○股長に 股を長くのばして。
○寝はなさむを 「なす」は「寝」の敬語。
○な恋ひ聞こし 恋い慕って下さいますな、の意。
○嫉妬(うはなりねたみ) 「うはなり」は後で娶った妻。前妻が後から娶った妻をねたむこと。
○沖つ烏 沖の水鳥が首を曲げて、自分の胸のあたりをつつくようにの意で、「胸見る」の枕詞。
○はたたぎも 烏が羽ばたきをして翼をひろげるように、両袖をひろげ伸ばすことであろう。
○そに脱き棄て 「そ」は背で、うしろをいう。岸に寄せた波が後ろへ引くように、衣服を後ろに脱ぎすてること。
○そに烏の 「そに」はカワセミ(翡翠)の古語。背の色が緑青色であるから、「青き」の枕詞としたもの。
○山県に 山間の畑に。
○あたね舂(つ)き 「あたね」は、「あかね(茜)」の誤りとする説や、「藍蓼」のヰが脱落したもので、「蓼藍」であるとする説などがあるが、明らかでない。
○染木が汁に 「染木」は染め草の意。
○いとこやの 「いとこ」はいとしい人の意。
○群鳥の 群れをなして飛ぶ鳥のように、の意で「群れ往なば」の枕詞。
○引け鳥の 「引け鳥」は、一羽が飛び立つと、それに引かれて飛び立つ鳥の群れをいう。「引け往なば」の枕詞。○山との 「やまと」は山本、山のふもとの意とされているが、本来は大和の意であったかもしれない。
○項かぶし 項(うなじ)を垂れて、うなだれての意。
○霧に立たむぞ 朝の雨が霧となって立ちこめるように、あなたの深い嘆きの霧が立ちこめるであろう、の意。
○若草の 若草の芽が二葉相対しているので、「つま」の枕詞となった。
○吾が大国主 この句は、八千矛神と大国主神とが同神とされたので、後から挿入された句であろう。
○うち廻(み)る 「廻る」はめぐる、廻るの意。
○綾垣の 綾織の絹の帳をいう。
○ふはやが下に ふわふわとしている下で。
○むし衾 「むし」は、苧(からむし)の茎の繊維で織った布。「衾」は掛け蒲団。
○にこやが下に 柔らかな下で。
○𣑥衾(たくふすま) 楮(こうぞ)の皮の繊維で織った白い掛け蒲団。
○豊御酒奉らせ 「奉る」は召し上るの意。この御酒を召し上ってください。
○うきゆひ 盞結(うきゆひ)の意で、酒をくみ交して契りを結び固めること。
○うながけりて 互いに首に手をかけ合う意という。
○神語 「神語歌」の「歌」の字が落ちたものであろう。神事を語り伝えた歌の意で、「天語歌」と同様、宮廷歌曲の名称である。

 (解説)
神語歌は、八千矛神を主人公とする妻問い物語で、五首の歌謡で謡い伝えられていたものを、大国主神に結びつけ、沼河比賣や須勢理毘売が導入されて、劇的に構成されたらしい。
特徴の一つに、海人集団の生活や体験に関係の深い詞句が多く用いられている。たとえば、「浦渚の烏」「沖つ鳥胸見る時」「辺つ波背に脱ぎ棄て」「うち廻る島の崎崎」などがそれである。
はるばる高志国に求婚に出かけるというのも、大和朝廷が北陸地方に支配権を確立した、七世紀半ばごろの政治情勢と関係がありそうである。
「𣑥綱の白き腕」にはじまる十句の官能的描写の詞句は、沼河比売の歌と須勢理毘売の歌とに、共通的に用いられている。

男に訪ねてこられて、いったんは拒むが、そのあとで一晩待ってくれたら・・・・・で、そのあとに言うことが、いかにも古代のおおらかな、抒情的で、官能的であって、素晴らしく、古事記のなかで好きな場所である。

「ヌナカハヒメ」という名は、越後国頸城郡沼川郷に因むが、同時に「ヌ」は生命の象徴としての玉の意であり、その地を流れる姫川は翡翠の産地で、翡翠は縄文から古墳時代にかけて勾玉の主材料だった。
あの名は「翡翠の勾玉の川の姫」なのだ。
また、古代語の「みどり」は新芽のつややかさを言い、生まれたての子を「みどりご(緑児)」と云うのに通じている。
「新生」という言葉がキーワードとなってくる。
私も、あの辺に旅行に行ったとき、姫川が海に流れ込む「宮崎海岸」で翡翠の原石を拾おうとしたことがある。
今でも、入間川でも荒川でも、河原で石を探すとき、緑色の石を探している。
どうして緑色の石を探すのか、わかったような気がした。


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コメント

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四季歩さん、こんにちは

これは「18歳未満読書禁止」の話ですね(笑)。それにしても、大国主の妻はこれで3人目ですよね。やはり、法律を改正して、日本も古代のようにすれば、喜ぶ男も多いかも(笑)

ゼウスも沢山の妻や愛人がいましたが、やはり、自分の祖先は○○だと言いたい人が多かったのでしょうね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
大国主の命の妻は、古事記に名が出てくる女性で
7人ですね。
子は古事記に登場する名が180柱だそうです。
だから、もっと妻は居たのでしょうね。

古事記編纂当時、多くの地域で信仰されていて、
土着の神と統合もされていたようですね。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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