ミスター・ローズ

20080920

080918sakurakasumi.jpg


「櫻霞」
この薔薇も鈴木省三さん作出の薔薇。

ミスター・ローズ、鈴木省三さんの事を知ったのは、
最相葉月さんの本「青いバラ」である。

この方に私が親しみを覚えたのは、長年「京成ばら園芸」で
お仕事をされていたと紹介されていたから。
私が大学の教養課程のときの寮が習志野にあり、
そのころ、ヒマにまかせて周辺の「探検」をしていたときに、まぎれこんだことがある。
なにしろ、そのころの私は長野県の山ン中から出てきたばかりの無骨者だったから、
あたり一面薔薇が咲き誇って、薔薇の香りにむせ返るような場所に迷い込んだ私は、こんな華麗な場所があるのかと、ひどくドギマギしたことを、覚えている。
今でもよく覚えているということは、その時、かなりインパクトがあったということである。

鈴木省三さんは、生涯で108種の新種を創出されている。
そのなかには、「かがやき」、「聖火」、「乾杯」などの、私のようにただの「バラ好き」程度の人間でも
知っている名前が沢山あり、さすが「ミスター・ローズ」だと納得できる。

最相葉月さんの「青いバラ」に紹介されている対談でのこの人の言葉が、人間としてとても素晴らしいもので、
私もすっかりこの人のファンになった。

私も訪ねたことのあるオールドローズがメインのバラの博物館をめざしている佐倉の「ローズガーデン・アルバ」も、鈴木省三さんのお弟子さんたちが、鈴木省三さんが集めたオールド・ローズが母体となって、発足したもの。

私のとりあえずの目標として、この人が創出したうちの数本でいいから、育てたいということと、
出来れば、108種の写真は全部撮りたいなと思っている。

残念なことに鈴木省三さんは、2000年1月20日に86年の生涯を閉じられている。


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鈴木省三さんの主な経歴
大正二年東京の小石川で生まれる。
父親が無類の植物好きで、その影響で出来たばかりの東京府立園芸高校に学ぶ。
都内ばら園で見習い時代に、現都立大学の生物学教授今井喜孝と知り合い、彼の後押しでバラの育種家を目指す。
昭和12年、24歳で世田谷区等々力に「とどろきばらえん」を開園する。
大戦中も「とどろきばらえん」はバラ作りを止めなかった。
戦争中でもバラの需要はあったそうである。
鈴木省三が入隊したあとは、夫人が守り通した。
海軍衛生兵として入隊したが、生物の今井研究室にいたことから夜間は毒草の研究をさせられ、過酷な勤務から病気になり、廃人寸前まで悪化して終戦を迎える。

戦後初のバラ展が銀座の資生堂パーラーで昭和23年に開かれる。
日本バラ会主催だが、鈴木省三が事務局で「とどろきばらえん」のバラが中心になった。
鳩山一郎と知り合い、鳩山邸のバラ花壇を設計する。
鳩山一郎は深くバラを愛し、バラ花壇作りのときは一緒に作業したという。
京成電鉄が谷津遊園にバラ園を作るときの設計をする。
そして、京成ばら園芸の研究所長として迎えられる。
「かがやき」、「聖火」、「光彩」が海外の国際コンクールで
賞をとり、鈴木省三は名実ともに「ミスターローズ」となる。
AARS賞をはじめ、五つもの国際的な金賞を獲得したブリーダーは世界でも少なく、世界から「ミスター・ローズ」と称えられる日本人は鈴木省三だけ。

鈴木省三さんが書いた文章で、紹介されていた北原白秋の詩

薔薇ノ木ニ
薔薇の花サク。
ナニゴトノ不思議ナケレド。



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ミスターローズ その1 :心象スケッチ(新)

「ミスターローズ」という題にそんなバラがあるの?と思われたのではないですか?違いますよ。絶対に作れないと言われていたオレンジ色のバラ作りに成功した「ミスター・ローズ」こと、鈴木省三(すずきせいぞう)(1913~2000)さんが手掛けたバラの紹介です。「バラの父

コメント

Mr Rose 鈴木省三さん作「聖火」

蕾の時は白っぽいピンク、形も丸くて平凡なのだけれども、花が咲くにつれて縁が紅色のばかしになり、さらに濃紅の巨大輪に返信する・・東京オリンピックにちなんで「聖火」とつけたとか・・・(^^)

省三さんを好きな言葉「バラの ゆめ のみ 多き」 「バラとともに生き、バラとともに死す」なんと素敵な奥深い生き方です♪ね・・♪

コメントありがとうございます。
鈴木省三さんの薔薇は優しさを含んでいてみていてホッとするバラだと思います。
全部見ることができたら素晴らしいでしょうね。

トラックバックさせていただきます。

ミスター・ローズ

薔薇爺さま
ブドリさま

鈴木省三さんをお好きな方とめぐり合えて、
とても嬉しいです。
ほんとうに鈴木省三さん作出の薔薇は
優しさとか温かみとか、
人間味にあふれていて好きです。

これからも、よろしくお願いします。

こんにちは。
今日はコメントありがとうございました。

私も薔薇の花が大好きです。
鈴木省三さんのようにはなれませんが。
素晴らしい情熱ですね。

そして、
白秋の<薔薇二曲>も。^^

いばら様

コメントありがとうございます。

鈴木省三さんの薔薇に寄せる情熱は
すごいものですね。
いろいろな話を読むたび、そう思います。

白秋の詩もいいですね。

はじめまして

私は20年近く前に、鈴木省三さんの書かれた『ばらに贈る本』(婦人之友社)に出会ってから、さらに薔薇が好きになりました。そしてその本に付録として付いていた「芳純」の香りに憧れて、芳純を庭に植えてみたりもしました。鈴木省三さんの薔薇への優しさが溢れた、いい本でした。

fragile28様

ありがとうございます。

鈴木省三さんを知っている方と
知り合いになれて嬉しいです。

芳純の香りは良いですよね。

クラシックに造詣が深く、
写真がとても素晴らしいブログをやっていらして、
訪問するのが楽しみです。
これからもよろしくです。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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