『居眠り磐音 江戸双紙』第39巻「秋思ノ人」&第40巻「春霞ノ乱」/佐伯泰英

20131024

第39巻「秋思ノ人」

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この巻では、甲府勤番に流されていた速水左近がその任を解かれて江戸に帰る。それは城中で御三家水戸、尾張、紀州の当主が顔を揃えて田沼意次に談判し、奏者番への就任をとりつけたものだ。
それまでの甲府勤番は「山流し」と云われ懲罰的な任命だったから、不貞腐れる人間が多くなげやりなものだった。それを速水左近はきちんと任務を全うし、甲府に善政をしいたから、江戸に帰ると知ると別れを惜しむ人間が多かった。
その江戸帰りの日が三日急に早まったのは、磐音らの警護を間に合わなくし、途中で速水左近を亡き者にしようとの田沼派の策略であった。
奏者番には、田沼意次の子息意知が就任しており、田沼一派は腹が収まらないのである。
まずは先乗りしていた弥助が急場をしのぎ、笹子峠にて田沼に籠絡された甲府勤番侍一派の襲撃は、旧武田家家臣の「ご浪人様」たちの活躍で追い払う。彼らは速水左近の人柄に惚れ込んでいたのである。
弥助からの早飛脚で田沼派の計略を知った磐音は、速水左近の子息、杢之助と右近兄弟と霧子を連れて急行する。
速水左近一行は、用人が足を痛めたため、追っ手をかわそうと青梅に出る道に変更する。
青梅往還が、田沼一派と速水左近・磐音一行の決戦となる。

高野山で磐音に倒された田沼意次の愛妾おすなには、やくざな弟が居た。それが読売屋と組んで田沼から金を引き出そうと企む。その読売屋というのが、情報をかき集めた結果を読売にするのでなく、脅迫に使って稼いでいる悪党だった。

江戸城では、速水左近が奏者番としての仕事を始める。奏者番というのは人数が多く、大名の子息が城中のしきたり、作法を徹底的にしつけられる役目である。
大名の子息でない異例の者が二人いた。一人は田沼意次の息子であるということで就任していた意知、いま一人は直参旗本の身分でありながら徳川御三家の推挙を受けて就任した速水左近である。
初日から二人は冷たい火花を散らした。

この巻で磐音が相対したのは、神厳一刀流、先軍一流、タイ捨流、速水左近は無間一刀流、その他は特に流派の説明なし。


第40巻「春霞ノ乱」

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この巻では、まず天明三年の春におこんが無事に二人目の女の子を生む。睦月と名付けられる。
その前に年の瀬には木下一郎太と瀬上菊乃の祝言があった。

突如、磐音の父にして関前藩国家老の坂崎正睦が江戸に出てくる。母照乃も同行してきたのだから、おこん等は大喜びだが、坂崎正睦は密行だという。
その正睦が勾引(かどわかし)に遭うという事件となる。
藩の財政を立て直すため、磐音ら若手が起案した関前の産物を江戸で販売することが成功し、藩の財政は立て直された。それが今では長崎から仕入れた物品を売りさばくというように様変わりしてきたようだ。
抜擢された江戸家老の一派が、その甘い汁を吸おうと私利私欲に走りだしたらしい。
禁制のアヘンの話も飛び出してきた。幕府に知れたらお家取り潰しである。

江戸家老の鑓兼参右衛門というのは、調べが進むと紀伊の伊丹家の部屋住みから養子に入った人物で、磐音が以前知遇を得た紀伊藩お目付け役に会い確かめると、田沼意次の正室が伊丹本家の娘ということで、なんと田沼に繋がっていることが判明した。
田沼の手が関前藩に及んでいたのである。
紀伊藩お目付け役の糸川氏に会ったあと、呼ばれていくと紀伊藩主の姿があった。
今回の事件が片付いたら、紀伊藩の指南役になれと言うのだった。

そして田沼の陰謀という事がわかると、父正睦を監禁している場所として、神保小路のもと佐々木道場を取り上げ日向鳳斎なる人物が配置されている屋敷が浮かび上がってきた。
今津屋の由蔵の働きで、隣の屋敷の土蔵を借り受け、磐音らの奪取の働きが始まる。


この巻で磐音が相対したのは、江戸起倒流、その他は特に流派の説明なし。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

おっ、もう私が読んでいない巻に入りましたね。それにしても、田沼親子はしつこすぎですね。

また、関前藩も禄な人材がいないのか、確か、以前も江戸家老がひどかったですよね。まあ、現在も、政治家と称する人達の大部分は、私利私欲しか頭にありませんが。

居眠り磐音江戸双紙シリーズ

おっ、もう40巻到達ですね。このシリーズ、どこまで続くのでしょう。いろいろとツッコミどころ満載の作品ですが、気楽に楽しめるエンターテインメントとして愛読しております。現代の大長編紙芝居でしょうか。
最新作はいつごろ出るのか、気長~に楽しみにしています。

コメントありがとうございます

matsumoさん
narkejpさん
それでもペースが落ちましたね(笑)
なんだか、終わってしまうのが嫌で。
佐々木夫妻が死んだあたり、一時はだいぶ
落ち込みました。
また、江戸で磐音の活躍が見られるので
とても楽しいですね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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