大國魂神社(延喜式内論社)/東京都府中市

20140618

所在地:東京都府中市宮町3-1

個人的に取り組んでいる「武蔵国式内社めぐり」で、今回から「多摩郡八座」を開始しますが、17日(火)に大國魂(おおくにたま)神社、小野神社(府中)、小野神社(多摩)を巡拝しました。
京王線府中駅で降り、6、7分歩くと、大國魂神社の入り口に来ました。鳥居の前に大きな欅が聳え、ここまで欅並木が延びていました。私は違う道を来たので、帰りに欅並木を通ることにした。
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大きな社号標と鳥居があります。
式内論社「武蔵國多磨郡・大麻止乃豆乃天神社(おおまとのつのてんじんしゃ)」、旧官幣小社、武蔵國総社
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創祀年代は、人皇第12代景行天皇41年(111)年5月5日。大神の託宣によって創立。
出雲臣天穂日命の後裔が武蔵国造に任ぜられて以後、代々の国造が奉仕し祭務を司ったといわれている。
その後、孝徳天皇の御代に至り、大化の改新(645)の時、当地に武蔵国府が置かれ、当社を国衙の斎場とし、
国内の諸神を配祀して武蔵総社と呼ばれた神社。
中殿に、大國魂大神・御霊大神・国内諸神を祀り、東殿に、小野大神・小河大神・氷川大神、西殿に、秩父大神・金佐奈大神・杉山大神と、武蔵の一宮から六宮までの六社を東西に祀っており、六所宮・六社神社とも呼ばれている。
明治に制定された准勅祭社の一社。また、式内・大麻止乃豆乃天神社として、式内論社となっている。

狛犬
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鳥居をくぐると、右手に稲荷神社。
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広い参道が延びて、気持ちがいい。
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右手に「武蔵国府跡」という碑があった。
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中央から国司が任地に到着して最初にやることは、その土地の人々が信奉する神社に参拝することである。
その順番を決めねばならないから、一之宮、二之宮、三之宮と決まっていた。
武蔵の国は大変だ。小野神社(一宮)は近くて良いとして、二宮神社(小河神社)はあきるの市、氷川神社(三宮)は大宮、秩父神社(四宮)、金鑚神社(五宮)は埼玉県児玉郡神川町、杉山神社(六宮)は横浜である。

何処の国でもそうだが、やがて国府の近くに「総社神社」を設けて、参拝を楽にしたのだ。

「ふるさと府中歴史館」があったが、入らなかった。再訪すべし。
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「武蔵国府跡」の碑の奥に、「府中小唄」の碑が。
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この唄に詠み込まれている所だけでも、再訪したいと思った。

参道の左手にあったのが、「宮乃咩神社」
大國魂神社と同じく、第12代景行天皇の時代から祀られているという摂社です。
ご祭神は天鈿女命。安産の御神徳で有名。
宮乃咩神社例祭で「青袖・杉舞祭」があり、この祭は源頼朝が文治2年に武蔵国中の神職に命令して、天下泰平の祈願を行うべき旨の指示があり、国中の神職が毎年参会して、12日の夜より13日の朝まで終夜舞楽を奏した。
先ず宮乃咩神社に於いて、舞人が青袖の舞衣を着用して神楽舞を舞い、その後御拝殿にて笛太鼓に合わせて舞うので青袖祭と言い、13日の朝に至り、拝殿に於いて杉の小枝を手草として舞うので杉舞祭という。
しかし現在は祭典及び神前舞のみで、国中の神職は参加しない。
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ものすごく立派なので驚きました。手水舎。
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彫刻がすごい。龍が6頭、麒麟、獏、獅子、霊亀・・・・・
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吐出口も龍が二頭。
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随身門の手前左右に、寛政7年(1795)の常夜燈がある。
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中台の龍の彫刻が気に入りました。
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随神門
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随神門前の狛犬が天保10年(1839)奉納で、味があります。
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向かって右手は、府中番場宿の箱屋の奉納。
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左手は、府中新宿の東屋の奉納。
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随神の「豊磐間戸命」
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随神の「櫛磐間戸命」
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随神門をくぐります。
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内側には、大国さんと恵比須さんが。
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入ってすぐ参道の左に「鶴石」
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右に「亀石」
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この「鶴石」、「亀石」については、神社のパンフレットの境内図にも、ポチッと丸は書かれているが、その丸の説明は無い。現場にも説明は無い。
調べていると、下記サイトに興味深い記述がありました。
郷土の歴史を考える


鳥居の前身と云われる鶴石、亀石とあり、出雲大社も背後を鶴山・八雲山・亀山に囲まれているとある。
この神社の主祭神が、出雲大社と同じなので納得。
それと、後で述べるが、祭神と「千木の削ぎと鰹木の数」が合わない問題にも色々と考察されていて、貴重なヒントをいただいた。

右手に宝物殿。
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閉まっています(泣)
見ると、土曜・日曜・祝日に開館と。
これにはショックでした。見たいものがあったのです。
それは、国指定重要文化財、鎌倉時代初期造立の伝運慶作とされる「木製狛犬」です。
私が見た中で、一番古いのは碓氷神社にある平安時代作といわれる石造狛犬で、それに次ぐ古さとなります。
再訪を期し、ここではパンフレットの写真を転載しておきます。
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宝物殿の隣に神楽殿。
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参道の反対側には、鼓楼。
慶長年間に、三重塔と相対して建てられたといいますから、神仏分離の後、こちらだけ残ったということですね。
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中雀門の手前に茅の輪が設けられていました。
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私も、8の字に三回くぐって、無事をお祈りしました。
私がやっていたら、お婆さんがやってきて、どっちからするんだっけ?と聞いてきました。左足から左廻り、右足から右回り・・・・」と云ったがマゴマゴしていた。そしたらその後から若い女性がやってきて、教えながら一緒に回り始めたので、私は助かった(笑)

中雀門の前の獅子山は、天保10年(1839)奉納のもの。
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中雀門
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中雀門を入ると立派な社殿が。
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拝殿は、切妻造、千鳥破風。
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社額は「総社大神宮」とある。
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御祭神は、
中殿に、大國魂大神、 配祀として御靈大神と国内諸神
東殿に、小野大神(一宮)、小河大神(二宮)、氷川大神(三宮)
西殿に、秩父大神(四宮)、金佐奈大神(五宮)、杉山大神(六宮)

「大國魂大神」は大国主命の別名である。
WIKIでは「大國魂大神(おほくにたま)・顕国玉神・宇都志国玉神(うつしくにたま)- 根国から帰ってからの名。国の魂」となっている。

御靈大神は、よくわからないらしい。
まずは御霊信仰によるものと、考えられる。無念を抱いて死んだ人が怨霊となるのを慰めて防ぐというもの。
また御旅所において御霊宮に備える神饌が八つであることから、素戔嗚尊だとも言われるそうだ。 というのは素戔嗚尊には八人の王子が居たからだそうで、東京の八王子の名の由来もここから来ているという。
八王子権現=牛頭天王(ごずてんのう)で、この牛頭天王は素戔嗚尊と同一とされることから、上記のような解釈はうなずける。
江戸名所図会等の資料によると、六所宮には大己貴命の父祖の神として素戔嗚尊を合わせ祀るという記述が有るそうだ。
それから代々大国魂神社の宮司家を務める猿渡氏が大正時代に書いた「武蔵国府名蹟誌」に、「古老の伝説に下女郎ともいいて、本宮大國魂大神の妃神なる由伝ふれど、今確証なければ、之を詳にすること能ず。」 と、書いてあるそうで、それによれば、御靈大神は大国主命の后神ということになる。

この大國魂神社の主祭神は、いずれにしても大國魂大神(大国主の命)だととれるのだが、腑に落ちないことがある。
それは本殿の千木が内削ぎ(平削ぎ)で、鰹木の数が偶数なのだ。
これは女性の神を祀っている場合なのである。
どうしてなのだろうか?

神紋は「十六八重菊」です。
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拝殿の横から本殿に向かいます。
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本殿は、一棟三殿の造りです。
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千木と鰹木(本殿の後ろから撮ったもの)
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ここには、金と銀の狛犬が侍っている。
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続いて境内社にお参り。
水神社
大国魂神社の井戸で、ここの御神水は地下約120メートルから汲み上げられている。
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松尾社
祭神は大山咋神。
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巽神社
祭神は市杵嶋姫命
元は市川にあった「市神社」。その社を大國魂神社の本殿から辰巳(南東)の方向に遷座し「巽神社」と改称した。
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ここの狛犬が、なんともキュート(笑)
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本殿の後ろを通って反対側の角にご神木の大銀杏が。
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小さな建物を除いてビックリ(笑)
神馬舎でした。
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東照宮
祭神はもちろん、徳川家康公。
徳川秀忠による造営。家康の死後、駿河国久能山により下野国二荒山に祀り直された時に、武蔵野国府の斎場で一夜を明かした遺跡を後生に伝える為に造営された。
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ここの狛犬は、寛保2年(1742)奉納の、かなり特異なものです。
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住吉神社と大鷲神社が一棟二殿で祀られていた。
住吉神社:本社は大阪市の住吉大社。
祭神は、表筒男命、中筒男命、底筒男命
大鷲神社 (おおとりじんじゃ) :本社は堺市の大鳥大社。
祭神は大鷲大神。
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ここの狛犬は、不思議なことに両方ともに吽形である。
これは角があるから狛犬だが、本来なら神前から見て右に置かれるところ、左に置かれている。
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こちらは、獅子で、本来は阿形なのだが。
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合祀される際に、夫々の片方が置かれたものか?

一巡して、拝殿の前に戻ると、巫女さんがあちらに歩いていった。
後ろ髪の水引が美しかったので、撮りました。
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参拝を終わって、大鳥居まで戻ってきました。
欅の巨木が左右にあります。
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参道には欅(ケヤキ)が植えられていますが、これは、源頼義公・義家公親子が「前九年の役」戦勝お礼に欅の苗千本を寄進し、徳川家康がまた捕植したことによる。 東京都立農業高等学校手前のけやき並木北交叉点まで伸びる「ケヤキ並木」は、正式には「馬場大門のケヤキ並木」といい、大正13年に日本で2番目の天然記念物として指定されており、ケヤキ並木としては日本で唯一の天然記念物である。
「馬場大門」の名は、徳川家康が馬場を神社に寄付したことからきている。
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府中市の文化財というのは、この碑のことであって、ケヤキ並木は国の天然記念物です。

参道の反対側には、万葉歌碑がある。
「武蔵野の 草は諸向(もろむ)き かもかくも 君がまにまに 吾(あ)は寄りにしを」
(作者) 不詳。
(訳文) 武蔵野の草があちこちに靡きます。とにかくも、私は貴方のお気に召すようにひたすら心を寄せていたのに。
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ちょっと通り過ぎてから、銅像に気付き戻った。
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源義家の銅像
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高浜虚子の句碑
「秋風や欅のかげに五六人/虚子」
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京王線「府中駅」まできました。ここにも「天然記念物 欅並木」の碑が。
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まだまだケヤキ並木は続いていますが、私はここで電車に乗り「中川原」まで行って、次の参拝地「小野神社(府中)」に向かいました。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

府中駅には一度も降りたことはなく、府中と言えば、すぐに思いつくのは競馬場ですが、こんなに敷地が広い立派な神社があったのですね! 特に、手水舎の彫刻は見事ですね!

でも、この神社、拝殿や本殿はともかく、全体的には新しい建物が多い感じがします。近年、一斉に整備したのでしょうか。

茅の輪は方々の神社で見ますね。本日、飛鳥山公園のそばの七社神社の前を通ったら、設置させていましたし。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
府中には、まったく立ち寄っていないのは、
意外でした。
けっこう見どころがありそうですよ。

茅の輪は、あるとくぐらずにはいられないですね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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