阿加流比売神 (あかるひめのかみ)/日本の神々の話

20140711

日本の神々について、自分なりに辞書みたいに集め出しましたが、現在349柱となりました。
それで、その神様たちを紹介していこうと思い、カテゴリーの一つにしました。
50音順に、一日一柱を目標にしてアップしていこうと思っています。


阿加流比売神ですが、私はまだこの神を祭神としている神社にはお参りしたことはありません。
製鉄、青銅に携わった人たちが祀る神を追跡した、谷川健一氏の「青銅の神の足跡」という本に登場しています。

日本神話に登場する、日の出の太陽を表す赤い瑪瑙の玉の化身とされる女神です。

『古事記』では応神天皇記に記述がある。
昔、新羅のアグヌマ(阿具奴摩、阿具沼)という沼で女が昼寝をしていると、その陰部に日の光が虹のようになって当たった。すると女はたちまち娠んで、赤い玉を産んだ。その様子を見ていた男は乞い願ってその玉を貰い受け、肌身離さず持ち歩いていた。ある日、男が牛で食べ物を山に運んでいる途中、天之日矛と出会った。天之日矛は、男が牛を殺して食べるつもりだと勘違いして捕えて牢獄に入れようとした。男が釈明をしても天之日矛は許さなかったので、男はいつも持ち歩いていた赤い玉を差し出して、ようやく許してもらえた。天之日矛がその玉を持ち帰って床に置くと、玉は美しい娘になった。
天之日矛は娘を正妻とし、娘は毎日美味しい料理を出していた。しかし、ある日奢り高ぶった天之日矛が妻を罵ったので、親の国に帰ると言って小舟に乗って難波の津に逃げてきた。その娘は、難波の比売碁曾の社に鎮まる阿加流比売神であるという。

『日本書紀』では垂仁天皇紀に記述がある。
都怒我阿羅斯等は自分の牛に荷物を背負わせて田舎へ行ったが、牛が急にいなくなってしまった。足跡を追って村の中に入ると、その村の役人が、「この荷の内容からすると、この牛の持ち主はこの牛を食べようとしているのだろう」と言って食べてしまったという。都怒我阿羅斯等は牛の代償として、その村で神として祀られている白い石を譲り受けた。石を持ち帰って寝床に置くと、石は美しい娘になった。
都怒我阿羅斯等が喜んで娘と性交しようとしたが、目を離したすきに娘はいなくなってしまった。都怒我阿羅斯等の妻によれば、娘は東の方へ行ったという。娘は難波に至って比売語曾社の神となり、また、豊国の国前郡へ至って比売語曾社の神となり、二箇所で祀られているという。

『摂津国風土記』逸文にも阿加流比売神と思われる神についての記述がある。
応神天皇の時代、新羅にいた女神が夫から逃れて筑紫国の「伊波比の比売島」に住んでいた。しかし、ここにいてはすぐに夫に見つかるだろうとその島を離れ、難波の島に至り、前に住んでいた島の名前をとって「比売島」と名附けた。

『古事記』の阿加流比売神の出生譚は、女が日光を受けて卵を生み、そこから人間が生まれるという卵生神話の一種であり、類似した説話が東アジアに多く伝わっている。例えば扶余族の高句麗の始祖東明聖王(朱蒙)や新羅の始祖赫居世、倭より渡った新羅王族昔氏の伝承、伽耶諸国のひとつ金官国の始祖首露王の出生譚などがそうである。

阿加流比売神を祭神とする神社:
・比売許曽神社/大阪市東成区東小橋
『古事記』に記述された「難波の比売碁曾社」に相当する神社であるが、現在、この神社の主祭神は大国主の娘の下照比売命とされている。
・姫島神社/大阪市西淀川区姫島町
『摂津国風土記』逸文の比売島と同名の神社、阿迦留姫命(神社伝承による)が住吉大神とともに祀られている。
・赤留比売命神社(三十歩神社)/大阪市平野区平野東
阿加流比売神が祀られている。
・比売碁曾社/大分県姫島
『豊前国風土記』逸文の「豊国の比売語曾社」に該当する神社。祭神の比売語曽神=阿加流比売神とされている。

*天之日矛(あめのひぼこ):
後に詳しく述べるが、記紀では新羅の王子として、『播磨国風土記』には神として登場する。
この事から、当然渡来系の氏族が奉じる神である。そして製鉄、製銅の地で祀られたり、話に登場することが多い。
*都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)=天之日矛の別名


蛇足
上信越高速道路で軽井沢と佐久の間のトンネルで、「閼伽流山トンネル」があります。
私は佐久で育ちましたが、小学校の遠足で閼伽流山に登った思い出があり、この神とこの山は何か関係があるかなと調べてみました。
その結果、閼伽流山の麓に百体観音石仏で有名な明泉寺があり、どうやら仏教語の閼伽(あか)にちなんでいるようで、この神とは関係がありませんでした。


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コメント

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四季歩さん、こんにちは

初めて聞いた神様の名前ですが、読ませていただいた限りでは、何で祭られなければならないのか、さっぱりわかりませんでした。単に綺麗だったから、それとも、玉から生まれたから? 菅原道真みたく災いをもたらしからなんて言うのが、最もわかりやすいのですが。

matsumo さん

コメントありがとうございます。
天之日矛を祖先神とする(渡来系)の氏族が
祀ったのでしょうね。
神話と云うのは説話の面もあるので、
瑪瑙などの美しい玉にまつわる話だと思います。
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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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