軻遇突智(かぐつち)神/日本の神々の話

20140820

記紀神話における火の神。
『古事記』では、火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)・火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ;加具土命)と表記される。
『日本書紀』では、軻遇突智(かぐつち)、火産霊(ほむすび)と表記される。

『古事記』-「二神の神生み」の段
 (現代語訳)
-前略-
 次に生んだ神の名は、鳥之石楠船神で、またの名は天鳥船という。次に大宜都比賣神を生んだ。次に火之夜藝速男神を生んだ。またの名は火之炫比古神といい、またの名は火之迦具土神という。この子を生んだために、伊邪那美命は、陰部が焼けて病の床に臥された。そのときの嘔吐から成った神の名は、金山比古神と金山比賣神である。
 次に糞から成った神の名は、波邇夜須比古神と波邇夜須比売神である。次に尿から成った神の名は、彌都波能賣神と和久産巣日神である。この和久産巣日神の子は、豊宇氣比賣神という。そして伊邪那美神は、火の神を生んだのが原因で、ついにお亡くなりになった。

『古事記』-「火神迦具土神」の段
 (現代語訳)
 そこで、伊邪那岐命が仰せられるには、「いとしい私の妻を、ただ一人の子に代えようとは思いもよらなかった」と言って、女神の枕もとに這い臥し、足もとに這い臥して泣き悲しんだとき、その御涙から成り出でた神は、香具山のふもとの丘の上、木の下におられる、名は泣沢女神という神である。そしてお亡くなりになった伊邪那美神は、出雲国と伯耆国との境にある比婆の山に葬り申しあげた。
そこで伊邪那岐命は、腰に佩いておられた十拳剣を抜いて、その子迦具土神の頸を斬られた。するとその御剣の先についた血が、神聖な岩の群れに飛び散って、成り出でた神は石拆野神と根拆野神、次に石筒之男神である。三神 次に御剣の本についた血も、神聖な岩の群れに飛び散って、成り出でた神の名は甕速日神、次に樋速日神、次に建御雷之男神で、この神のまたの名は、建布都神といい、豐布都神ともいう。三神 次に御剣の柄にたまった血が、指の聞から漏れ流れて、成り出でた神の名は、闇淤加美神と闇御津羽神である。
  以上の石拆野神から闇御津羽神まで合わせて八神は、御剣によって成り出でた神である。
 また殺された迦具土神の頭に成り出でた神の名は、正鹿山津見神で、次に胸に成り出でた神の名は、淤縢山津見神、次に腹に成り出でた神の名は、奥山津見神、次に陰部に成り出でた神の名は、闇山津見神である。次に左の手に成り出でた神の名は、志藝山津見神、次に右の手に成り出でた神の名は、羽山津見神、次に左の足に成り出でた神の名は、原山津見神、次に右の足に成り出でた神の名は、戸山津見神である。正鹿山津見神から戸山津見神まで、合わせて八神。 そして伊邪那岐命がお斬りになった太刀の名は、天之尾羽張といい、またの名を伊都之尾羽張という。 


軻遇突智神は、火の神、鍛冶の神として信仰されており、
秋葉山本宮秋葉神社(静岡県浜松市)を始めとする全国の秋葉神社、愛宕神社、野々宮神社(京都市右京区、東京都港区、大阪府堺市ほか全国)などで祀られている。
また、771年(宝亀2年)に創祀されたとされる火男火売神社(大分県別府市)は別府温泉の源である鶴見岳の2つの山頂を火之加具土命、火焼速女命の男女二柱の神として祀り、温泉を恵む神としても信仰されている。

「秋葉原」
江戸にも防火の神様を呼ぼう、ということになり、防火で有名な秋葉神社の「火之迦具土大神」を勧請してもらい、江戸に秋葉神社を立てた。それが地名ともなったのが、現在の電気街「秋葉原」です。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産である、日本最古の神社ともいわれる花の窟(はなのいわや)神社は「御縄掛け神事」で有名ですが、そのお宮のご神体が「伊弉冊尊(イザナミノミコト)」と「軻遇突智尊(カグツチノミコト)」です。
(写真はいずれも花の窟神社HPから)
「御縄掛け神事」
140820kagu01.jpg


ご神体「伊弉冊尊(イザナミノミコト)」
140820kagu02.jpg


ご神体「軻遇突智尊(カグツチノミコト)」
140820kagu03.jpg



狭山市では、中新田の愛宕神社(軻遇突智命)と峰の愛宕神社(火産霊神)に祀られています。


日本の神々記事一覧に飛ぶ



スポンサーサイト

コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

伊邪那美命がお産え亡くなった話、多分、昔からお産で亡くなる人が多いことを象徴しているのでしょうね。4、5世紀でしたら、死亡率は2割は越えていたのではないでしょうか。

秋葉原にあったと言う秋葉神社は、今は台東区松が谷にあり、先日、偶然にそこに行きました。台東区台東4丁目にも秋葉神社があり、私はてっきりそちらの秋葉神社が秋葉原の秋葉神社から移動したのだと思っていましたが、違っているようです。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
お産で亡くなる人が多かったでしょうね。
調べ物をしていると、けっこう奥さんが亡くなっていて、
それがお産のときというのも多いですから。

秋葉原にあったと言う秋葉神社は、まだ行っていないので、
ぜひ行きたいと思っています。
非公開コメント
プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

Pagetop