吾我津比賣命(あがつひめのみこと)/日本の神々の話

20140917

「埼玉縣下 諸社祭神御事厯」では、こう書かれている。
吾我津比賣命は、猿田彦神の御女なり、総國風土記に載せたる伊賀國風土記に、次の如き記事見えたり、いはく『猿田彦神始此之國爲伊勢加佐波夜之國時猿田彦神女吾蛾津媛命天照大御神自天上投降給之金鈴知之守給其知守給之御斎處謂加志之和都賀野今時云手柏野者此其言謬也又此神之依知守國謂吾蛾之郡其後清見原天皇御宇以吾蛾郡分爲國之名後改伊賀吾蛾之音轉也』と見えたり、この神の御事蹟、古史に多く傳へざるを以て、委しきことを知る能はず、[古風土記逸文、日本書紀傳]
これによると伊賀國風土記では「猿田彦神の娘の吾蛾津媛命が、天照大御神が天上から投降した金鈴を知り守っていた」、「吾蛾が転じて伊賀という国名となった」。

注)「が」が「我」だったり「蛾」だったりしているが、これは原文そのままである。

いままで猿田彦神の系図で知っていたのは、「猿女君」と「太田命」であるが、前の話と結びつくのは「太田命」である。
倭姫命が天照大御神の奉斎地を求めて巡っているとき、五十鈴川の後江で、猿田彦神の裔、宇治土公の祖の大田命が現はれ参上したので、「汝が国の名は何そ」と問ふと、「さこくしろ宇遅の国」と申し上げ、御止代の神田を進った。倭姫命が「吉き宮処あるや」と問ふと、「さこくしろ宇遅の五十鈴の河上は、大日本の国の中にも殊勝なる霊地あるなり。その中に、翁三十八万歳の間にも未だ視知らざる霊物あり。照耀くこと日月の如くなり。惟ふに、小縁の物に在らじ。定めて主の出現御坐さむとする時に、『献るべし』と思ひてここに敬ひ祭り申す。」
 これにより彼の処に往き到って、御覧じれば、昔、大神が誓願されて、豊葦原瑞穂国の内の伊勢のかさはや(風早)の国に美し宮処ありと見定められ、天上から投げ降ろされた天の逆太刀・逆桙・金鈴等が、そこにあったので、甚く懐に喜ばれて、言上げされた。
それで、倭姫命はこの地に天照大御神を祀ることにして伊勢神宮となったのである。

「吾我津比賣命」を祀っている神社を知りたくて、ネットで検索かけてみたがまったく引っかかってこなかった。

ここからは、猿田彦神についてちょっと書いておく。
私が一番最初に関心を持ったのがこの神である。
というのは私が今住んでいるところに越してきて産土神社を調べたら白髭神社であり、毎年初詣などをしている。そこの祭神が猿田彦である。
それで調べてみると、とても面白い神なので、歴史講座研究コースのときに文化祭ではこの神について発表した。
なにより人目に触れる神でもある。いろいろな神社の神幸祭などの行列では先導役として鉾を持って姿を現す。

そしていま、2016年が高麗郡建郡1300年にあたるので、色々な企画がある。
白髭神社があるのが高麗郡に限られるということに注目している。
もともと白髭神社は高麗神社とのつながりが強いと云われているが、それならどうして祭神が高麗神社と同じ「白髭明神」ではないのか。
猿田彦神の性格を考えるとうなずける面もある。
「天孫降臨」を「征服」と、あるいは「侵入」と、あるいは「転進」と、あるいは「移住」と捉えるのかは立場によって違うだろう。
猿田彦は国津神であって、天孫降臨してくるのを待っていて道案内した神である。
高麗郡建郡も各所に散らばっていた高麗人を集めて作った。
密度は低かっただろうが、先住民が居たはずである。
その中で、積極的に渡来人と関わって、その技術とか文化を取り入れた人たちが居ただろう。
その人たちが崇める神としては、猿田彦神はうってつけの神様であるなあ、と思っている。


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コメント

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四季歩さん、こんにちは

「諸社祭神御事歴」の著者の「埼玉県神職会」に関して、国会図書館の目録の検索を行うと、埼玉県神職会は埼玉県に関する本、すなわち、地名、神事、獅子、祭礼、神楽、神社等に関する6冊以上の本を出版しているようですね。しかしながら、全てが国会図書館にあるわけではなく、浦和市立図書館、熊谷市立図書館等にあるようです。

さて、伊賀津姫ですが、私も少し、調べてみたところ、以下が神社に関して載っていました。

http://www.genbu.net/data/iga/inoda_title.htm

http://kamnavi.jp/jm/mishaguti.htm

すなわち、

伊賀 伊賀 岡八幡宮摂社尽殿明神「大山祇、伊賀津彦神、伊香津姫神」三重県上野市白樫3638

と書かれていて、どうやら、上野市の岡八幡宮に祭られているようです。

matsumo さん

コメントありがとうございます。
私も、最近いろいろと調べるようになりましたが、
国会図書館に限らず、いろいろな所でデジタル化が
急速に進んでいますね。
ほんとに便利な世の中になりました。

伊賀津姫の情報、ありがとうございました。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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