青沼馬沼押比売神 ( あおぬまぬおしひめのかみ ). /日本の神々の話

20141105

青沼馬野押比売命ともいう。青沼馬野は地名で、押比売は大姫という意味があるという。
『古事記』に登場するのは、「4-5 大国主神の神裔」の段である。
(現代語訳)
 さてこの大国主神が、宗像の沖つ宮に鎮まる神の、多紀理比賣命を妻として生んだ子は、阿遅鉏高日子根(アヂスキタカヒコネノ)神、次に妹の高比賣命で、またの名を下光比賣(シタテルヒメノ)命という。この阿遅鉏高日子根命は、賀茂の大御神といっている。
 大国主神が、また神屋楯比賣(カムヤタテヒメノ)命を妻として生んだ子は、事代主神神である。
(中略)
この神が、葦那陀迦(アシナダカノ)神、またの名は八河江比賣を妻として生んだ子は、速甕之多気佐波夜遅奴美(ハヤミカノタケサハヤヂヌミノ)神である。この神が、天之甕主(アメノミカヌシノ)神の女の前玉比賣(サキタマヒメ)を妻として生んだ子は、甕主日子神である。この神が、淤加美神の女の比那良志比賣(ヒナラシビメ)を妻として生んだ子は、多比理岐志麻流美(タヒリキシマルミノ)神である。この神が、比比羅木之其花麻豆美(ヒヒラギノソノハナマヅミノ)神の女の活玉前玉比賣(イクタマサキタマヒメノ)神を妻として生んだ子は、美呂浪神である。この神が、敷山主神の女の青沼馬沼押比売(アヲヌウマヌオシヒメ)を妻として生んだ子は、布忍富鳥鳴海(ヌノオシトミトリナルミノ)神である。
(以下略)

img748.jpg


これらの家系三神の神名の由来は、よくわかっていないが、山⇒沼⇒海とあるところから、自然における上から下への流れを描いていることはわかります。

余談ですが、美呂浪神の三代前の神の后が前玉比賣である。この神は「さきたま古墳群」の中にある「前玉神社(延喜式内社)」の祭神である。
そして「前玉」から「埼玉」と字が変化して「埼玉県」となっているわけです。
この神裔からわかることは、「さきたま古墳群」を作り上げた豪族は「出雲族系」ということになります
100m前後の大型前方後円墳は、畿内でも大和地方を除くとそう多くなく、山陰、北陸、四国、東海地域ではほとんど築かれず、千葉・埼玉・群馬の関東地方に多いことがわかりました。
つまり古墳時代には、大和地方と関東地方が突出していたようです。

この神を祭神としている神社ですが、
本居宣長の『古事記伝』に、「武蔵国多摩郡の青渭神社に祀られている。」とあります。
その論社は三社あり、参拝して調べてみると、現在は以下のような祭神となっている。
青渭神社(東京都調布市深大寺元町5丁目17−10)は青沼馬沼押比売神を祭神としています。
青渭神社(東京都稲城市東長沼1054)は「青渭神」を祭神としています。
青渭神社(青梅市沢井3-639)は大国主命を祭神としているが、これは明治になってからこの祭神にしたのでは、と思われます。

また「青沼馬野」について本居宣長は、「甲斐国巨摩郡青沼と信濃国佐久郡青沼あり。」としているので、この二つの地域から出た姫の可能性があります。
この地域でも祀られている可能性があります。



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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

ちょうど、古代史の本を読み終わったところですが、そこに、ヤマトには出雲系の神々が多い旨の話が書かれていました。そう言えば、大神神社もどうですし、確かにそうですよね。そもそも、伊勢神宮は遠い遠い伊勢ですし。

広島県、兵庫県、岡山県等、そして、大和、大阪等に大型前方後円墳が多いことを考えると、このような古墳が多いのは出雲系と考えても良いのではと思っています。

matsumo さん

コメントありがとうございます。
いま読んでいる本では、吉備、出雲が
ヤマトを開発し、そうなるとヤマトに地を据えた王権は、
出自の吉備、出雲を疎ましく思うようになり、
これを滅ぼした。
とありましたね。
どうも、こういう考古学は、これからみたいですね。

No title

青沼馬沼押比売神を祀っている神社はなんと言う神社ですか

エメラルドさん

コメントありがとうございます。

この記事を書いた時期には、『古事記』に載っている神として記載していました。
その後分かったこともありましたが、追記していませんでした。

本居宣長の『古事記伝』に、「武蔵国多摩郡の青渭神社に祀られている。」とあります。
その論社は三社あり、現在は以下のような祭神となっている。
青渭神社(東京都調布市深大寺元町5丁目17−10)は青沼馬沼押比売神を祭神としています。
青渭神社(東京都稲城市東長沼1054)は「青渭神」を祭神としています。
青渭神社(青梅市沢井3-639)は大国主命を祭神としているが、これは明治になってからこの祭神にしたのでは、と思われます。

また「青沼馬野」について本居宣長は、「甲斐国巨摩郡青沼と信濃国佐久郡青沼あり。」としているので、この二つの地域から出た姫の可能性があります。
この地域でも祀られている可能性があります。

以上を本文に追記するようにします。
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Author:四季歩
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写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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