静神社(延喜式内社)/茨城県那珂市

20141206

所在地:茨城県那珂市静2

11月28日に関八州式内社めぐりの行事がありました。訪れたのは「静神社」、「稲村神社」、「天之志良波神社」、「薩都神社」、「長幡部神社」、「泉神社(天速玉姫命神社)」です。
私は同窓会の仕事があり参加出来ず、説明担当者の資料と、写真は池田さんが代わりに撮ってきてくれたもので記事にしています。

白い大きな一の鳥居
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社号標
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式内社(名神大社)、常陸国二宮で、旧社格は県社。

創建は不詳。『新編常陸国誌』では大同元年(806年)に創建されたという社伝を載せる。
前述のように当地は倭文部、すなわち文様付の布を織る技術者集団の居住地と見られ、当社はその関係社と見られている。また当社東方には5世紀を中心とした古墳群(新宿古墳群)が残っており、当社との関係性が指摘される。

由緒:
国史では『日本三代実録』仁和元年(885年)5月22日条で、従五位上の神階が叙せられたと見える。『延喜式神名帳』には「常陸国久慈郡 静神社 名神大」と記載され、名神大社に列している。
また鹿島神宮(一宮)、吉田神社(三宮)とともに当社は常陸国の二宮として崇敬されたという。このように崇敬された理由として、遅くとも奈良時代から麻布の使用が庶民に広がったが、常陸国はその特産地であり当社がその生産に関与したためとする考えがある。
中世には佐竹氏が当地を領有し、佐竹貞義によって当社境内に弘願寺・西方寺・静安寺が設けられた。
江戸時代には、慶長7年(1602年)に徳川秀忠から神領150石が寄進された。その後は水戸徳川家の祈願所とされ、維持管理は藩費によってなされたという。寛文7年(1667年)に徳川光圀(水戸第2代)が社殿を修造し弘願寺含め3寺は廃されたが、この際銅印(重要文化財)が発見されている。これにより神仏習合から唯一宗源神道に改められた。以後も徳川氏から崇敬され、徳川綱條(水戸第3代)からは三十六歌仙が奉納され、徳川斉昭(水戸第9代)が天保12年(1841年)の火災で焼失していた社殿を再建した。なお、その火災で燃えた神木の切り株は現在も境内にある。
明治に入り、近代社格制度では県社に列した。

飛鳥時代、蘇我氏との権力抗争に敗れた物部氏の一族のある集団が、ここ常陸の国に落ち延びて来たといわれている。その集団の中に、養蚕と機織の技術と技法を持った秦(波多)氏の親族が居り、この地に養蚕と機織の技術を伝授したそうである。現在でも、織物の祖神として信仰されている。

本殿には国の重要文化財に指定されている社宝の銅印が納められている。水戸藩主徳川光圀公が社殿を修造する時に本殿脇の大きな桧の根本から『静神宮印』とほられた銅印がみつかったことを大層よろこび、黒塗りの箱に納めて社宝として神社に蔵したとされている。

一の鳥居をくぐると広場があり、前方に参道の石段が始まる。
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手水舎
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大正5年造立の、「縣社」の文字が残る旧社号標があった。
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立派な神橋を渡る。
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白い一の鳥居とは対照的な、金属製の二の鳥居
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石段を上がっていく
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神門前まできました。
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神門前には織物の神様らしく、「織姫」の像があります。
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そして万葉歌碑がある。
万葉集 巻20-4372
防人、倭文部可良麿(しとりべのからまろ)の長歌が刻まれています。
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足柄(あしがら)の み坂たまはり 顧(かへり)みず 我(あれ)は越(く)え行く 荒(あら)し男(を)も 立(た)しや憚(はばか)る 不破(ふは)の関(せき) 越(く)えて我(わ)は行く 馬(むま)の蹄(つめ) 筑紫(つくし)の崎に 留(ちまり)居て 我(あれ)は斎(いは)はむ 諸(もろもろ)は 幸(さけ)くと申す 帰り来(く)まてに
(大意) 足柄峠を越える許可を賜り、私は、振り返ることなく峠を越えていく。勇猛な男でも立ち止まって躊躇うであろう不破の関も私は越えて行く。馬の蹄を筑紫の崎にまで進めてそこで留まり、私は潔斎しよう。人々が無事でいてくれと祈るのだ。帰って来るまで。

倭文部可良麿についての確たる伝承はないようですが、彼が常陸国久慈郡(くじのこほり)の出身との説もあり、ここ静神社に歌碑があるようです。

また、歌碑の向かって左横に常陸国風土記の碑があり、「(久慈の)郡の西 □里に静織(しどり)の里がある。昔、綾(しず)を織る機(はた)の使い方を知る人がいなかった時に、この村で初めて織った。それに因んで名づけたもの」という趣旨が記されています。
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狛犬(阿形)
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狛犬(吽形)
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神門前の右には佐竹七福神の一神、恵比寿様があります。
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神門
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神門の神額
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神門を入ると社殿が
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神門を入って右脇に三十六歌仙の写しが掲示されている。
紙本著色三十六歌仙 35枚(絵画) 江戸時代、水戸第3代藩主徳川綱條が宝永2年(1705年)に奉納したもの。天保12年(1841年)の火災で1枚は焼失。昭和37年10月24日指定[10]。
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欠けてしまった一枚のところには、こんな貼り紙が。
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神門には宝物長屋(絵馬堂)が比翼に配されており、奉納絵馬が展示してあります。

これは待乳山楯之亟が奉納した相撲絵馬
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沢山の絵馬が奉納されている。
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当社の使いは白い機織り物が長くのびる様を表した「白蛇」とされているそうで、龍蛇神の絵馬も多い。
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無比流棒術の奉納額
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拝殿
御祭神は建葉槌命
配祀神が手力雄命、高皇産靈命、思兼命
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本殿・拝殿・楼門に代表される社殿は、天保年間(1830年-1844年)に徳川斉昭による再建である。

拝殿から幣殿
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幣殿から本殿
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本殿は神明造です。
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神紋は「丸に桜」
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境内社
桑神社、雷神社など
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元御神木
天保の火災の折に枯れてしまいましたが、当時で樹齢千年という古木で、この木の周囲を千度回る慣習があり、「千度杉」と呼ばれていたそうです。
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これも御神木らしい。
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これは?
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「倭文・・・・・・」
達筆すぎて読めません(汗)
正風とは「高崎正風」のことでしょうか?
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本殿右手に末社の「手接足尾神社(てつぎあしおじんじゃ)」への参道が続きます。
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「手接足尾神社」は昔から手と足腰の安全、健康の守護神としての信仰が厚く、祈願の際に「手差し」や「草履」を供えて願をかける習慣が残っているそうです。
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手足に関する奉納物
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手接足尾神社参道下にあった石祠
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これも手接足尾神社参道下にあった石祠ですが、文政十年建立のもので、何故か逆さまになっている。
どうしてだろうか?
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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

お忙しそうですね。これで、この関八州式内社めぐり、行かれなかったのは2回目だと思いますし。

静神社を含めた佐竹七福神は茨城県北部の広い範囲にあり、自家用車でも6時間位はかかるそうで、私もまわりたいとは思っているのですが、とても実行できそうもありません。と言っても、日輪寺と佐竹寺は坂東33観音で行ったことはあるのですが、その時は七福神はやっていなかったので、撮影はしていませんでしたし。

matsumo さん

コメントありがとうございます。
佐竹七福神はそんなに広い範囲なのですか。
俄然その気になってきました(笑)
各地で七福神をやっているので、キリがない気もしますが、
あると廻りたくなりますよね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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