香用比売神(かがよひめのかみ)/日本の神々の話

20141230

大年神の妃神で光り輝くような美しき神。
大年神は、素戔嗚神と神大市比売(かむおおいちひめ・大山津見神の娘)の間に生まれた神。

『古事記』にてこの神が出てくるのは、「大国主の神」の巻の第7段「大年神の神裔」です。
(読み下し文)
かれ、その大年神、神活須毘神之女、伊怒比賣を娶して生みし子は、大國御魂神、次に韓神、次に曾富理神、次に白日神、次に聖神。五神 また香用比売を娶して生みし子は、大香山戸臣神、次に御年神。二神 また天知迦流美豆比賣を娶して生みし子は、奥津日子神、奥津比売命、亦の名は大戸比売神。こは諸人のもち拝く竈の神なり。次に大山咋神、亦の名は山未之大主神。この神は、近つ淡海国の日枝山に坐し、また葛野の松尾に坐して、鳴鏑を用つ神なり。次に庭津日神、次に阿須波神、次に彼此岐神、次に香山戸臣神、次に羽山戸神、次に庭高津日神、次に大土神、亦の名は土之御祖神。九神。

それによれば、大年神と香用比売神が婚姻されて、大香山戸臣神と御年神の二柱の御子神をもうけられたとある。

 神名の由来について、本居宣長が『古事記伝』で書いていることを紹介しましょう。『古事記伝』の素晴らしさがわかると思います。

香は加賀と讀むべし。【𦾔事紀に、賀用比賣と書るは非なり。そは若シは後に加の字を脱せるにてもあるべし。】香の字を此ノ二音の假字用ひたる例は、伊香色謎ノ命(いかがしこめのみこと)、【書紀孝元ノ巻に見ゆ。此記には伊迦賀色許賣とあり。】伊香色雄(いかがしこを)【又崇神ノ巻に見ゆ。此記には伊迦賀色許男とあり。】これらなり。【香山香坂ノ王(かぐやまかごさかのみこ)などの香ノ字も音を用ひたるにて加(か)-具(ぐ)加(か)-碁(ご)の假字とせり。】さて名ノ義は、容皃(かほ)の美麗(うるはし)きをほめて、光輝(かがや)くと云意か。萬葉六に、加我欲布珠(かがよふたま)、十一に、燈之陰爾(ともしびのかげに)蚊蛾欲布(かがよふ)虚蝉之妹蛾(うつせみのいもが)ヱ状思(まひし)面影爾所見(おもかげにみゆ)、これらかがやくを香用布(かがよふ)とよめり。
又娶(めとる)は、大年神の娶たまふなり。下なるも同じ。

『万葉集』六巻の「かがよふ珠」、同十一巻の「灯(ともしび)の陰に蚊蛾欲布虚蝉(かがよふうつせみ)の妹がえまひし面影に見ゆ」を引用して、容貌の美わしきをほめて光り輝くという意味であろうと解釈している。
つまり神名の香は輝くの意味ではないかと考えられている。
また御子神の大香山戸臣とあるのは、母神の香を受けた神名である。御年神は父神の大年神を受けての神名で、年穀を司る神である。


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コメント

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四季歩さん、こんにちは

ううん、古事記伝に関しては、四季歩さんと見解が異なりますね。私の場合は、古畑氏と同様に文献の解釈に関しては、誤字とか脱字とかに逃げるべきではないと思っています。確かに万葉仮名で書かれており、加えて、中国読みと日本語が混じっているので、色々な解釈があるのでしょうが、まずは、当時の中国の発音に従うのが正しいのではと思います。と言っても、当時の中国の読み方もわからない可能性が高いですが。

matsumo さん

コメントありがとうございます。
古事記編纂の時代は、それまで使用されていた
「やまとことば」に漢字をあてはめたわけですが、
そのころには、南方系(主として中国)、北方系(朝鮮半島から)
から入ってきて、混とんとしていて、また現代でも中国は地域によって
言葉が違う状態ですから、かなり混乱していたと思います。
だから色々な学説が出てきているんですよね。
とりあえず、現在の私は本居宣長に沿って把握して
いきたいです。

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写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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