速開都比売(はやあきつひめ)/日本の神々の話

20150413

神職が祭祀に先立って唱える祝詞である「祓詞」では「伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊祓給ひし時に生り坐せる 祓戸大神等」と言っており、祓戸大神とは、日本神話の神産みの段で黄泉から帰還した伊邪那岐が禊をしたときに化成した神々の総称ということになります。
なお、この時に禍津日神、直毘神、少童三神、住吉三神、三貴子(天照大神・月夜見尊・素戔嗚尊)も誕生しているが、これらは祓戸大神には含めない。

『延喜式』の「六月晦大祓の祝詞」に記されている瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四神を祓戸四神といい、これらを指して祓戸大神と言うこともある。これらの神は葦原中国のあらゆる罪・穢を祓い去る神で、「大祓詞」にはそれぞれの神の役割が記されている。
瀬織津比売(せおりつひめ) -- もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流す
速開都比売(はやあきつひめ) -- 海の底で待ち構えていてもろもろの禍事・罪・穢れを飲み込む
気吹戸主(いぶきどぬし) -- 速開津媛命がもろもろの禍事・罪・穢れを飲み込んだのを確認して根の国・底の国に息吹を放つ
速佐須良比売(はやさすらひめ) -- 根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの禍事・罪・穢れをさすらって失う

『延喜式』の原本(文亀3年(1503)写本⇒江戸城紅葉山文庫⇒内閣文庫⇒国立公文書館蔵)の該当する部分の画像を載せておきましょう。
151004harai01.jpg


151004harai02.jpg


速開都比売を除いてこれらの神の名は『記紀』には見られず、『記紀』のどの神に対応するかについては諸説あるが、上述の伊邪那岐の禊の際に化成した神に当てることが多い。

速開都比売は『古事記』では、「二神の神生み」のところで名前が出てきます。
 伊邪那岐.伊邪那美神は、国を生み終えて、さらに神を生み出した。そして生んだ神の名は、大事忍男神、次に石土毘古神を生み、次に石巣比賣神を生み、次に大戸日別神を生み、次に天之吹男神を生み、次に大屋毘古神を生み、次に風木津別之忍男神を生み、次に海の神の、名は大綿津見神を生み、次に水戸の神の、名は速秋津日子神、次に女神の速秋津比賣神を生んだ。 大事忍男神より秋津比売神まで合わせて十神。
 この速秋津日子・速秋津比売の二神が、河と海を分担して生んだ神の名は、沫那藝神と沫那美神、次に頰那藝神と頰那美神、次に天之水分神と国之水分神、次に天之久比奢母智神と国之久比奢母智神である。 沫那藝神より国之久比奢母智神まで、合わせて八神。
(以下省略)

なお、本居宣長は、『古事記』において伊邪那岐命が「禊祓」をする場面をとりあげて、
瀬織津比売を八十禍津日神(やそまがつひ)に、速開都比売を伊豆能売(いづのめ)に、気吹戸主を神直日神(かむなおび)に当て、速佐須良比売は神名の類似や根の国にいるということから須勢理毘売命(すせりびめ)に当てていますが、当てているだけでその神と同一視されるほどのものではないとしています。

私はこの神に、三峰神社境内祓戸神社と阿伎留神社境内祓戸大神社にてお参りしました。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」って、完全に地名の連続ですね。筑紫は北九州を含めた九州の総称でしょうし、日向は宮崎県、阿波岐原は宮崎市のあるそうですので、おそらく、橘も小戸も地名だと思いますし。

すると、黄泉の国は出雲ではなくて、宮崎県にあったのですね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
黄泉の国の定説は出雲ですね。
神様のことだから、出雲から一足で
宮崎に行ったんでしょうね。
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とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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