波自加弥神(はじかみのかみ)/日本の神々の話

20150530

石川県金沢市花園八幡町にある波自加弥神社の祭神。

この神社は延書式内小社で、社伝によれば祭神は波自加弥神と八幡神とされる。波自加弥とは薑(はじかみ)のことで、生姜・山椒など歯で噛んで辛いもののことである。波自加弥神は調味・医薬の神として祀られている全国唯一の例である。

『古事記』中巻の神武天皇の御東征の条に、長脛彦との戦いに歌った「みつみつし久米の子等が垣下に植えし薑、口ひびく吾は忘れじ、うちてしやまん」(勇ましい久米の人々の、垣根に植えた薑、口がひりひりして恨みを忘れかねる、いざ賊を打ち果たしてしまおう)という歌がある。
この場合の薑は山椒とも解されるが、のちに生姜と併称され、現在ではもっぱら生姜の呼称となっている。生姜は香辛料として広く料理に用いられ、生姜自体も解毒・健胃・貴嘔の薬効があるとして珍重される。生姜酒は風邪薬・痰切りに効目があるとされ、また生姜湯はおろし生姜に砂糖を混ぜて熱湯をさして作られ、発汗剤としても用いられる。

昔の菓子に生姜糖といって、砂糖を固めて生姜の風味を付けたものがあった。今でも、滋賀県の多賀大社や伊勢の皇大神宮では、土産物として生姜糖が売られている。また、新しい生姜は安く、老成の物の方が値が高いのは、植物性の食物のなかでは生姜だけである。

さて波自加弥神社の例祭は六月十五日で、生姜祭りという。江戸時代には、加賀・越前・越中・能登の国々の料理屋は、この日に必ず参詣し、調味の守護神に祈願した。また医者や薬屋も多く参詣したという。
生姜祭りの名の由来は次のように伝えられている。昔この地方が大旱魃に見舞われたとき、国造(現在でいえば県知事)が高松山に籠り、21日目の満行の日、霊水が湧き出して稲は助かったという。土地の者たちは神霊に感謝して、供え物をしようとしたが、長く続いた旱魃のため何もなく、ようやく一籠の生姜を供えることができたという。祭りはこの言い伝えによる。
生姜祭りの直会(祭りの儀式が終わってから、神酒・供物を下げていただく宴会)では、最後に擦り生姜に熱湯を注いだ生姜湯を土器で三回飲み、この土器を社殿前で割って祭りが終わる。



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