将門神(まさかどがみ)/日本の神々の話

20150723

私たちには、東国の武士の先駆けとして、また神田明神の祭神、大手町の首塚の祭神として知られている。

平将門は、平氏の姓を授けられた高望王の三男平良将の子。桓武天皇5世。下総国、常陸国に広がった平氏一族の抗争から、やがては関東諸国を巻き込む争いへと進み、その際に国衙を襲撃して印鑰を奪い、京都の朝廷 朱雀天皇に対抗して「新皇」を自称し、東国の独立を標榜したことによって、遂には朝敵となる。しかし即位後わずか2か月たらずで藤原秀郷、平貞盛らにより討伐された(承平天慶の乱)。

死後は神田明神などに祀られ、武士の発生を示すとの評価もある。合戦においては所領から産出される豊富な馬を利用して騎馬隊を駆使し、反りを持った最初の日本刀を作らせたとも言われる。

関東一円では武芸に優れているばかりでなく、世に受け入れられない者の代弁に努めたという点で、その壮絶で悲劇的な死とも相まって、長い間将門は逸話や伝説として人々に語り継がれてきた。これは、将門が重い負担を強いられ続けた東国の人々の代弁者として捉えられたためだと考えられる。

中世、将門塚(平将門を葬った墳墓)の周辺で天変地異が頻繁に起こり、これを将門の祟りと恐れた当時の民衆を静めるために時宗の遊行僧・真教によって神と祀られ、1309年(延慶2年)には神田明神に合祀されることとなった。
神田明神は戦国時代の太田道灌・北条氏綱等の武将が武運祈願のため崇敬するところとなり、さらに関ヶ原の戦いの際には徳川家康が戦勝祈祷を行った。このようなことから、江戸時代には江戸幕府により平将門を祭る神田明神は江戸総鎮守として重視された。
また、将門の朝敵としての認識は江戸幕府三代将軍徳川家光の時代に、勅使として江戸に下向した大納言烏丸光広が幕府より将門の事績について聞かされ、「将門は朝敵に非ず」との奏上により除かれた。

なお、神田明神は幕府によって江戸城の鬼門にあたる現在地に遷座されたと言われる。これは、徳川氏が朝廷に反逆した将門を将軍居城の鬼門に据えることにより、幕政に朝廷を関与させない決意の現われだという。神田明神の「かんだ」とは首を斬られて殺された将門の胴体、つまり「からだ」が変化したものという説もあるし、坂東市内の胴塚周辺の地名は「神田山(かどやま)」である。

明治維新後は将門は朝廷に戈を向けた朝敵であることが再び問題視され、逆賊として扱われた。そして1874年(明治7年)には教部省の指示により神田明神の祭神から外され、将門神社に遷座されてしまう。一方で明治時代後期になると阪谷芳郎や織田完之らによる将門復権運動が行われた。
第二次世界大戦終結後、皇室批判へのタブーがなくなると、朝廷の横暴な支配に敢然と立ち向かい、新皇に即位して新たな時代を切り開いた英雄として扱われることが多くなった。そして、1976年(昭和51年)には将門を主人公としたNHK大河ドラマ『風と雲と虹と』が放映されるに及んで、将門の祭神復帰への機運が高まり、ついに1984年(昭和59年)になって、平将門神は再度、神田明神に合祀されている。

将門のさらし首は関東を目指して空高く飛び去ったとも伝えられ、途中で力尽きて地上に落下したともいう。この将門の首に関連して、各地に首塚伝承が出来上がった。最も著名なのが東京千代田区大手町の平将門の首塚である。この首塚には移転などの企画があると事故が起こるとされ、現在でも畏怖の念を集めている。

大手町にある「将門首塚」
この写真には写ってないが、まわりに蛙の置物が多い。首が飛んで帰ったことから「帰りたい」などの願いで奉納されたもの。
150723masa01.jpg


神田明神
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今年(2015年)の神田祭りの際に公開された、「将門公尊像」
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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

なるほど、将門が神田明神に再合祀されたのは1984年だったのですか! 全く知りませんでした。そう言えば、数年前だったか、神田明神にて、初めて、将門の神輿と神田明神の神輿が同時に渡御するとのことで、撮影に行ったことを思い出しました。その時は、ううん、何で初めてなのと不思議に思いましたが、そのような事情があったのですね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
私は、平将門が大好きなんですが、
意外と多いようですね、ファンが。
将門塚は、ずいぶんと人気で、
次々にお参りに来てますね。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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