御倉板拳之神(みくらたなのかみ)/日本の神々の話

20160131

『古事記』において、伊邪那岐命が黄泉の国より帰ってきて禊祓をして、最後に「三貴子」を生んで喜んでいる場面で登場する神である。
(現代語訳)
 このとき、伊邪那岐命はたいそう喜んで仰せられるには、「私は子を次々に生んで、最後に三柱の貴い子を得た」と仰せられて、ただちに御首の首飾りの玉の緒を、ゆらゆらと揺り鳴らしながら、天照大御神にお授けになって仰せられるには、「あなたは高天原をお治めなさい」と御委任になった。それでその御首飾りの珠の名を御倉板拳之神という。次に月読命に仰せられるには、「あなたは夜の世界をお治めなさい」と御委任になった。次に建速須佐之男命に仰せられるには、「あなたは海原をお治めなさい」と御委任になった。

「御倉板拳之神」の名が、御首飾りの珠の名の別名である。
本居宣長は『古事記伝』にて「御祖神の賜いし重き御宝として天照大神の御倉に蔵め、その棚の上に安置奉りて崇き祭りたまいし名なるべし」と言い、板拳とは「板を高く架挙て物置く所に構うる故に如此書けるならむ」とも説いている。

古事記の原文には、御倉板拳之神のところで、【訓板擧云多那】と注釈が書かれています。
「板挙」の字は、【訓板擧云多那】と断り書きを入れて、「多那・タナ」と読んでくださいと注釈が入れてあります。
本居宣長の『古事記伝』(活字版)からこの部分を載せておきます。(3行目から4行目)
160131kojikia.jpg


「珠」というと、三種の神器の一つ「八尺瓊勾玉」を連想しますが、
「八尺瓊勾玉」のほうは、岩戸隠れの際に後に玉造連の祖神となる玉祖命が作り、八咫鏡とともに太玉命が捧げ持つ榊の木に掛けられ、後に天孫降臨に際して瓊瓊杵尊に授けられたものです。
だから、「御倉板拳之神」の名で呼ばれる「珠」のほうは、相変わらず高天原で天照大御神の御倉に置かれているのだと思います。


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