高負比古根命(たかおひこねのみこと)/日本の神々の話

20160325

吉見町にある式内社「高負比古根神社」に参拝したときに知った神。

現在の祭神は味耜高彦根尊(あじすきたかひこねのみこと)と大己貴尊(おおなむちのみこと)となっているが、この神社のことを調べているときに、次の伝説があることを知った。

 むかしこの地方(比企郡吉見町)には鬼が住み、鬼の毒気により市野川の水も飲むことができなかった。里人たちは川辺の楡の木の下に集まって相談をしたが、良い考へも浮かばずに解散した。一人の若者がそのまま木の下に残って市野川の流れを見てゐると、美しい娘が声をかけ、一掬ひの水を求めた。若者が毒の水だから飲めないと事情を告げると、娘は、里人のために清い水にしてみせませうといって、剣を若者に授けて、自分は市野川に飛びこんだ。すると川底から不思議な石が現はれて霊気を発し、たちまち澄んだ清らかな水となったといふ。若者は剣で鬼を退治した。娘は岩室の観音様の化身といひ、若者の名は高負彦根命で、高負比古根神社に祀られてゐる。
(藤沢衛彦『北武蔵の伝説』)

高負比古根神社の鎮座する田甲集落は『倭名抄』に載る横見郡高生(タケフ)郷に比定されて、田甲(タコウ)はタケフがタキョウになり、タカオ、タコウと転訛していったものだろう。
「たかおひこ」は「たかおの男。「ね」は「もと。根源。物事の始まるもととなる所。」


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

吉見町の辺りって、昔は銅が採れたようですね。もしかして、それによる鉱毒と水が悪いと言う話、関係があるのではと思いました。


matsumoさん

コメントありがとうございます。
吉見町というのは、狭い地域に式内社が
三社もあったりして、不思議なところです。

現在では、とうてい理解できないような
栄え方をしていたと思われます。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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