御毛沼命(みけぬのみこと)/日本の神々の話

20160414

『古事記』では「御毛沼命(みけぬのみこと)」、『日本書紀』では「三毛入野命」や「三毛野命」・「稚三毛野命」と表記される。
神武天皇(初代天皇)の兄である。
『古事記』で「火遠理命」の巻、「鵜葺草葺不合命の生誕」の段:
海神の娘、豊玉毘売命がにわかに産気つき波打ち際で萱を葺いただけの産屋でお産をするが、火遠理命が覗いたところ、ワニの姿でお産をしていた。それを見られた豊玉毘売命は恥じて帰ってしまう。
生まれたのが天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命である。
火遠理命が豊玉毘売命を偲んで悲しんでいると、豊玉毘売命は玉依毘売を送ってくる。

この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命、その姥玉依毘売命を娶して、生みし御子の名は、五瀬命、次に稲氷命、次に御毛沼命、次に若御毛沼命、亦の名は豊御毛沼命、亦の名は神倭伊波礼毘古命。
かれ御毛沼命は、彼の穂を跳みて常世国に渡りまし稲氷命は妣の国として海原に入りましき。

ここで、神倭伊波礼毘古命が神武天皇である。

『日本書紀』神武即位前紀では、もうちょっと詳しく書かれていて、
兄弟とともに神武東征に従うが熊野に進んで行くときに暴風に遭い、御毛沼命は「母も叔母も海神であるのに、どうして我々は波によって進軍を阻まれなければならないのか」と言って、波頭を踏み、常世に行ったとしている。

また、宮崎県高千穂町の伝承では、三毛入野命(御毛沼命)は常世に渡ったのではなく、兄弟たちからはぐれてしまったので、出発地の高千穂に帰還したとする。高千穂には「鬼八(きはち)」という悪神がいて、人々を苦しめていたので、三毛入野命はこれを退治し高千穂の地を治めたと伝えている。三毛入野命は高千穂神社の祭神であり、その妻子神とあわせて「十社大明神」と称されている。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

常世国って、確か、スクナビコナが大国主と共に国を作ってから、常世国へ渡り去ってしまったと書かれていた所ですよね。大国主が出雲に住んでいたとしたら、スクナビコは朝鮮から来て朝鮮に帰ったと考えるのが最も単純な考えですが、どうやら、常世国は「壱岐」のことを言っているようです。と言うのは、「壱岐風土記の逸文」に「常世の塚あり」と記されているそうですので。壱岐だとしたら、御毛沼命が波頭を踏んで行ったと言うのも理解できますし。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
確かに、スクナビコナの場合は「海の彼方の国」という
イメージですね。
一方御毛沼命の場合は、常世の国=死の国という
イメージになります。
他にも常世の国に渡ったと記されている場合があり、
また違ったイメージもあるので、
かなり重層的な意味に使われているようです。
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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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