神産巣日神(かみむすびのかみ)/日本の神々の話

20160425

私がお参りしたのは、狭山市三柱神社の祭神として、出雲大社摂社・命主社の祭神として、出雲大社御客座神として。

『古事記』では神産巣日神、『日本書紀』では神皇産霊尊、『出雲国風土記』では神魂命と書かれる。

天地開闢の時、天御中主神・高皇産霊神の次に高天原に出現し、造化三神の一柱とされる。本来は性のない独神であるが、造化三神の中でこの神だけが女神であるともされる。また、『先代旧事本紀』においては、高皇産霊神の子であるとも言われる。

「産霊」は生産・生成を意味する言葉で、高皇産霊神とともに「創造」を神格化した神であり、高皇産霊神と対になって男女の「むすび」を象徴する神でもあると考えられる。

高御産巣日神が天孫降臨神話等、天照大御神を中心とした「高天原系の神話伝承」に多く登場し、 神産巣日神は、須佐之男命、大国主神を中心とした「出雲系の神話伝承」に天神として数多く登場するのが特徴。
従って、高御産巣日神は高天原系(皇室系)、神産巣日神が出雲系の神であると思われる。

『出雲風土記』では神魂命として登場し、出雲の神々の母とも言われている。

『古事記』でどのように登場するかというと、
「農業の起源」
建速須佐之男命が食物の神である大宜都比売を斬り殺した後、大宜都比売の頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれたので、神産巣日神がそれらをとって地上に蒔いた。

「因幡の白兎」
因幡の白兎の物語の後、大穴牟遅神(大国主命)は八十神に殺される。それを知った大穴牟遅神のお母さんはひどく悲しみ、神産巣日神に「息子を生き返らせてほしい」とお願いに行く。神産巣日神は蚶貝姫と蛤貝姫を遣わし、大穴牟遅神を治療、蘇生させる。

「大国主命の国造り」
大国主命が国造りに悩んで、岬でぼーっとしていると、少名毘古那が登場。神産巣日神の息子だと知った大国主命は神産巣日神に会いに行く。すると、少名毘古那が国造りを手伝ってくれることになる。

日本書紀では「大国主命の国譲り」の際、神産巣日神が出雲大社の造営も手伝ったという書もある。
神産巣日神が自ら出雲の神々を招集し、自分が住む高天原の神殿を参考にして出雲大社を建設した。

戸矢学氏が『縄文の神』で書いている解釈を載せておく。
さてそれでは本来の「ムスヒ」とは何か。
「苔生す」などの用例もあるように、芽生える、発生するという「産生」 の意味から、タカミムスヒは天岩戸開きを指示して夜明けをもたらし、またカミムスヒはオオナムヂを生き返らせたことから「蘇生」 の意味にまで至る。すなわち、万物の生成発展に寄与する力であり、神道の根元思想である。
ムスヒ神もアマテラス神も、ともに 「ヒ」 の信仰であることは言うまでもないが、アマテラスがあくまでも太陽の恵みを体現する 「日」あるいは「火」 であるのに対して、ムスヒはそれとは次元の異なる 「靈 (霊)」 によっている。これは「精霊」 のことであって、自然崇拝の本質であろう。
ちなみに、霊の旧字である 「靈」は、元々の漢字の成り立ちとしては雨乞いを意味する。「靈」という文字の象形は、地上で巫女が祈り、降り注ぐ雨を三つの器(多数の器) で受ける様子を表している。後に、神霊を降下させることそのものをもいうようになり、わが国では当初よりその意味で用いられた。
「ムスヒ (産巣日、産霊など)」が神名に含まれる神は、ムスヒの働きをする神々のことであり、神々の大本となる原初の神である。
皇居内の宮中三殿(賢所、皇霊殿、神殿) の神殿には天神地祇および天皇守護の八神が祀られているが、八神のうち五神は「ムスヒ神」である。



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