前玉彦命(速甕之多気佐波夜遅奴美神)・前玉比売命/日本の神々の話

20160724

さきたま古墳群にある延喜式内社「前玉(さきたま)神社の祭神が、前玉彦命(さきたまひこのみこと)と前玉比売命(さきたまひめのみこと)であり、私は前玉神社で、両神に参拝している。

この両神は、『古事記』の「大國主神」の巻、「大國主神の神裔」の段に登場している。
(読み下し文)
 かれこの大国主神、胸形の奥つ宮に坐す神、多紀理比賣命を娶(めと)して生みし子は、阿遅鉏高日子根神、次に妹高比賣命。亦の名は下光比賣命。この阿遅鉏高日子根神は、今、迦毛の大御神といふぞ。
大国主神、また神屋楯比賣命を娶して生みし子は、事代主神。また八嶋牟遅能神の女、鳥耳神を娶して生みし子は、鳥鳴海神。この神、日名照額田毘道男伊許知邇神を娶して生みし子は、國忍富神。この神、葦那陀迦神、亦の名は八河江比賣を娶して生みし子は、速甕之多気佐波夜遅奴美神。この神、天之甕主神の女、前玉比賣を娶して生みし子は、甕主日子神。この神、淤加美神の女、比那良志比賣を娶して生みし子は、多比理岐志麻流美神。この神、比比羅木之其花麻豆美神の女、活玉前玉比賣神を娶して生みし子は、美呂浪神。この神、敷山主神の女、青沼馬沼押比売を娶して生みし子は、布忍富鳥鳴海神。この神、若晝女神を娶して生みし子は、天日腹大科度美神。この神、天狭霧神の女、遠津待根神を娶して生みし子は、遠津山岬多良斯神。
右の件の八嶋牟遅能神以下、遠津山岬多良斯神以前を、十七世の神と称す。

分かりにくいので、前玉比賣までを抽出すると以下のようになる。
大国主神が八嶋牟遅能神の女、鳥耳神を娶して生みし子⇒鳥鳴海神
二代目鳥鳴海神が日名照額田毘道男伊許知邇神を娶して生みし子⇒國忍富神
三代目國忍富神が(葦那陀迦神、亦の名は八河江比賣)を娶して生みし子⇒速甕之多気佐波夜遅奴美神
四代目速甕之多気佐波夜遅奴美神が天之甕主神の女、前玉比賣を娶して生みし子⇒五代目甕主日子神。

なので前玉神社の祭神「前玉彦命」は、イコール速甕之多気佐波夜遅奴美神(ハヤノミカノタケサハヤヂヌミノカミ)ということになります。

前玉彦命(速甕之多気佐波夜遅奴美神)は大国主神直系四代目ということです。

ここで「甕(みか)」とは「酒や水を入れる大がめ」の意味なので、食糧貯蔵に関わる意が含まれた神といえる。

前玉比売命の父親「天之甕主神」ですが、『古事記伝』にて本居宣長は「こは何となき名なり」と述べたきりです。
「甕(みか)」そのまんま、という意なのか。現在ネットで検索しても全く何も引っかかってこないところを見ると、本居宣長以後何も追加はされていないとみられます。

同じく、本居宣長は『古事記伝』にて、「前玉比賣」については、次のように述べている。
「名の義、書紀に所謂幸魂の意か。又幸をなす徳ある寶の玉の意にもあらむ。敏達紀に幸玉ノ宮、式(延喜式)に伊豆國賀茂郡佐伎多麻比咩命神社、また武蔵國埼玉郡前玉神社二座あり。」
「前玉」は「幸魂」であろう、と。
同じ神が伊豆國賀茂郡の「佐伎多麻比咩命神社」にも祀られていることがわかる。


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