伊香津臣命(いかつおみのみこと)・中臣烏賊津使主(なかとみのいかつのおみ)・雷大臣命(いかつちおおおみのみこと)/日本の神々の話

20160817

「近江国風土記逸文」に、伊香津臣命・烏賊津使主(いかつおみ)、伊香刀美・雷大臣命とも書く。

中臣氏の祖、伊香津臣命(いかつおみ)には、臣知人命(おみしるひとのみこと・意美志留)、梨迹臣(なしとみ・那志等美)、伊世理命(いぜりのみこと)、伊是理媛(いぜりひめ)、奈是理媛(なぜりひめ)、という五人の子がある。
672年に伊香姓を賜姓した近江、伊香氏の元祖は、 臣知人(おみしるひとのみこと・意美志留)といいます。
この筋が伊香具神社社家となります。
景初二年、最初の遣使になったのが、次男の梨迹臣である。この後裔が中臣氏、鹿嶋氏などを輩出する。

中臣烏賊津使主は意美佐夜麻命の子。天児屋根命十四世孫、あるいは五世孫。神功皇后の審神者。中臣氏の祖。
仲哀天皇に仕え、天皇が崩じると、神功皇后は烏賊津使主、大三輪大友主君、物部膽咋連、大伴武以連の四人の大夫に詔して喪を秘して百寮を率いさせ、 天皇の屍をおさめ、武内宿禰に奉侍させて海路より穴門に遷らせた。
烏賊津使主は、後に皇后の勅を受けて百済に使いし、百済の女を娶り一男を生んだ。
允恭天皇の時、烏賊津使主は天皇の命令を受けて衣通姫を迎える使者になり、 熱心に頼んで姫を天皇の后とするのに成功した。
神功皇后が新羅を征した時、軍に従ひ勲功ありて、 凱還の後、対馬県主となり豆酘に館をかまえ、韓邦の入貢を掌り 祝官をして祭祀の礼を教え太古の亀卜の術を伝えたという。

伊香津臣命は、中臣連の祖で、伊香郡の有力豪族・伊香連の祖でもあります。
その子は、前者は『姓氏録』左京神別上にある中臣氏族伊香連の祖、臣知人命(おみしるひとのみこと)、後者は『尊卑分脈』藤原系図にある中臣連の祖、梨迹臣命(なしとみのみこと)であり、伊香氏は中臣氏と兄弟氏族にあたるという伝承を持っていたようです。

また、伊香氏については、物部氏の祖の伊香色雄命に名称が類似する点や、伊香郡内に物部の地名が残る点などから、物部氏との近縁性を指摘する説があります。
吉田東伍氏は、伊香の地名を河内国茨田郡伊香郷に由来する、物部氏の勢力扶植の結果と見ました。
太田亮氏も本来は物部氏の同族だったものが、中臣氏へ変化したものとしています。
現在でも、大橋信弥氏が、「もともと物部連氏の配下として、物部氏と結託関係を結んでいた伊香連氏は、物部氏本宗の没落後、中臣氏に近づいたもの」としている。

『延喜式』神名帳の近江国伊香郡に「伊香具神社」がある。余呉の湖の近くで、その祭神が伊香津臣命。そして余呉の湖の周囲に式内社「乎彌(おみ)神社があり、その祭神が巨知人命である。更に同じく式内社の「乃彌(のみ)神社があり、その祭神が梨津臣命。
この三柱の神は、有名な余呉の湖の羽衣伝説と結びついている。
『近江国風土記』逸文によると:
古老(ふるおきな)の傅へて曰へらく、近江の國伊香(いかご)の郡。與胡(よご)の郷。伊香の小江。郷の南にあり。天の八女、倶(とも)に白鳥と為りて、天より降りて、江の南の津に浴(かはあ)みき。時に、伊香刀美(いかとみ)、西の山にありて遙かに白鳥を見るに、其の形奇異(あや)し。因りて若し是れ神人かと疑ひて、往きて見るに、實に是れ神人なりき。ここに、伊香刀美、即(やが)て感愛(めづるこころ)を生(おこ)して得還り去らず。竊(ひそ)かに白き犬を遣りて、天羽衣を盗み取らしむるに、弟(いろと)の衣を得て隱しき。天女、乃(すなは)ち知(さと)りて、其の兄(いろね)七人(ななたり)は天井に飛び昇るに、其の弟一人は得飛び去らず。天路(あまぢ)永く塞して、即ち地民(くにつひと)と為りき。天女の浴みし浦を、今、神の浦と謂ふ、是なり。伊香刀美、天女の弟女と共に室家(をとひめ)と為りて此處に居(す)み、遂に男女を生みき。男二たり女二たりなり。兄の名は意美志留(おみしる)、弟の名は那志登美(なしとみ)、女は伊是理比咩(いぜりひめ)、次の名は奈是理比賣(なぜりひめ)、此は伊香連等が先祖(とほつおや)、是なり。後に母(いろは)、即ち天羽衣を捜し取り、着て天に昇りき。伊香刀美、獨り空しき床を守りて、唫詠(ながめ)すること断(や)まざりき。

わかりやすく書くと:
 余呉の郷の湖に、たくさんの天女が白鳥の姿となって天より降り、湖の南の岸辺で水遊びをした。
それを見た伊香刀美は天女に恋心を抱き、白い犬に羽衣を一つ、盗み取らせた。
 天女は異変に気づいて天に飛び去ったが、最後の若い天女の一人は、羽衣がないため飛び立てない。
地上の人間となった天女は、伊香刀美の妻となり、4人の子供を産んだ。
兄の名は意美志留(おみしる)、弟の名は那志刀美(なしとみ)、姉娘は伊是理比咩(いざりひめ)、妹娘は奈是理比咩(なぜりひめ)。
これが伊香連の(伊香郡を開拓した豪族)の先祖である。
のちに天女である母は、羽衣を見つけて身にまとい、天に昇った。
妻を失った伊香刀美は、寂しくため息をつき続けたという。

そして、伊香刀美は伊香津臣命と、意美志留は巨知人命と、那志刀美は梨津臣命と同人とされている。


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