坂戸天物部命(さかとのあめのもののべのみこと)/日本の神々の話

20161224

『先代旧事本紀』、『但馬故事記』では、瓊々杵尊の天孫降臨に先だって、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天津国より天降っているが、そのとき随行した神である。

『但馬故事記』では、このように書かれている。
「天照国照彦櫛玉饒速日天火明命は、天照大神の勅を奉じ、外祖高皇産霊神より十種瑞宝(奥津鏡・辺津鏡・八握剣・生玉・死去玉・足玉・道反玉・蛇比礼・蜂比礼・品物比礼)を授かり、妃天道姫命と与(とも)に、坂戸天物部命・二田天物部命・嶋戸天物部命・両槻天物部命・垂樋天物部命・天磐船長命・天船山命・天楫取部命・稲年饒穂命・長饒穂命・佐久津彦命・佐々宇良毘売命・佐々宇良毘古命・佐伎津彦命等を率い、天磐船に乗り真名井原に降り、豊受姫命より五穀蚕桑の種子を穫て射狭那子獄に就き、真名井を堀り、稲の水種や麦菽黍粟の陸種を為べくこれを国の長田・狭田に植え昼夜生井・栄井の水を灌ぐ。すなわち、其の秋瑞穂の稲の可美稲野面に充ち狭し。
(以下略)

このときの饒速日命の巡回コースは以下のようなものであったらしい。
「田庭の比地真名井原(丹波国与謝郡)-但馬国美伊(美方郡香美町香住区三川)-小田井(豊岡市小田井)-佐々前(豊岡市日高町佐田)-屋岡(養父市八鹿町八鹿)-比地(朝来市和田山町比治)-田庭津国(丹波)-河内国いかるが峰」

「坂戸(さかと)」は造姓であり、『「旧」天神本紀』に五部造のひとつとしてみえ、饒速日命の天降りに際しては伴領となって天物部を率い供奉したという。
ウヂ名の坂戸は、河内国古市郡尺度(さかと)郷の地名にちなむ。
坂戸物部を管掌する伴造と見られる。
「坂戸物部 (さかとのもののべ) 」は、河内国古市郡尺度郷が本拠地と見られ、『「旧」天神本紀』に二十五部のひとつとして酒人物部(須尺物部とするは誤り)がみえ、饒速日命が天降ったときの従者・坂戸天物部の後裔。

よって、河内国古市郡尺度(さかと)郷に住む、饒速日命を奉じる氏族の祖先神ということであろう。



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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

なるほど、古事記や日本書記、そして、5つの日本風土記以外に、「先代旧事本紀」、「但馬故事記」と言う歴史書も残っていたのですね。それも、古事記や日本書紀と大分、内容が異なっているようですね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
古事記を編纂しようとして、天武天皇が云ったように、
その時点では、色々な伝承があり、大和朝廷から見て
「誤っている伝承が多い」と言っているわけです。
「先代旧事本紀」については、偽書だと主張する人も居ます。
しかし、物部氏の祖神である饒速日尊(にぎはやひのみこと)
に関する独自の記述が特に多くて、私には貴重だと
思っています。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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