白髪(しらかみ)神社(延喜式内論社)/埼玉県熊谷市

20170206

鎮座地:埼玉県熊谷市妻沼字女体1038
参拝日:2017年1月28日

社号標
式内論社 武蔵國播羅郡 白髪神社、旧無格社
170206shiraga01.jpg


利根川の南岸、407号線の東の畑の中に、ポツンとある木立の中にある小さな社。
社前の鳥居の左右に石柱があり、左には「高岡稲荷神社」、右には「式内白髪神社」とある。
170206shiraga02.jpg


まず、「白髪神社」の読みであるが、「しらひげ」と読んでいる方が多い。これは他に「白鬚(しらひげ)神社」が多いせいであろう。
ご祭神が「白髮大倭根子命(しらかのおおやまとねこのみこと)」なので、念のため『延喜式神名帳』を確認したら、「しらかみ」とルビが振ってあった。
170206shiraga03.jpg


「白髪神社」の故地として妻沼聖天山歓喜院が挙がっているが、それは下記のような理由である。
『妻沼町史』によると、「…社殿の伝によれば、往古は白髪神社にして、延喜式に載する所の古社也。別当実盛信仰し、治承に至り、越前国金ヶ崎城より聖天宮を当社に持来り合祀す、故に社名を聖天宮と申し奉る。後に白髪神社は別に祠を建て尊を奉ぜりという」(『武乾記』という文献の引用)として、聖天院=白髪神社説をとっている。そして、「いつの時代にか、白髪神社を尊敬していた人達が、高岡稲荷大明神(現白髪神社)の祠に併祀して、今日に伝承した」と述べている。

治承三年(一一七九)、年齢も古希になった斎藤実盛は、幼少の頃から自己を護ってくれた、守り本尊の歓喜天を何処かに奉祀しようと思い立ち、芝川がめぐり木立が鬱蒼と繁る、大我井の杜が適所と考え、ここにあった古社を修復し、あらたに社殿を造営。大聖歓喜天を奉祀、「聖天宮」と奉称し、戦場で散った多くの将兵の御霊を慰めるとともに、庄内の平和と領民の安泰と繁栄を祈願するため、長井庄の総鎮守とした。
ここで「古社」というのは「白髪神社」のことであり、白髪神社と聖天院の神仏混合でずっと祀られてきた。

そして、慶応4年(1868)9月、神仏分離の布達に際し、住僧と神職の争いが起りました。
当宮に奉仕する彌宜職の三人(田島河内・堀越大和・橋上宮内)は、密議を交して村役人に相談もせず、京都及び東京の裁判所に願い出て聖天宮を神宮の掌中に獲得しようと謀った。そのため時の住僧稲村英隆は入獄の難を受けたが、氏子一般民は寺院側に加担する者多く、神職側に不利が生じて止むなく時の判事の斡旋により、当時の聖天境内十二町九反余を二分し、七町九段余は聖天宮境域とし、残り五町余は大我井神社社地となし、「如絵図面、宿井往來可爲境事」と定めた。

よって、大我井神社をもって白髪神社の論社とする見方があり、それはうなずけるところです。
しかし、大我井神社もまた「二柱神社」としていた経過もあり、「大我井神社」という社名になったのは、なにか別の影響もあったと推定されます。
別の動きとして、高岡稲荷に白髪神社が合祀されたということもあったのでしょう。

もう一方に立つ、高岡稲荷神社の社号標。
170206shiraga04.jpg


鳥居が赤いのは、高岡稲荷神社のものだからでしょう。
170206shiraga05.jpg


社殿
170206shiraga06.jpg


170206shiraga07.jpg


社殿内部
170206shiraga08.jpg


御祭神:白髮大倭根子命(しらかのおおやまとねこのみこと=清寧天皇)
配祀: 天鈿女命 猿田彦命 倉稻魂命、合祀: 須佐男之命

白髮大倭根子命は『古事記』に記載されている名で、『日本書紀』では白髪武広国押稚日本根子天皇(しらかのたけひろくにおしわかやまとねこのすめらみこと)である。
雄略天皇を父とし、母は葛城円大臣(かずらきのつぶらのおおおみ)の娘韓媛。
御名の「白髪皇子」の通り、生来白髪であったため、父帝の雄略天皇は霊異を感じて皇太子としたという。
雄略天皇23年8月、雄略天皇崩御。吉備氏の母を持つ星川稚宮皇子が大蔵を占拠し、権勢を楯にしたため、大伴室屋・東漢直掬らにこれを焼き殺させる。翌年正月に即位。
皇子がいなかったことを気に病んでいたが、清寧天皇2年、市辺押磐皇子の子である億計王(後の仁賢天皇)・弘計王(後の顕宗天皇)の兄弟を播磨で発見したとの情報を得、勅使を立てて明石に迎えさせる。翌年2王を宮中に迎え入れ、億計王を東宮に、弘計王を皇子とした。
5年正月に崩御した。『水鏡』に41歳、『神皇正統記』に39歳という。

狭い境内を見て回ったが、他には不明の境内社が二社あるのみだった。
170206shiraga09.jpg




神社巡拝記事一覧に飛ぶ



スポンサーサイト

コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

「白髭」と「白髪」ですか、人間の目って、つい、普段よく見るものを認識してしまうので、見間違うことって、よくありますよね。そう言えば、似た名前で、京都の嵯峨野のトロッコ嵐山駅近くの「御髪神社」があるのを思い出しました。

この白髪神社と同じような建物の神社って、時々、見かけますが、やはり、普通の神社の建物の方が好きです。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
今でこそ、大きな利根川の堤防の下にありますが、
昔はしょっちゅう利根川が氾濫して流された
と思います。
大きな川の傍の神社は、由緒ある立派な
神社は別として、かなり荒んだ感じのものが
多いです。
非公開コメント
プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

Pagetop