奈良刀自神(ならとじのかみ)/日本の神々

20170615

この神は記紀などの神話には登場しない。
賀茂別雷神社(上賀茂神社)の摂社である「奈良神社」のご祭神である。

賀茂別雷神社の贄殿北神饌所(神前に供える神饌を調理する建物)があり、奈良神社の拝殿は贄殿北神饌所にくっつき、本殿はそれに隣接して建っている。
社名は祭神の奈良刀自神からきている。

國學院大學名誉教授・田中宣一氏の「鳥勧請および御鳥喰神事-祭祀の成立と雑神の祀りにかかわらせて」という論文が公開されているが、その中で
「たとえば、京都市の賀茂別雷神社(上賀茂) の例祭賀茂祭(いわゆる葵祭り) のとき、本殿の賀茂別雷大神への献饌に先だって、早朝に、境内摂社の一つである奈良社に神饌が供えられている。奈良社は奈良刀自神を祀るとされているが、奈良刀自神の性格はもうひと.つさだかではない。この奈良社に、権禰宜が檜製の四角い掻器と呼ばれる器に強飯二升を盛って参り、閉じられている門の外から長い柄を持って掻器を差し人れるようにして供え、そのあとすぐ撒下している。そしてこの神饌は、散飯(さば)と称されているのである。神の性格の曖昧さ、献饌法の奇妙さ、供物の呼称の異常さなどから、この奈良刀自神はどう考えても尋常ならざる神だと言わざるをえない。賀茂祭においてこういう不思議な神にまず献饌のなされていることは、祭りの構成上注目に値することといえよう。」
と述べている。

その他に見つかった記事としては、
「古代、神饌は楢の葉に乗せて配膳されていたことから、楢が奈良となり神饌を司る神として祀られたと考えられているそうです。
刀自(とじ、とうじ)とは、宮中の台所などで調理を勤めた女官であり、飲食の神ではないか。」

「奈良刀自神は「ならの小川」の女神であり(「刀自」は女主人の意)、水の力による祓えを担当していたとみられ、 往古の神饌所に隣接していたということは、神饌を清める役割を果たしていたのだろう。」

これらを総合すると、神に神饌を供えるという基本中の基本の神事を浄める、あるいは管理する、重要な神だということであろう。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

刀自と言えば、すぐに思いつくのは聖徳太子の妃になった「刀自古郎女」ですね。刀自と言う言葉、結構、使われていたのではと思います。

でも、「閉じられている門の外から長い柄を持って掻器を差し人れる」と言うことは、何だか、人質あるいは監禁している人に食物を与えると言う感じがします。ううん、奈良にいた征服された神様ではないでしょうか。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
調理をする建物にくっつけて置かれている
わけですからね。
恨みを持つ神をそこに置くのは
危険すぎますね(笑)
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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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