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青面金剛庚申塔/狭山市・南入曽

20171026

所在地:埼玉県狭山市南入曽449付近

通称「水野の庚申塔」、入曽駅から県道に出る道路が2本あるが、その右側の道沿いにある。
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天明2年(1782)に造立されたものが2基あり、この庚申塔と南入曽金剛院の境内にあるものである。いずれも、金剛院の法印寛慶が造立に関与していて、青面金剛庚は六臂と四臂の違いはあるが、「二邪鬼を踏み二童子を従えている」のはこの二基だけである。

銘文詳細
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右の銘文
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左の銘文
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 側面に刻まれた銘文から、天明2年(1782)に当時の金剛院の住職寛慶の指導のもと、水野村名主(なぬし)の水野氏(現在の牛窪氏)の発願により、水野村の村民が施主となり建てられたものです。
 また銘文の造立趣旨を現代文に訳すと、「村中の災いを転じて福となし、村人の病のすべてを除いて、心身とも安楽に暮らせるよう祈願する」という意味で、五穀豊穣、無病息災、悪疫退散、現当二世安楽を祈願したものでしょう。

塔身:笠付き角柱
主尊:一面六臂青面金剛
日月:浮彫 瑞雲
主尊の特徴:一面六臂、火焔と蛇の頭、三眼
本手:剣とショケラ
他の手が持つ法具:法輪、弓、矢、三叉矛
脇侍:二童子、二邪鬼、二鶏、三猿
造立年代:天明2年(1782)

日月・瑞雲ははっきりしていて、右が太陽、左が月であることが、はっきりと判る。
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火焔の髪に蛇をいただき、うっすらとであるが三眼が判る。
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本手は剣とショケラ。
法具は、法輪、弓、矢、三叉矛であることが良く分かる。
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表情がよく判る二邪鬼を踏み、脇に二童子を従える。
その下に、二鶏を刻む。
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塔身を載せる台座に、三猿を刻んでいる。
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庚申塔に登場するもののうち、欠けているのが四夜叉と髑髏だけであり、かなり完成度が高いものである。
願わくば、現在露座であるが、覆い屋などで風化を防いでもらえると有難いと思う。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

これは立派なものですね。台座にまで猿が彫られていますし、また、四角い石なので、石の両側に文字を掘れますし。

先日、上中里駅近くの2つの庚申塔を撮影しましたが、いずれも、木造の小屋の中に入っているものでした。このようにするの、結構、お金がかかるのでしょうが、やはり、露天に置くより、痛みは格段に少ないですよね。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
いくら石とはいえ、もう百何十年も経っていますから、
風化が始まると、どんどん進行しますし。
大事にして欲しいと思います。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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