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青面金剛立像(「せざる」猿付き)/八王子市

20200608

所在地:東京都八王子市下恩方町下恩方町松嶽稲荷入り口
撮影日:2016年2月13日

この庚申塔は、陣馬街道から松竹橋を渡りしばらく進むと右側に松嶽稲荷があり、その鳥居のところに置かれている。
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主尊は青面金剛立像である。
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銘文は:
右側面に「明和九辰七月吉祥日」と刻まれ、
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左側面に「講中 九人」と彫られている。
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塔身:唐破風笠付き角柱
主尊:一面六臂青面金剛像
日月:なし
主尊の特徴:一面六臂、岩の上に立つ。
本手:合掌
他の手が持つ法具:法輪、弓、矢、三叉矛
脇侍:二猿(本来四猿だった)、二鶏
造立年代:明和九年(1772)

唐破風笠は、宝珠も立派で、唐破風の下の半菊の彫刻もはっきり残り、立派だ。
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青面金剛は一面六臂、岩の上に立つ。
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青面金剛の顔は、火炎髪で、耳が大きい。
表情は目が吊り上がり、忿怒形。
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本手は合掌、他の手は法輪、弓、矢、三叉矛と推定した。
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台座の猿であるが、左半分が欠損していて、二猿のみが残っている。
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右側の猿は「いわざる」であるが、
右から二匹目の猿は股間を前と後ろから押さえている、極めて珍しい猿。
川柳に、「庚申は せざるをいれて 四猿なり」というのがあり、「せざる」なのである。
欠落した左半分には、「いわざる」に対応して「見ざる、聞かざる」があったはずで、本来は四猿が彫られていたことになる。
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この台石の左右にはそれぞれ鶏が彫られている。
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この庚申塔の特徴は、なんといってもエロチックで、極めて珍しい四猿が彫られていること。
二猿が欠落してしまっているのは、とても残念だ。

庚申信仰の特色の一つは禁忌(タブー)が多いことで、
その中でも特に厳しいのは庚申の日の男女同衾である。

江戸時代の川柳に下記のものがあり、それがわかる。
  ・寝て用が ないで庚申 夜をふかし
  ・庚申を うるさくおもう 新世帯
  ・御帰国の 日も折り悪し かのえ申

最後のは、参勤交代で一年ぶりに帰ってきたのに、その晩が庚申の夜なので・・・・・
という、なんとも可哀そうな話です(笑)

今回の庚申塔の猿にぴったりなのも、調べたらありました。
江戸時代の柄井川柳の句に、「庚申は せざるをいれて 四猿なり」というのがありました。
「せざる」を追加して四猿にしているという、完全な形で残っていたら、庚申塔の世界では国宝級のものに間違いありません。
すこぶる残念で、なりません。



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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

面白い庚申塔ですね。

「せざる」ですか、確か、庚申の日って、みんなが集まって徹夜で過ごすのですよね。だったら、元々、女房と一夜を過ごすのは無理な気が(笑)

それにしても、江戸時代の川柳、面白いです!

matsumoさん

コメントありがとうございます。
男女の仲というのは、厄介ですからね、
タブーを破って、燃えたりして(笑)

江戸時代の庶民の暮らしなどは、
川柳でよくわかる面がありますね。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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