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思金神(おもいかねのかみ)/日本の神々の話

20200715

『古事記』では思金神、常世思金神、『日本書紀』では思兼神、『先代旧事本紀』では思金神、常世思金神、思兼神、八意思兼神、八意思金神と表記する。
高御産巣日神の子であり、天忍穂耳命の妻である万幡豊秋津師比売命の兄。

高皇産霊尊の子とされるが、常世の神とする記述もある。
高天原の知恵袋といっても良い存在である。
最も有名な話では、岩戸隠れの際に、天の安原に集まった八百万の神に天照大神を岩戸の外に出すための知恵を授けたこととされている。

『古事記』の「天照大御神と須佐之男命」の巻、「天の石屋戸」の段
(現代語文)
(二神の誓約生みの後、須佐之男命が高天原で乱暴狼藉を働き)
天照大御神は恐れて、天の石屋の戸を開いて中におこもりになった。そのために高天原はすっかり暗くなり、葦原中国もすべて暗闇となった。こうして永遠の暗闇がつづいた。そしてあらゆる邪神の騒ぐ声は、夏の蠅のように世界に満ち、あらゆる禍がいっせいに発生した。
 このような状態となったので、ありとあらゆる神々が、天の安河の河原に会合して、タカミムスヒノ神の子のオモヒカネノ神に、善後策を考えさせた。そしてまず常世国の長鳴き鳥を集めて鳴かせ、次に天の安河の川上の堅い岩を取り、天の金山の鉄を採って、鍛冶師のアマツマラを捜して、イシコリドメノ命に命じて鏡を作らせ、玉祖命に命じて、たくさんの勾玉を貫き通した長い玉の緒を作らせた。次にアメノコヤネノ命とフトダマノ命を呼んで、天の香具山の雄鹿の肩骨を抜き取り、天の香具山の朱桜を取り、鹿の骨を灼いて占い、神意を待ち伺わせた。そして天の香具山の枝葉の繁った賢木を、根ごと掘り起こして釆て、上の枝に勾玉を通した長い玉の緒を懸け、中の枝に八咫の鏡を懸け、下の枝に楮の白い布帛と麻の青い布帛を垂れかけて、これらの種々の品は、フトダマノ命が神聖な幣として捧げ持ち、アメノコヤネノ命が祝詞を唱えて祝福し、天手力男神が石戸の側に隠れて立ち、アメノウズメノ命が、天の香具山の日陰蔓を襷にかけ、眞拆鬘を髪に擬い、天の香具山の笹の葉を束ねて手に持ち、天の石屋戸の前に桶を伏せてこれを踏み鳴らし、神がかりして、胸乳をかき出だし裳の紐を陰部までおし下げた。すると、高天原が鳴りとどろくばかりに、八百万の神々がどっといっせいに笑った。
 そこで天照大御神はふしぎに思われて、天の石屋戸を細めに開けて、中から仰せられるには、「私がここにこもっているので、天上界は自然に暗闇となり、また葦原中国もすべて暗黒であろうと思うのに、どういうわけでアメノウズメは舞楽をし、また八百万の神々はみな笑っているのだろう」と仰せられた。そこでアメノウズメが申すには、「あなた様にもまさる貴い神がおいでになりますので、喜び笑って歌舞しております」と申しあげた。こう申す間に、アメノコヤネノ命とフトダマノ命が、その八咫鏡をさし出して、天照大御神にお見せ申しあげるとき、天照大御神がいよいよふしぎにお思いになって、そろそろと石屋戸から出て鏡の中をのぞかれるときに、戸の側に隠れ立っていた天手力男神が、大御神の御手を取って外に引き出し申した。ただちにフトダマノ命が、注連縄を大御神の後ろに引き渡して、「この縄から内にもどっておはいりになることはできません」と申しあげた。こうして天照大御神がお出ましになると、高天原も葦原中国も自然に太陽が照り、明るくなった。
 そこで八百万の神々が一同相談して、ハヤスサノヲノ命にたくさんの贖罪の品物を科し、また髭と手足の爪とを切って祓えを科して、高天原から追放してしまった。

(八意)思金神の「八」を「多い」、「意」を「思慮」と解し、「八意」は思金神への修飾語、「思」を「思慮」、「金」を「兼ね」と解し、名義は「多くの思慮を兼ね備えていること」と考えられる。

秩父神社(埼玉県秩父市)、阿智神社(長野県下伊那郡阿智村)などに阿智祝氏、知々夫国造などの祖神として祀られているほか、戸隠神社などでは知恵・学問の神として信仰されている。また、天気に関する唯一の神社、気象神社(東京都杉並区)にも祀られている。

思金の文字から曲尺が連想され、建築前に行われる手斧初の儀式の主神としても信仰されている。これは、建前にかかる初の日に正面を南向きにして頭柱を立て、柱の正面に天思兼命と書き、右左にそれぞれ建築の神である手置帆負神、彦狭知命の名を書き、さらに裏面に年月日・建主名を墨書するという儀式のことを指す。


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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

この天の石屋戸の話、有名ですが、いつも不思議に思っていることは、世界中が真っ暗になっていると言うのに、石屋戸の前は勿論、方々で色々なことを行っていることです。まあ、神話や伝説だからと言うことなのでしょうが。後は、天の石屋戸の前に八百万の神が集まるなんて、面積的に無理だと思いますが。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
神話というものは、たしかに理屈に合わない
ところがたくさんありますね。
説話だからといって、私はとらえていますが。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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