七人の侍

20080907

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黒澤作品は好きというより、別格の偉大な作品である。
ところが、いままで私は「七人の侍」のビデオを持っていなかった。
昨日、NHK・BS2で放送してくれたので、
録画して今日堪能した。

志村喬、三船敏郎、左ト全、加東大介など良い味だ。
とくに志村喬演ずる島田勘兵衛がいい。

ストーリー自体はそれほど、複雑ではないが丁寧な描写で目が離せない。
登場人物もひとりひとり存在感がある。

以前は、七人の侍と村人が野武士と戦うシーンが好きだったが、
今日は、村人が助けてくれる侍を七人確保するまでが
とても良かった。

「このメシ、おろそかには食わんぞ」勘兵衛は決断した。
利吉ら4人は侍を雇うべく村を出てから既に10日あまりが経っていた。
麦の刈入れの時期が迫っているのだ。
そんなとき、とある豪農の門前で僧侶に頭を剃らせている年配の浪人がいた。
島田勘兵衛である。
じつは盗賊の一人が子供を人質にしてこの家に立て籠もっているのだ。
僧侶の袈裟を纏った勘兵衛は握り飯を持って納屋に向かった。
勘兵衛の対処は見事だった。
握り飯で盗賊を油断させ、電光石火の早業で斬り伏せたのである。
「おっ、お願いがございます!」利吉は勘兵衛に走りより足元にひれ伏した。

敵の野武士は40騎。
それに対抗するには、村人に竹槍を持たせて自衛させるだけでは足りない。
村の四方の備えに4人、後詰に二人、
勘兵衛を入れて最低7人は戦慣れした侍が必要である。

「また、最前のとおり?」勝四郎の問いに勘兵衛は「まあ、お前の修行の足しにな」と笑った。
岡本勝四郎はまだ前髪を蓄えた若者である。
たまたま盗賊退治の場に居合わせて勘兵衛の腕前に惚れ込み弟子入りを願い出たのだ。
勘兵衛がこれはと思う者に利吉らが声をかけ、木賃宿の内部に誘うのである。
そこを入り口に隠れている勝四郎が棒切れで打ち込む寸法だった。
腕試しである。
今回、勘兵衛が目をつけたのは一見何の変哲も無い浪人だった。
が、浪人は門前で気配を察し立ち止まった。
そればかりか笑顔で中の勘兵衛に「ご冗談を」と言ったのだ。
浪人は片山五郎兵衛と名乗った。
五郎兵衛は軍学に明るく副官として申し分の無い人物だった。

「ところで、あれからどうした?」
勘兵衛は偶然、旧知の男と再会した。
今は物売りをしている七郎次である。
負け戦で生き別れになっていたのである。
とかく気のきく重宝な男で勘兵衛曰く「古女房」のような存在だった。
「実はな。金にも出世にもならぬ難しい戦があるんだが、ついてくるか?」

「おぬし、薪割というものを見るのは初めてかな?」
五郎兵衛が目をつけたのは茶店の裏で薪割りをしている男である。
その様子が楽しそうでつい見入ってしまったのだ。
林田平八と名乗るその男の腕前はせいぜい中の下といったところ。
しかし、その正直で明るい性格は苦しいときには重宝だと踏んだのだ。
「ところで、おぬし、野武士を30人ほど斬ってみる気はないかな?」

勘兵衛と勝四郎は川原で人垣ができているのに気づいた。
二人の浪人が青竹を手に試合を始めるところであった。
大柄な男は上段に、小柄な男(久蔵)は下段に構えた。
大男が気合とともに打ち込む。
次の瞬間、青竹はお互いの肩を打ってピタリととまっていた。
「残念、相打ちだのう」見物人の目にもそう映った。
「違う!拙者の勝ちだ」久蔵が言い放った。
「真剣ならばおぬしは倒れている」とも言った。
当然のなりゆきで真剣での勝負となった。
「無益な・・・勝負は見えておる」勘兵衛の見込みどおり大男はあっけなく討たれてしまった。

「ハハハハ、おぬし13歳には見えぬが」「なにっ!」
勘兵衛が選んだ侍は5名だったが他に勝手についてくる男がいた。
菊千代と名乗る無頼漢である。
侍と称しているが出自は怪しい。
何処からか盗んできた系図を自慢げにみせびらかしに来たが勘兵衛にあっけなく見破られてしまった。
破天荒だが憎めないところのある男であった。

かくして利吉らは、6人の侍と1人の無頼漢を案内して村へもどった。


なんと昭和29年の作品である。
黒澤明は、この作品を凝りに凝って、水車小屋の燃え方が気に入らないと
三回も燃やすなど、当初の予算の3倍使ったそうな。
会社は2回中止を決めたほど。

映画のあらすじは、こちらでどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E4%BA%BA%E3%81%AE%E4%BE%8D

黒澤明監督の言葉
俳優さんにはまた会えるけど、勘兵衛なら勘兵衛という人には、もう二度と会えないわけでしょう。その人物のことを一所懸命に書いて来て、撮影中、毎日毎日、一緒に暮らしてきたわけでしょう。その人と別れちゃうという思いですよ。それがすごく悲しい淋しい気がするんです。
(黒澤明 『七人の侍』創造の秘密を語る New Flix 1991年9月号)



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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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