楊令伝/北方謙三

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「楊令伝」は「水滸伝」の続きの物語である。
北方謙三の著した「水滸伝」は19巻という長い物語で、それが終わった時虚脱感に襲われた。
「水滸伝」は、宋の時代に国に対し叛旗を翻した英雄たちの物語であり、その登場人物に共感し心が躍った。
それだけに最終巻を読み終わったときに、たまらなく寂しかったものである。
一方で、そのときには既に「楊令伝」の発行が始まっており、「楊令はこれからも生きていくのか・・・・」と救われる気持ちがあった。
しかし、すぐに読み始めることはしなかった。
なにしろ「水滸伝」にしろ、「三国志」にしろ、北方文学は面白いのだ。読み始めたら止まらない。ひとつ読み終えて、次はいつ出るのか? なんて待ってるのは耐えられないのである(笑)

それで「楊令伝」が15巻でいよいよ完結したらしいので、これから読み始めることにした。

「水滸伝」は次のようにして終わった。
最後の決戦で童貫の猛撃に、関勝、解珍、秦明戦死。二竜山陥落。林沖も壮絶な戦死。楊令が林沖騎馬隊を率いて童貫の兜を飛ばし顔を切るも、そこまでだった。流花塞も落ち、花栄も戦死。
童貫軍は、ついに梁山泊に上陸する。
楊令は単身敵だらけの梁山泊に戻って、頭領の宋江から「替天行道」の旗を託され、瀕死の宋江の自栽を助けてとどめをさし、血路を開いて脱出し、行方不明。
かくして梁山泊は滅び、湖水に静寂が戻る。


しかし生き残った英雄もいたのだ。
燕青、李俊、童猛、公孫勝、戴宋、呉用、宣賛、呼延灼、史進、張清、扈三娘、顧大嫂、孫二娘、武松などなど。
梁山泊陥落から三年経ち、残党の面々の物語から「楊令伝」は始まる。
軍としては、呼延灼、史進、張清の三つの軍がばらばらに隠れて逃げ延びてきた。
通信網は残っているから、お互いに連絡は取れている。
湖底に隠しておいた、軍資金である銀の入った甕も無事だった。
軍資金となる「塩の道」もまた活きかえせそうだ。

海棠の花とうたわれた一丈青扈三娘が生き残っているのが、なによりも嬉しい。また幾多の漢たちの心を狂わせることだろう・・・・・・
なにしろ、敵方の「青蓮寺」参謀聞煥章の心まで狂わせ、いまだその懊悩地獄から抜け出せないのだから。

梁山泊に代わる拠点として、2ケ所に拠点作りが始まり、軍もそれまで隠れ逃げていた活動から、宋の軍隊と表だって闘いはじめる。
水軍は、海へと活路をひろげ、張清の妻瓊英の活躍で日本と貿易まではじめた。

しかし頭領が居ないのだ。
皆の頭の中にある、待ち望んでいる頭領は「楊令」である。

楊令は、梁山泊の初期の英雄「楊志」の子供。楊志は宋朝廷の秘密機関「青蓮寺」の謀略により殺されるが、そのとき現場にいた楊令は目の前で父親が殺されたショックで言葉がしゃべれなくなる。
その傷を王進が癒し、林沖が鍛え、秦明が漢に育てる。
楊令は、いわば梁山泊の108人の仲間が育て、心を結晶させた「水晶」のごとき存在なのだ。
梁山泊の二人の頭領、晁蓋と宋江を足して二で割ったような人物といわれる。

楊令は北に居た。
女真族が「金」という国を打ち建て、遼と宋と三つ巴の状態になっているが、その「金」の軍隊のひとつを率いて「幻王」と呼ばれている。
悪魔のように恐れられる存在である。
迎えに訪ねて行った武松に、楊令は言う。
「私は梁山泊には戻らない。梁山泊では宋に勝てない。しかし私が宋を倒す」


これが「楊令伝」第一巻を読んでわかったこと。
どうなるのだろうか・・・・・・
当面、梁山泊残党と宋の戦い。
それと平行して楊令が遼と、宋と戦っていくのか・・・・・・

面白い。実に面白い。
わくわくする。

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コメント

いよいよ

こんにちは。

いよいよ「楊令伝」に入られましたか。

「水滸伝」全19巻、面白かったですね!
だから「楊令伝」も大いに期待できると思っています。

僕の方は早ければ年明けから読みたいと思っていますが、実際のところ読書計画はあってないようなものですから、どうなるかわかりません(苦笑)

2巻目以降のレビューも期待しております。

よんちゃnさん

ほんとに「水滸伝」堪能しました。

「楊令伝」も面白いようです。
3巻目にかかりました。

披露したいことがあったら、アップします。
いいですよね、北方文学。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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