プリンセス・トヨトミ/万城目学

20110706

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第141回直木賞候補作『鹿男あをによし』と『鴨川ホルモー』に続く「関西三部作」のひとつ。
400年にわたりあるものを守り続けてきた大阪の男たちと、それを知らずに大阪へやってきた会計検査院との攻防を軸に、親子の絆を描いたパラレルワールド的な作品。

あらすじ:
5月31日の木曜日、午後4時。突如として大阪府で一切の営業活動、商業活動が一斉に停止した。物語はそこからさかのぼること10日前、東京から訪れた会計検査院の調査官3人と、空堀商店街に住む2人の中学生の、一見何の関わりもない行動を中心に描かれる。
会計検査院第六局所属の松平・鳥居・旭の3人は実地検査のため大阪を訪れる。そのリストの中には謎の団体「社団法人OJO」が入っていたが、期間中にOJOの検査をできないまま一旦帰京する。一方、空堀中学校に通う大輔と茶子は幼馴染。長い間女の子になりたいと思っていた大輔はセーラー服姿で登校することを夢に見て、実行に移す。しかし、彼を待っていたのは壮絶ないじめであった。
週が明けて火曜日、ある理由で大阪に残っていた松平はOJOの実地検査ができることを知り、現地へと向かう。一方の大輔はその日、担任教師に早退を命じられ、父親とともにある場所へと行くことになる。松平と大輔の2人が見たものは地下に眠る「大阪国」であり、大輔は父が大阪国の総理大臣であることを告げられる。
「大阪国」は35年間で国から175億円もの補助金を受けていたが、肝心なことを国との条約を盾に語らない。松平はこの「大阪国」の不正を明るみにするために対決することに。そんな中、大輔へのいじめがエスカレートし、茶子はいじめた相手への襲撃を決行するが、そのことが思いもよらぬ事態へと発展する。
それぞれの思惑と誤解が交錯したとき、長く閉ざされていた歴史の扉が開かれる。

主要キャスト:
松平 元(まつだいら はじめ)
会計検査院第六局副長。39歳。国家公務員1種試験をトップ合格しながら、「検査がしたい」との理由で名だたる省庁の誘いを断って検査院に入った。卓越した調査能力と妥協を許さぬ追求の厳しさから「鬼の松平」と恐れられる。大きな仕事の前には全身の関節を鳴らす癖がある。アイスクリームが好物で、事あるごとに食べる。両親は大阪出身で、すでに他界した元官僚の父親とは長い間確執があった。幼少時に2年半ほど森之宮に住んでいたことがあり、その時に大阪城の異様な光景を目の当たりにしている。
鳥居 忠(とりい ただし)
会計検査院第六局所属。32歳。調査員らしからぬおっちょこちょいな性格で、検査院に入って10年経ってもミスを連発している。しかし、インクの臭いが苦手という体質から書類偽造を見極めたり、予期せず勘が鋭く働いたりすることから、本人の知らないところで「ミラクル鳥居」と呼ばれ、その能力を松平に買われている。恋人がおらず、見合いもうまくいっていないことが検査院内で噂になっている。
旭・ゲーンズブール(あさひ -)
会計検査院第六局所属。29歳。ハーバード大学卒業。国家公務員1種試験をトップ合格し、内閣法制局への出向経験をもつ才女。日本人とフランス人のハーフで、すれ違った男性のほとんどが振り返る程の美貌の持ち主。ただしフランス語は話せず、代わりに英語が堪能で、何故か大阪弁も話せる。会計検査院に来たのにはある理由がある。ファーストネームである「旭」と呼ばれることを嫌うなど、鳥居にはやや冷めた態度を取っている。
真田 大輔(さなだ だいすけ)
大阪市立空堀中学校二年生。小学生の頃から女性になることに憧れ、男物の服装でいることに抵抗を感じていた(ただし男性を恋愛対象として見ているわけではない)。セーラー姿で登校したことをきっかけにいじめの対象になるが、頑なに男子制服を着ることを拒む。しかし運動が苦手な肥満体質で、セーラー服姿は似合わない。
橋場 茶子(はしば ちゃこ)
空堀中学校二年生。陸上部員。2歳の時に交通事故で両親を亡くし、自身を引き取った叔母(宗右衛門町でスナックを経営)と大輔の家族によって育てられた。正義感の強い男勝りな性格で、小さい頃からよくいじめの対象になる大輔をいつも守っていた。大輔からはセーラー姿で登校することを最初に打ち明けられている。


私がこの本を読み始めたのは、映画のCMが面白そうで、映画を見る前に原作を読んでおこうかなと。
それからタイトルの「プリンセス・トヨトミ」って、なんだかすごく面白そうだった。
タイトル勝ち!!

読んで私がはまったのは、この本のテーマの、父と子の絆。
私が自分の父親のことを理解出来るようになったのは、自分も子供を持って、仕事上でも責任をまかされるようになってからだ。
父親から「あの時はこうで、あの時はどうだった」と説明を受けたことは無かったが、自分の子供のころの断片的な記憶から、平凡に見えていた父親が、成功はしなかったがチャレンジはけっこうしていたんだな、と理解できたのは父親が亡くなる数年まえだった。
「親父、お疲れ様」と接することは、辛うじて数年出来た。

大阪には、男だけの世界がある。
父が息子にあることを伝承していくことで、それは支えられている、女性はなんにも知らないんだというストーリー。
でも、小説では最後に、実は女性はぜんぶ知っていて、その男たちの伝承を見守っているのだ、というオチが用意されている。「バカだねえ、大阪の男たちは」とつぶやいて、知らないことにしてあげる心優しい女性が描かれている。
これは、泣かせるよね。
映画では、それが活かされていないようです。


ちょっと調べたら、かなりずっこけた(笑)
小説で、旭・ゲーンズブールはものすごいカッコいい。それでいてネタばれになるから書かないが、思いもかけない一面も持っている、魅力的な女性だ。
それを綾瀬はるかがやるのかと嬉しく思っていたら、映画ではそうじゃないんだと。
どうも綾瀬はるかには、いままでの定評あるドジ・キャラをやらせたかったらしい。
それで、大阪国総理と対峙する会計検査院の松平の部下2人の性別を入れ替えてしまった。「原作ではミラクル鳥居は男だけど、あのミラクルぶりは綾瀬はるかにしか出せない」として男女逆転をしてしまったと。
おそらく映画を作った人たちは、万城目学のことが好きで(作品じゃなく)、ドラマ『鹿男あをによし』を愛していて、ドジな綾瀬はるかにゾッコンなのだろう。そうとしか思えない。

主要キャストである会計検査院の調査員三人は、小説ではそれぞれ個性的なキャラクター。
クールな調査官のボス「松平」
ハーフで長身の、切れ者の美女「旭・ゲンズブール」
小柄でどじな男「鳥居」。

何日もかけて読まれるストーリーを、映画ではわずか数時間で表現するわけで、当然いろんな部分をカットしなければならない。
それは、小説を読んでから映画を見るときには覚悟の上だが、あの三人のキャラはそのままにしておいて欲しかったな。

まあ、それでも映画も見るよ。
小説とはまったく別物のエンターティンメントとして。


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コメント

No title

見たいです。この映画…。
綾瀬さんがとてつもなくカワユイですね。

自分は大阪生まれだし…。

No title

四季歩さん、こんにちわ

ええっ、「プリンセス・トヨトミ」って、そう言う話だったのですか(と言っても、そう言う題名の映画が上映されていることは知っていたのですが、宣伝も全く見たことが無かったのです)。私は、この映画、時代劇で、てっきり、茶々がプリンセス・トヨトミか、あるいは、秀吉と茶々の間に女の子が生まれて、彼女がプリンセス・トヨトミなのかと思ってました(笑)

プリンセス・トヨトミ

肩の凝らないお話で、けっこう面白かったです。口から先に生まれてきて、秘密というだけで、しゃべりたくてしかたがない大阪人もいるとおもうのですけどね~(^o^)/

コメントありがとうございます

にこらすさん
そうですよね、大阪生まれですよね。
ということは、お父上から伝えられていることが
あると思うのですが・・・・
「大阪国」に関して・・・・・・・(笑)
ぜひ本を読んでいただきたいと思います。
それから、綾瀬はるかちゃんに会いに
行ってください。

matsumoさん
そうなんですよ(笑)
こんな感じです。
時代劇じゃなくてスミマセン・・・・・
私があやまる必要はないのですが(笑)

narkejpさん
そうなんですよね。
笑いをとっているのは、逆に会計検査官のほうで、
大阪の人間は、この本のなかでは、大阪のオバチャンも
出てこないし、わりと真面目な行いばっかり(笑)
それが、また良かったりしました。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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