ミレニアム2「火と戯れる女」/スティーグ・ラーソン

20110725

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 ステイーグ・ラーソンの『ミレニアム1ードラゴン・タトゥーの女』を読んで、リスベット・サランデルにハマった。

http://tamtom.blog44.fc2.com/blog-entry-712.html


ミカエル(月刊誌『ミレニアム』の発行責任者にして記者)の調査を手伝うフリーの女性調査員だ。もちろん、『ミレニアム1ードラゴン・タトゥーの女』は、孤島で起きた少女失踪事件、富豪一族の複雑な家庭事情、倫理観の欠如した企業のありかたとジャーナリズムの責任、そして愛と性-盛り沢山の内容を読みやすく整理する構成と手腕が群を抜いていた。もう一つの特色としては、エンタメ色が濃かったこともあげられるだろう。この二点が際立っていたので、ものすごく面白かった。
その中心にリスベット・サランデルの強烈な個性があって、一度読んだら忘れられないヒロインだったのだ。
『ミレニアム2 火と戯れる女』は、そのリスベット・サランデルが主人公となる。
頭脳明噺、映像記憶能力を備えた天才ハッカーでありながら、どういうわけか中学校を中退、一人前の成人として生活できないとの格印を押され、後見人がついているリスベット。彼女の過去にいったい何があったのか?

幕開けは穏やかだ。大金を手にしたリスベットは、仕事をやめ、新居を手に入れ、世界をめぐる旅に出る。カリブ海の小国グレナダで過ごし、ストックホルムに戻った彼女を待っていたのは、冬の寒さ、からんとした新居、家族も友人もいない街での孤独な生活だった。彼女は少しずつ新居を整え、知り合いと連絡を取り、過去にわずらわされることのない新たな人生を築こうとする。一方、ジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストは、リスベットから一方的に関係を断たれてとまどいながらも、『ミレニアム』 での仕事に没頭している。そこへフリージャーナリストのダグ・スヴェンソンが、女性の人身売買と強制売春に関するルポルタージュの話を持ちかけてくる。彼はパートナーのミアと協力して、買春をはたらいた男たちを実名で告発し、人身売買組織の実態に迫ろうとしていた。『ミレニアム』 はこの話を受け、特集号の刊行と書籍の出版に向けて動きだす。
 そんな中、第一部でリスベットに生殺与奪の権を握られた彼女の後見人、ニルス・ビュルマン弁護士は、彼女を激しく憎み、殺したいとまで思いつめていた。殺す方法をひたすら思案し、彼女の過去を調べているうちに、ある衝撃的な事実につきあたる。これを利用すれば、あの娘の息の根を止められるかもしれない。そこで彼は行動に出る。謎の金髪の大男とひそかに接触し、リスベットの誘拐を依頼する。
 リスベット・サランデルの平穏な生活は長く続かない。凄惨な連続殺人事件が起こり、リスベットとミカエルは思わぬ形でふたたびつながることとなる……

本書の最大の読みどころは、リスベットの出自が明らかになることだ。彼女は十二歳のときに何かが起きて、その「最悪な出来事」がトラウマになっている、と早い段階で出てくるものの、これがいったい何であるのか、読者にはなかなか明かされない。その直後に児童精神科病院に収容されたこと、父親か誰かわからないこと、双子の妹がいること、十二歳の少女に関する捜査資料がそれから十五年たっているのにいまだ国家機密扱いになっていること読者に知らされるのはそういう断片だけだ。

「サランデルの能力には敬意を抱いています」というアルマンスキーの証言を聞くまでもなく、人付き合いを嫌うことはあってもリスベットは凄腕のハッカーである。その調査能力は人並み以上といっていい。たとえば本書の冒頭はリゾートホテルで数学の本を読み、難解な問題に取り組むリスベット。ここにも知的水準の高い女性の姿がある。にもかかわらず、「義務教育すら修了していない、無能力者」とか、「頭がかなりおかしく、すぐに暴力に走る傾向のある女」と言われているのはなぜか、という根本的な疑問が前作からあったのだが、それが本書で解けるのである。


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