「鎌倉街道をゆく」展/埼玉県立嵐山史跡の博物館

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昨日、表題の展示会に嵐山の菅谷館跡にある史跡の博物館に行ってきました。
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「鎌倉街道散歩」も嵐山菅谷館から狭山市の堀兼の井までは全行程踏破していますが、今回の展示で色々と収穫がありました。
鎌倉街道の経路は、街道を利用した人々が遺した記録から地名を拾い、現在の場所に当てはめることで、復元してきています。
今回二つの経路の記録の資料の写しが手に入りました。
まずは、頼朝が浅間原まで巻狩りに出向いた際の経路で、「曽我物語」巻5より「浅間の御狩の事」
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現代語訳です。
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いま一つは、1197年頼朝の善光寺参拝を機に、善光寺参拝の機運が高まり、多くの人が鎌倉街道(上道)を通じて善光寺へと足を運びました。鎌倉極楽寺の僧といわれる明空によって編まれた歌謡集「宴曲抄」のなかに鎌倉街道沿いの地名を詠みこんだ「善光寺修行」という作品が収録されています。
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現代語訳です。
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出典品の中からいくつか紹介しておきます。

菅谷館跡から出土した板碑。1453年銘のもので、金箔が押されている立派なものです。
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笛吹峠は、新田義貞の遺児である義興・義宗兄弟が南朝の宣旨をうけて、上野国で蜂起し足利尊氏の軍勢と戦った舞台となったところです。
http://www.lares.dti.ne.jp/~taka-ino/fuefukihatoyama.html

今回、その絵図の写しが手に入りました。
太平記絵巻(白描)東京国立博物館蔵
画面左手が新田軍で、鍬形の兜をかぶった武将が新田義宗。
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部分拡大
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苦林野古戦場跡は、貞治4年(1365)、当時関東最強の武士だった宇都宮氏の家臣、越後守護職・芳賀禅司入道高名は、一方的に守護職を降ろされたことの不満から反旗を翻し、鎌倉公方で入間川御所に滞陣していた足利基氏と激戦を繰り広げました。
足利基氏軍3000騎に対し、芳賀氏の軍勢は800騎だったといいます。
合戦は二日間行われ、壮絶な戦いだったそうです。
http://www.lares.dti.ne.jp/~taka-ino/moroyamasakado.html

その絵図の写しが手に入りました。
太平記絵詞下巻(=第12巻)国立歴史民俗博物館蔵
足利基氏と芳賀貞兄弟軍との戦いを描いている。画面下段中央に負傷した馬から降りて戦う鍬形の兜をかぶった基氏がいる。基氏がこのような戦いをするほど激戦だったことがわかる。
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部分拡大
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鎌倉街道については、いままで武将の話しか意識になかったが、先の善光寺参拝もそうだが、日蓮が佐渡に流された際に、この道を通り、多くの伝承が残っていることも、今回知った。
1271年、鎌倉における日蓮らの言動が反秩序的な行動として、日蓮は幕府にとらえられます。
龍口(藤沢市)の刑場で斬首されることになりました。しかし処刑直前に奇跡が起こり、そのため日蓮を斬ろうとしていた武士たちは逃げ去ったといいます。
このため日蓮は死罪を免じられて、鎌倉街道(上道)と北陸道を経由して佐渡に配流されました。
「佐渡に向かう日蓮一行」 日蓮聖人註画賛 本圀寺(京都)蔵
画面左手の馬に乗る人物が日蓮
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展示を見終わって、菅谷館を散歩しました。
本郭の西角、畠山重忠の館があったと推測されているあたり。
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(了)


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コメント

No title

こんばんは

いつも感服するのは、いったいどこで調べているのだろう?と思うほどお詳しいところです^^
鎌倉街道を踏覇するのは並大抵のことではないと思いますが、四季歩さんはやってしまうんでしょうね^^がんばってください。

No title

四季歩さん、こんにちわ

なるほど、文献に書かれている地名を、現代の地名と言うか、多分、それより少し前の地名と合わせて道を確定したと言う訳ですか。江戸時代の地図と現代の地図を合わせて見ると、道は結構、一致していることに感心したことがあります。上野広小路なんて、そっくりでしたし。

それにしても、曽我物語も宴曲抄も原本は私には全く読めないです。ただし、前者はひらがなが大量に書かれているようですね。

コメントありがとうございます

kurt2さん
応援ありがとうございます。
そちらのブログでも、古代史に取り組んで
おられて、記事を楽しみにしています。
お互いに頑張りましょう。

matsumoさん
私は、恥ずかしながら機械関係の技術者あがり
なので、古文書はちんぷんかんぷんです。
ただ、ありがたいことに私でも理解できる
色々な資料を、先人の方がこしらえてくださっているので、
それをありがたく利用させていただいてます。
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四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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