歴博フォーラム「新春たつ」

20120123

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21日に、新橋の「ヤクルト・ホール」で開催された、国立歴史民俗博物館主催の、表題のフォーラムを聞いてきました。
毎年、その年の干支にちなんだイベントを行っているそうで、今年は「たつ」だということです。

内容は、以下のとおりでしたが、一つの報告が25分と短かったので、飽きず、眠くならず、とても楽しめました。
報 告1「龍の民俗」山田慎也 (民俗研究系
報 告2「龍の伝承」小池淳- (民俗研究系)
(休憩)
報 告3「龍の姿」日高 薫 (情報資料研究系)
報 告4「浮世絵に描かれた龍」大久保純-(情報資料研究系)
報 告5「江戸の龍」岩淵令治 (歴史研究系)
(休憩)
報 告6「中世びとの“龍’’イメージ」高橋一樹 (歴史研究系)
報 告7「古代中国の龍」上野祥史 (考古研究系)


全てを紹介することは出来ないので、私が面白かったポイントを紹介しておきます。

古代中国の龍
龍は中国から伝承されたものですが、では中国で龍は何時生まれたのか?
確認されているのが、なんと新石器時代(紀元前4000年)ころの墓に貝を敷き詰めて龍と虎を表現している。
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新石器時代に中国北方で生活した民族は熊と虎を崇拝したし、南方に居住する住民はワニ、鳥、鯉を崇拝したし西側に生活した遊牧民族は蛇と鷹を崇拝したし東側に生活した民族は鹿と鳥を崇拝したことが分かった。
この部族が統一されていく際に、各自崇拝した動物の特徴を一つの「龍」として統合して創り出したという学説が一番有力だそうです。

龍の伝承
「五大竜王」の話
中国では宇宙を創成、支配しているのは盤古大王ですが、他界に移ろうとしたとき、大王の四人の王子たちは四季それぞれの時間をそれぞれ領有することとした。ところが、その時、母親の胎内にいて、後から誕生した姫宮(あるいは五番目の王子)は、兄たちに自分にも所領を譲るように求めた。そして戦いになるが、帝釈天が文前(文選)博士を派遣して仲裁させる。文前博士ば兄たちから、四季の土用十八日ずつを姫宮に与え
て、和解させることに成功する。文前博士は実は文殊菩薩であると。
文前博士には陰陽師のイメージが投影されるわけです。
この「五大竜王」が神道、特に陰陽道、仏教に入り込んで、時間をつかさどる神、あるいは仏となっている。

荒神神楽の龍
広島県庄原市東城町竹森の「荒神神楽」に龍が出てきます。
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夜通しの神楽の後、早朝に神楽太夫が龍を担いで門田といわれるしめ縄を張った神聖な田の入り口に立って、中の青竹の荒神幣を持った神職と問答を行います。
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ついに龍は田の中に入って神職を巻き込んでしまう。これを「龍押し」といいます。
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自然界の荒ぶる存在の象徴が龍で、人間界をコントロールしているのが「荒神さま」それが押し合いへし合いした後で「一体化」する。その後、自然界と人間界の境界である「荒神祠」に鎮められる、というものです。

弘法大師空海の雨乞い
平安初期の天長元年(824)の大干ばつの折、天皇の勅命により東寺の空海(弘法大師)と西寺の守敏(しゅびん)との祈雨の法力競い合いが行われた。神泉苑の池に善女竜王を勧請し降雨を祈願した空海が勝ち以後、東寺は栄え、西寺は荒廃した。その後、神泉苑において雨乞いの儀式が行われるようになり、斎衡年間(854-857)には祈雨霊所としての地位が確立され、東寺系真言密教僧により雨乞いや怨霊を鎮める聖地へと変わる。
当時の神泉苑の池の地図には、「龍の穴」という書き込みがあり、この穴から龍を呼び出して雨を降らせようとしたらしい。
写真:法成就池の中島に祀られる善女龍王の社殿
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龍の姿
日本では、大徳寺に伝来する南宋の画家「牧谿」の「竜虎図」(2幅)がルーツらしい。
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ここでは、狩野山楽のを載せておきます。
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浮世絵の龍
北斎漫画では4種の龍が描かれている。
ここでは3種だけ紹介。
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北斎が描いた龍
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私は水滸伝(北方謙三の)が大好きで、何度も読み返していますが、浮世絵でも「九紋龍史進」が良く描かれたようです。
歌川国芳の描いたもの。
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(了)



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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

ヤクルトホールですか、懐かしいです。あそこで、何回か、学会を聴いたことがあります(発表ではなく、聴くだけです)

龍に関するフォーラムですか、中々、興味深いフォーラムですね。中国のお墓に貝で絵が描かれていたと言うことは、初めて知りました。教えていただき、どうも有り難うございます。

龍の絵と言えば、狩野探幽作のものを観た記憶があります。

そう言えば、藁で作った龍ですが、日暮里・舎人ライナー「江北駅」の前に「胡録神社」の鳥居の所にもあります。
http://matsumo.seesaa.net/article/156801830.html
多分、お祭りで飾り付けられるのではと思いますが、その状態のものしか見たことがありません。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
このフォーラム、面白かったです。
今年は、龍にもこだわって見て回りたいと思いますね。

「胡録神社」の情報ありがとうございます。
調べて、見に行こうかなと思います。

私の住んでる近くにも、8月に「雨乞い祭」があって、
藁製の龍を担ぎまわるのがありますね。
知っていたも、今まで身に行ったことが無かったですが、
今年は見に行くつもりです。

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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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