007・白紙委任状/ジェフリー・ディーヴァー

20120325

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NHKの本を紹介する番組で推薦されていた。007の映画は幾つ持っているのかな、と思い数えてみたら9本持っている。半分くらいかなあ。割と好きな映画だが、本は読んだことがなかった。
その番組で、この本を推薦する理由は、新しい著者になって面白いのだという。
新しい著者ジェフリー・ディーヴァーは、「ボーンコレクター」でベストセラー作家となった作家だ。
そのディーヴァー・ワールドに、ジェームズ・ポンドという古くて新しいヒーローが乗りこんできたわけだ。
「1953年にイアン・フレミングが生み出した世界一有名なキャラクターを、数百万の読者を失望させることなく現代に蘇らせること」、作者ジェフリー・ディーヴァーは、フレミング財団から与えられた、そのきわめて難度の高いミッションをみごとに成功させたと言えると、番組では紹介していた。

彼が書いたんなら面白いだろう、という期待どおりのものだった。

事件はセルビアで起こる。イギリス政府通信本部が傍受した一道の電子メールがすべての発端だった。
 ……20日金曜夜の計画を確認。当日の死傷者は数千に上る見込み。イギリスの国益にも打撃が予想される……
数千の死傷者 - 五日後の20日金曜日に、イギリス国内のどこかで大規模なテロが計画されているということだろうか。
 唯一の辛がかりは、続けて傍受された、同一人物から仲間の一人に発信されたと思しきもう一通のメールだった。送信者は、打ち合わせ場所として、セルビア共和国内のレストランを指定していた。

 指令を受けたジェームズ・ボンドは、急遽セルビアに飛んで、事件に遭遇する。
そして、ポンドの追跡を逃れてセルビアから脱出した男は、その後、イギリス国内に戻っていた。この地球上で唯一、ポンドがODGのエージェントとして活動する権限を持たない場所 - ふだんならミッションと同時に与えられる〝白紙委任状〟が無効になる地域だった。

あとがきに寄れば、悪役たちが作る世界は、どちらかと言えばジェフリー・ディーヴアーの領分に属している。常人の理解を越えるものであるとはいえ、その人物なりに一本筋の通った価値観とロジックを持った、どこか不気味な人物。自らに課した〝任務″に対しては、よくも悪くもひたむきで真摯な姿勢を崩さない。
ジェットコースターのようなうねりとスピード感、幾重ものどんでん返しが終盤に待ち構えるストーリー展開には、ディーヴァーの持ち味が存分に発揮されている。最後の一ページを読み終えるまで、一瞬たりとも気が抜けない。

ディーヴァー作007は「敵と陰謀の正体」を突き止めるプロセス、つまり謎解きに傾斜がかかったストーリーになっています。
アイリッシュマンを追うボンド、ボンドの追求をかわすアイリッシュマン、ボンドをターゲットにするアイリッシュマンの必殺の罠。
そして読者がたっぷりとミスディレクションにはめられたところで巨悪の正体が明らかになる。ただ巨悪といっても、諜報機関が対象にする国際的陰謀団の首魁というよりも警察組織が追う凶悪犯に近いイメージ。アイリッシュマンとの派手なバイオレンスシーンはたっぷりありますが、明らかにされた大陰謀を粉砕するアクションは思いのほかあっさりしています。
いままでのような、スーパーマン・ボンドのスーパーマン的アクションは無かった。
だから、逆に新鮮に楽しめた。

ボンドを助ける組織の女性たちも、実に魅力的だ。
映画では、美人だくらいしかわからないが、本で読むとまったく素敵なんだな、これが(笑)
情報アナリスト、オフィーリア・メイデンストーン、通称「フィリー」。
ボンドのアシスタント、メアリー・グッドナイト。
長官のアシスタント、マニー・ペニー。

今回、ボンドと深くかかわる女性は二人。
紛争地域に大規模な食糧援助を主催する行動的な女性フェリシティ・ウィリング。
極めて厳格な黒人警官ベッカ・ジョルダーン

ボンドは誰のベッドにもぐりこむのか?
これも、楽しいお約束であり、きちんと新しい作者も楽しませてくれた(笑)

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コメント

No title

四季歩さん、こんにちは

007シリーズですか、イアン・フレミングの小説の方は全部読んだことがありますが、他の作家によるものは読んだことがありません。気になって調べてみたら、何と30冊位あるのですね。イアン・フレミングのものは当時としてはお色気があってドキドキするものでした。

映画の方は映画館とビデオで一応、全部、観ていますが、初めて映画館で観た「ゴールドフィンガー」は工場の中で自動車で逃げ回る場面、鏡にぶち当たってしまうのですが、ものすごい迫力だったことを覚えています。

matsumoさん

コメントありがとうございます。
007シリーズ、フレミングのもの読んだのですか。
私は映画は、けっこう好きなんですが、
本は全然読まなかったですね。
長いシリーズ映画を見ていると、時代の変化が
わかって、面白いですよね。
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Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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