『居眠り磐音 江戸双紙』第15巻「驟雨ノ町」&第16巻「蛍火ノ宿」/佐伯泰英

20120619

第15巻「驟雨ノ町」

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この巻での大きな出来事は、一つは豊後関前藩江戸家老福坂利高の悪事である。磐音の父正睦が抜擢したが、江戸の暮らしに舞い上がって、関前藩の経営立て直しに皆が努力している中、八百七十両も浪費してしまう。磐音の父正睦が江戸に出てきた一番の大仕事は、その決着をつけることだった。
また一つは、宮戸川に奉公に出ていた幸吉が行方知れずとなり、おそめから聞き出した、幸吉が貯めた小金を隠しているという泉養寺の床下に磐音がもぐりこんだところ、そのあたりから六百両もの大金が出てきた。幸吉が何か悪人たちと遭遇してしまった恐れがある。
また一つは、甲斐の市川陣屋に手配書にて捕まった押し込み強盗一味の頭、鰍沢の満エ門を引き取りに行く、同心木下一郎太を助けて磐音が同行する。当然手下の一味が取り返しに現れるはず。これに品川柳次郎と竹村武左衛門も同行する。


将軍家治が日光社参の際、これまでの磐音の活躍がもとで、豊後関前藩主実高は家治に礼を云われたが、そのこともあり関前藩立て直しに協力している今津屋と若狭屋、磐音を下屋敷にて実高、磐音の父正睦、中居半蔵がもてなした。
その席上、藩主実高が「なぜおこんを連れてこなかった」という話に乗じて、今津屋老分由蔵が父正睦に、おこんは町娘だが、磐音は国家老の嫡男であり町娘でもかまわないかと聞いた。磐音はビックリ仰天するが、父正睦は「磐音が藩を出たのは、事情が事情とはいえ朋輩の友人を手にかけたことで己を許せなかったのだ。もはや関前藩とも坂崎家とも義絶している。江戸で周りの他人に助けられながら生きている他人と思うている。おこんさんとは江戸に到着した日に会って、磐音にはもったいなき女性だと思っている」と答えた。

父正睦が磐音におこんを接待したいというので、磐音は宮戸川でと考えた。宮戸川では、三人水いらずでと屋根船をしつらえる。磐音はおこんの父親金兵衛を説得して出席させる。正睦は磐音の母から預かったと磐音の母が嫁入りの際に持参した瑪瑙の帯留めをおこんに渡す。
この席で父正睦は、金兵衛に「おこんさんを倅の嫁にもらいたい」と宣言するのだった。

父正睦が関前に帰る際、由蔵は土産にと絵師北尾重政がひそかに描いていたおこんの浮世絵を渡した。磐音の母親と妹に、おこんがどんな人か見せたく思ってのことだった。

幸吉が姿を消したのは、宮戸川での鰻割きの腕を上げたいと「暑念仏」に出たのだった。本来は「寒念仏」といって、修行中の弟子や小僧が裸で30日、不動明王や金毘羅大権現に願をかけて走り回る業のことをいう。

この巻で、磐音が真剣で相対したのは、霞流。あとは流派の説明なし。


第16巻「蛍火ノ宿」

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この巻での大きな出来事は、一つは今津屋の後添えに決まっている小田原脇本陣の娘お佐紀の姉が駆け落ちしたのだが、その相手が旧藩の者につきまとわれ、結果困窮しているのでどうにかして欲しいとお佐紀から磐音が頼まれる。
いま一つは磐音の許嫁だった奈緒が吉原で「白鶴太夫」となっているが、落籍されることになる。相手は奥州山形藩内の紅花商人、前田屋内蔵助という者だ。だが、白鶴太夫が吉原を出ていくのを阻止しようという企てがあり、白鶴太夫が可愛がっていた禿が殺されたり、陰湿な事件が続く。

今津屋では、内儀お艶の三回忌の法要が行われ、その席には後添えに迎えることになっている小田原脇本陣の娘お佐紀も出席して行われた。あとはお佐紀との婚礼だが、吉右衛門は仲人は要らぬと言い、由蔵は仲人は必要と言い、磐音に意見を求めるが、磐音はお佐紀の気持ちをくんで仲人は必要だが、商人では仲人を決めるのが難しかろうと、いっそ将軍御側御用取次の速水左近にお願いしようと提案し、師匠佐々木玲圓の力も借りて実現させる。

白鶴太夫を落籍した前田屋内蔵助と奈緒が、山形を目指して江戸を立つとき、千住大橋での襲撃に磐音が応戦し、磐音は二人を見送る。これが磐音と奈緒の最後の別れとなった。

この巻で、磐音が真剣で相対したのは、心形刀流。あとは流派の説明なし。



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第15巻「驟雨ノ町」この巻での大きな出来事は、一つは豊後関前藩江戸家老福坂利高の悪事である。磐音の父正睦が抜擢したが、江戸の暮らしに舞い上がって、関前藩の経営立て直しに...

コメント

No title

私も「驟雨の町」まで読みましたよ。早くおこんさんが磐音のお嫁さんにならないかしらとわくわくしながら読んでました。磐音のお父さんの正睦の人柄もいいなぁ。蛍火の宿はこれから読みます。NHKの放送は「蛍火の宿」まででしたよね。磐音さんシリーズは面白いので読みだすと止まらなくなってしまいます。

No title

四季歩さん、こんにちは

江戸家老の福坂利高はあまりにも酷すぎですよね。これでは、主人公の父親が選んだ意味が全くありません。と言うか、船で特産品を運んだ儲けに比して、無駄使いした額が多すぎですよね。

後は、屋根船での主人公親子とおこんさん親子の場面も良かったです。

コメントありがとうございました

パスピエさん
このシリーズ面白いですよね。
私は、吉田秀和さんが亡くなって、
あの人の本を買い込んだので、磐音のほうが
進まなくなっちゃっています。
早く続きを読みたいのですが(笑)

matsumoさん
磐音の父が利高を選んだ経緯が、最後まで
すっきりしなかったですね。
屋根船での主人公親子とおこんさん親子の場面、
よかったですよね。
特に磐音の父、正睦の振る舞いが良かったこと、
これは読んでいて嬉しかったです。
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プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

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