相模国・高部屋神社の狛犬

20180111

所在地:神奈川県伊勢原市下糟屋2202 高部屋神社本殿前
撮影日:2017年12月1日

歴史クラブの「関八州式内社めぐり」相模国の三回目で、高部屋神社に参拝した際に会いました。

相模国・延喜式内社高部屋神社については、既に記事があります。

その記事を見る


五間社流造という格式の高い構造の本殿の前に、黄檗宗の僧行按・行白が寄進した狛犬が居ます。
180111takabe01.jpg


年代:享保12年(1727)
材質:石造
型式:宝珠・角型(はじめ型)

右は阿形獅子。頭に角がある。
180111takabe02.jpg


180111takabe03.jpg


180111takabe04.jpg


180111takabe05.jpg


180111takabe06.jpg


左は吽形獅子。頭に宝珠を載せている。
180111takabe07.jpg


180111takabe08.jpg


180111takabe09.jpg


180111takabe10.jpg


特徴:
・右側が阿形、たてがみに巻き毛があり獅子。頭に角がある。
・左側は吽形、たてがみに巻き毛があり獅子。頭に宝珠を載せている。
・身体に比べて頭部が大きい。
・伏せ耳、目は鋭く、威嚇的。
・眉と顎鬚は、阿形は流れて先端にわずかに巻き毛。吽形はとんど巻き毛。
・口は牙が目立ち、歯もかなりむき出しで、威嚇的な顔。
・前足は直立。後足は蹲踞。
・足の表現はシンプル。付け根に羽根のような巻き毛があるのみ。
・尾は、背中に沿って植物の葉のように分かれて伸びている。
・阿形の尾は、六つに分かれて葉が流れ。中央の葉のみが先端が巻いている。
・吽形の尾は、元からぜんまいのように三つの尾が巻いて、そこから上にもう一つの葉が流れている。

身体の部分
180111takabe11.jpg


180111takabe12.jpg


尾は、背中に沿って植物の葉のように分かれているが、阿形と吽形で形が違う。
180111takabe13.jpg


阿形の尾は、六つに分かれて葉が流れ。中央の葉のみが先端が巻いている。
180111takabe14.jpg


吽形の尾は、元からぜんまいのように三つの尾が巻いて、そこから上にもう一つの葉が流れている。
180111takabe15.jpg


年代は、享保12年(1727)。
180111takabe16.jpg



今のところ、私の確認した範囲のなかでは宝珠・角型としては最古のもの。
まだ「はじめ型」の時代に、宝珠と角が登場している。
阿形に角があり、吽形が宝珠を載せるという、通常とは反対のかたちとなっている。
シンプルな造形のなかで、顔だけが大きく立派になっている。


狛犬の記事一覧を見る



狛犬三点

20180106

3日に、上野の「博物館に初詣 犬と楽しむ新年」を見に行ったが、犬が登場する美術品、文化財を特集していて楽しかったが、その中に三組の狛犬も出展されていた。

【①板彫狛犬】
180106koma01.jpg


180106koma02.jpg


年代:鎌倉時代
材質:木製
型式:神殿型

180106koma03.jpg


180106koma04.jpg


180106koma05.jpg


180106koma06.jpg


特徴:
・片方だけであり、吽形で、たてがみから狛犬。
・耳を立て、目も鋭い感じで、たてがみもふさふさとしていて勢いがある。
・頭部も身体も丸々としている。
・前足はやや前に伸ばし直立。
・後足は蹲踞。
・前足の付け根と、後足の脛に羽根状の毛の表現。

【②獅子・狛犬】
180106koma07.jpg


180106koma08.jpg


180106koma09.jpg


年代:南北朝~室町時代
材質:木製
型式:神殿型

右が阿形獅子。顔の鼻から上顎の部分が欠落している。
180106koma10.jpg


180106koma11.jpg


左が吽形狛犬。頭に角が付けられていたと思われる穴がある。
180106koma12.jpg


180106koma13.jpg


特徴:
・右が顔の横に巻き毛を表す突起あり、獅子。
・左が吽形で、たてがみから狛犬。頭に角が付けられていたと思われる穴がある。
・阿形は顔の鼻から上顎の部分が欠落している。
・耳は垂れ、目は奥に、鼻と口が前に出ていて、獰猛な感じ。
・胴が長く、姿勢に躍動感がある。
・前足は直立。後足は蹲踞。
・前足には大きな翼状の毛が踊り、躍動感がある。

吽形頭部
180106koma14.jpg


180106koma15.jpg


身体
180106koma16.jpg


【③吽形狛犬】
180106koma17.jpg


180106koma18.jpg


年代:江戸時代
材質:木製
型式:神殿型

説明では「獅子」となっているが、たてがみから明らかに吽形狛犬である。
阿形獅子・吽形狛犬の片方ではないかと思う。
180106koma19.jpg


180106koma20.jpg


特徴:
・吽形で、たてがみから狛犬。
・耳を横に開き、目を見張り、歯を噛みしめて、獰猛な表情を表しているが、全て丸っこくてユーモラス感も出ている。
・胴が短く、子犬の感じがする。
・前足は前に投げだし、後足はお座りをしている。
・身体には毛の表現が少なく、胴に少し筋が入っているのみ。
・尾は立ち、植物の葉のように三つに分かれて広がっている。

頭部
180106koma21.jpg


180106koma22.jpg


身体
180106koma23.jpg


尾は立ち、植物の葉のように三つに分かれて広がっている。
180106koma24.jpg


180106koma25.jpg




狛犬の記事一覧を見る



東向島・白鬚神社の狛犬

20171229

所在地:東京都墨田区東向島3−5−2 白鬚神社参道
撮影日:2017年9月10日

最寄駅は、東武伊勢崎線東向島駅からとなる。
この日は、浅草から隅田川沿いに北上、牛島神社、三囲神社と撮影し、更に北上してこの神社で撮影、それから東向島駅から帰途についた。

白鬚神社入り口
171229shirahige01.jpg


この神社は、天暦5年(951)に慈覺大師が関東に下った時に、近江国比良山麓に鎮座する白髭大明神(滋賀県高島市白鬚神社)の御分霊をここに祀ったとされる古社である。

狛犬は、拝殿近くの参道に居る。
171229shirahige02.jpg


年代:文化12年(1815)
材質:石造
型式:江戸尾立ち・流れ尾型

山谷の料亭「八百善」として有名な八百屋善四郎、吉原の松葉屋半左衛門、駿河屋市兵衛が、奉納したもので、墨田区登録有形民俗文化財となっている。

右側が阿形獅子。
171229shirahige03.jpg


171229shirahige04.jpg


171229shirahige05.jpg


171229shirahige06.jpg


171229shirahige07.jpg


左側が吽形獅子。
171229shirahige08.jpg


171229shirahige09.jpg


171229shirahige10.jpg


171229shirahige11.jpg


特徴:
・右は口を開き阿形、たてがみに巻き毛あり獅子。
・左は吽形、たてがみに巻き毛あり獅子。
・たてがみが非常に長く流れて、尾にまで達し、一部は前足にまでかかっている。巻き毛も彫りが深くて立派。
・耳は横に広げ、眉と髭、顎髭も立派。
・牙はわからない。阿形は口を開き、吽形も歯をのぞかせているが、穏やかな感じ。
・前足は直立。後足は蹲踞。
・前足と後足共に筋肉が強調され、爪もしっかり、毛並みも豊かに表現されている。
・尾はタケノコ状に立って、両脇に6個ずつの巻き毛。一部が横に豊かに流れている。
・尾によって雌雄を表している。阿形は中央に巻き毛の突起があり、吽形は、中央に筋が入っている。

たてがみが非常に長く流れて、尾にまで達し、一部は前足にまでかかっている。巻き毛も彫りが深くて立派。
171229shirahige12.jpg


前足は直立。後足は蹲踞。
姿勢が阿形と吽形で微妙に違う。阿形はちょっと前かがみ、吽形は胸を反っている。
そのため、前から眺めた時に、前足の長さがずいぶんと違う。
171229shirahige13.jpg


171229shirahige14.jpg


前足と後足共に筋肉が強調され、爪もしっかり、毛並みも豊かに表現されている。
171229shirahige15.jpg


尾はタケノコ状に立って、両脇に6個ずつの巻き毛。一部が横に豊かに流れている。
171229shirahige16.jpg


171229shirahige17.jpg


「江戸尾立ち型」で片づけるには、尾の一部が横に豊かに流れている。
迷ったあげく、「江戸尾立ち・流れ尾型」としてしまった。
流れ尾型に移行途中の、いい例だろう。

また、尾によって雌雄を表している、珍しい例である。
雌雄別の狛犬は、たまに見かけるが、子孫繁栄の意味を込めてのことだろう。

阿形は、中央に巻き毛の突起がある。
171229shirahige18.jpg


吽形は、巻き毛が無く、筋が入っている。
171229shirahige19.jpg


(了)


狛犬の記事一覧を見る



新宿・十二社熊野神社の狛犬-2

20171225

所在地:東京都新宿区西新宿 十二社熊野神社拝殿前
撮影日:2017年6月18日

新宿十二社(じゅうにそう)熊野神社は、JR新宿駅から都庁に向かって歩き、都庁のすぐ先にある新宿中央公園に隣接してある。
171225jyuuni01.jpg


拝殿の前にあるのが、今回紹介する狛犬。
171225jyuuni02.jpg


新宿駅から歩き始めた時にボツボツと雨が降り出したが、小雨にもいかない感じなのでそのまま歩いていった。
熊野神社に着いて撮影を始めて、阿形を撮っているときに、いきなり土砂降りとなり雨宿り。
雨が小雨になったので、撮影を再開した。
なので吽形はかなり濡れている写真となった。


年代:文化元年(1804)
材質:石造
型式:宝珠・角型

右側に、阿形獅子。頭に、傷んでいるが宝珠あり。
171225jyuuni03.jpg


171225jyuuni04.jpg


171225jyuuni05.jpg


171225jyuuni06.jpg


171225jyuuni07.jpg


左側が吽形獅子。頭に角あり。
171225jyuuni08.jpg


171225jyuuni09.jpg


171225jyuuni10.jpg


171225jyuuni11.jpg


171225jyuuni12.jpg


特徴:
・右は口を開き阿形、たてがみに巻き毛あり獅子。頭に、傷んでいるが宝珠を載せている。
・左は吽形、たてがみに巻き毛あり獅子。頭に角あり。
・たてがみは長く流れて、威勢が良い。巻き毛も彫りが深くて立派。
・耳は横に広げ聞き耳を立てている感じ。眉と髭が立派。吽形は顎が長い。
・牙はかなり目立ち、阿形は大きく口を開き威圧的な感じ。吽形も歯をのぞかせ獰猛な感じ。
・前足はやや前方に直立。後足は蹲踞。
・前足と後足共に筋肉が強調され、爪も大きく、たくましい。
・脚の毛の表現は控えめだが、前足の根元と、かかとの前と横にある巻き毛が綺麗。
・尾は立っていて、根元の五つの巻き毛から勢いよく炎が立つ。たけのこの皮みたいに炎が中央の太い炎をくるんでいる。一部が腰のほうにまで延びている。

阿形の宝珠が傷んでいるのが残念。
171225jyuuni13.jpg


171225jyuuni14.jpg


・前足はやや前方に直立。後足は蹲踞。
・前足と後足共に筋肉が強調され、爪も大きく、たくましい。
・脚の毛の表現は控えめだが、前足の根元と、かかとの前と横にある巻き毛が綺麗。
171225jyuuni15.jpg


171225jyuuni16.jpg


尾は立っていて、根元の五つの巻き毛から勢いよく炎が立つ。たけのこの皮みたいに炎が中央の太い炎をくるんでいる。一部が腰のほうにまで延びている。
171225jyuuni17.jpg


171225jyuuni18.jpg


年代は、文化元年(1804)。
171225jyuuni19.jpg


良い石を使っていて、ほとんど風化や損傷が無く、とても綺麗で、勢いの良い立派な狛犬です。


狛犬の記事一覧を見る



市谷亀岡八幡宮の狛犬-2

20171221

所在地:東京都新宿区市谷八幡町15 市谷亀岡八幡宮参道拝殿前
撮影日:2015年10月6日

市谷亀岡八幡宮は、JR市ヶ谷駅から歩いて5分ほどのところにあります。
上り口の石段
171220kameoka01.jpg


市谷亀岡八幡宮については、既に記事があります。

その記事を見る


この神社の参道石段の途中には、享保14年(1729)造立の「はじめ型」狛犬があり、これは既に記事にしています。

更に石段を上がって、上がりきったところに今回の狛犬があります。
171220kameoka02.jpg


年代:文化元年(1804)
材質:石造
型式:宝珠・角型

右側に、阿形獅子。目立たないが頭に宝珠あり。
171220kameoka03.jpg


171220kameoka04.jpg


171220kameoka05.jpg


171220kameoka06.jpg


左側が吽形獅子。頭に角あり。
171220kameoka07.jpg


171220kameoka08.jpg


171220kameoka09.jpg


171220kameoka10.jpg


特徴:
・右は口を開き阿形、たてがみに巻き毛あり獅子。頭に目立たないが宝珠を載せている。
・左は吽形、たてがみに巻き毛あり獅子。頭に角あり。
・たてがみは長く流れて、足の付け根まで伸びている。非常に勢いを感じる。
・耳は横に広げ聞き耳を立てている感じ。目に眉がかぶさり、ほとんど目は見えない。髭も立派。
・牙は目立たないが、阿形は舌をのぞかせ獰猛な感じ。吽形も歯をのぞかせ獰猛な感じ。
・前足はやや前方に直立。後足は蹲踞。
・前足と後足共に筋肉が強調され、爪も大きく、たくましい。脚の毛の表現は控えめ。
・尾は立っていて、根元の三つの巻き毛から勢いよく炎が立つ。途中に二個の大きな巻き毛。


前足と後足共に筋肉が強調され、爪も大きく、たくましい。脚の毛の表現は控えめ。
171220kameoka11.jpg


171220kameoka12.jpg


尾は立っていて、根元の三つの巻き毛から勢いよく炎が立つ。途中に二個の大きな巻き毛。
171220kameoka13.jpg


171220kameoka14.jpg


良い石を使っていて、ほとんど風化や損傷が無いので、とても綺麗であり、たてがみが長い造型により、勢いの良い立派な狛犬です。


狛犬の記事一覧を見る



プロフィール

四季歩

Author:四季歩
とにかく歴史好きです。そして旅も好き。
写真が趣味なので、いきおい記事は写真が中心になります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

Pagetop